あらすじ
かつて総合商社万年4位だった伊藤忠は、2021年には純利益、株価、時価総額の3つの指標で業界トップになった。いまや大学生の就職人気ランキングでも上位の常連である。この躍進の背景には、創業者・伊藤忠兵衛から当代の岡藤正広CEOまで、脈々と受け継がれてきた「近江商人のDNA」がある。「商人は水」「三方よし」「人格者を重用するな」など、最強企業のユニークな「商人道」を経営者の言葉から解剖する。
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Posted by ブクログ
なぜか伊藤忠出身者に知り合いが多い。
大前研一先生のもと一緒に勉強したラグビー部OB、
転職して入った不動産会社の監査役の方々、、、皆ナイスガイだ。
その秘密?がこの新書にある。
財閥系ではない、万年四位、ひところは倒産の危機さえあった伊藤忠商事が、
いまやNo1にのし上がった。
その原動力は3人の社長。丹羽宇一郎、小林栄三、そしてこの新書の主役岡藤正広
現社長だ。
企業理念「三方よし」、商いの三原則「か・け・ふ」(稼ぐ、削る・防ぐ)
様々な施策を打っているが、基本的な考えはシンプル、と見た。
要は相手の立場にたって、お互いが満足できる方法を考える、これに尽きる。
そのためには現場に行って、相手に会って、状況を見なければ、考えられない。
当たり前といえば当たり前のことだ。
しかし実際はこれができず、机上の空論のような考えで物事が進み、軋轢を生む。
今の政府のやってることなんてその最たるものだ。
霞が関でものを考えていては現場のニーズにこたえられないのだ。
それが企業の間でも起きている。
そこをちゃんとやるものが、認められる。
伊藤忠はいい会社、ってことになる。
だから私が知ってる伊藤忠OBはいいひとばかりなのかな。
人生やり直せるならこういう会社に入りたい、と思えるほど。
でも英語ができないからダメかな。いや、環境ができるようにしてくれるかな。
良い本。
はじめに
第1章 稼ぐ言葉
「か・け・ふ」の生みの親/つらい時でも真面目に仕事する/商人は水/客から説教されたら「しめた」と思え/用事がなくてもお客さんに会いに行け/営業は情熱ではない/営業はアート。科学ではない/シャンプーを売るならまず風呂場を掃除しろ/スランプの時は先を見ない/「少年よ大志を抱け」は余計なお世話/どん底で磨かれたレジリエンス/強いもんとケンカせえ/紳士服地の「本当のお客さん」は女性だった/「自分以外の誰かのために」がいちばん力が出る/仕事ではイニシアチブを握る/すそ野を広げれば頂上は高くなる/相手の言わない本音も汲み取る/契約は99パーセント決まってからが勝負/提携から買収へ/ブランドはファッションだけにあらず/常に「原則」に立ち返れ/ブランドマーケティングで垣根を取っ払う/手土産に無関心なやつは仕事ができない/説得と浪花節とちょっとした手土産/胡蝶蘭と祝電は悪手/会社に届いたものを自宅に持って帰る人間は出世しない/商売の運は腰の低い人にやってくる/ベートーヴェンをぶっ飛ばせ/財閥系と勝負できるのは商人魂があるから/現場にぶち込めば商人として磨かれる/化学品の「受け渡し」は綱渡り/情報は声をかけにくい人が持っている/商人は小心者でいい/酒は人を酔わさず。人が人を酔わす/入社2年目で単身シベリアに/会社と個人をつなぐ期待と信頼の相互作用/バフェット曰く「オカフジさんは Good Storyteller」
第2章 近江商人の言葉
三方よし/自分だけを起点にして商売を考えない/「三方よし」が伊藤忠の企業理念になった理由/客先の在庫も自分の責任/持ち下り――総合商社の仕事のプロトタイプ/利益三分主義/ひとりの息子を育てるよりも百人の子どもを育てたい/利益は危地にあり/「だるまびき」と技術移転/熱心な浄土真宗信者/水運の利用/人格者を重用するな/優等生のアイデアは保守的で退屈/百人のうち九十九人に誉めらるるは善き者にあらず
第3章 口に出さない言葉
外部環境を言い訳にしない/難しい言葉でしゃべらない、難解な文章は書かない/「何か新しいことをやれ」とは言わない/過度な謙虚は美徳にならない/社員のやる気を引き出したいなら給料を上げよ/残業を追放/取引先への過度な優しさは自分の会社を潰す/契約を結んだ後でも、リスクを感じたら撤退する/悪いニュースを隠してはいけない/組織はあっという間に弱くなる/相場は商人がやらなくてもいいこと/最初から頂点を目指すな
第4章 働き方の言葉
自分の今の仕事を疑う/村の祭り酒/商売では「負け方」が大事/負けを極小化するための「か・け・ふ」/最上の守りは変身しながら攻めること/できる人間には難しい課題をやらせる/難事は自ら行う/名言は実践しなければ意味がない/信用をなくすのは簡単、取り戻すのは難しい/「か・け・ふ」の「削る」/相手が儲かれば条件は変わる/「か・け・ふ」の「防ぐ」/商談はまずイエスから入れ/穏やかな人が良いものを作る/朝型勤務と110運動/米とようかんを背負ってジャングルへ/子どもは何人いようが大学院まで出す/いい賞品はブービーメーカーに
Posted by ブクログ
私もイイ会社にしだい! スタッフが1番良い会社だ、と言ってもらえる会社に!
やはり、しっかりと利益を上げて配分をし、皆さん少しでも幸せにしだい、そんな覚悟を持って経営をする。それだが大切な事です。
株価と連動する、素晴らしい事だ、「か け ふ」も心に刻もう! もちろん三方良しを考えて。
Posted by ブクログ
組織に悩むビジネスマンに刺さる一冊!
読み物としても面白い。
商社はただデカくて儲かっているわけではない。
人の創意工夫と努力が商社を作っている。
とても刺激になる一冊でした。
特に昨日の仕事を疑う(新しい価値をつける)考え方は感銘を受けました。
意識していきたい!
Posted by ブクログ
商売で大事な本質を再確認できる。
商人として経営されている岡藤さん、伊藤忠の現場主義や経営の原理原則が良い学びになる。
か・け・ふ(稼ぐ・削る・防ぐ)
商人は水
三方よし(売り手良し・買い手良し・世間良し)を考える
客が困っていることを解決する
自分の今の仕事を疑う。毎日改善する。
商売はペナントレース。負け方が大事
難事は自ら行う
Posted by ブクログ
伊藤忠の方の言葉が記載されている。
かけふ(稼ぐ、削る、防ぐ)
110運動(1次会、1種類、10時まで)
商売は想定内なら儲かる。儲けるには最悪のシナリオについても考えておくこと。負けを最小化することが大切。
取引を生み出し、お礼を言われたり、褒めてもらうなど、感動の現場に立ち会う。
務める会社に期待と信頼がないと働けない。
聞かれたことはハイと答える。
朝型に変える。
Posted by ブクログ
伊藤忠の三方よしや商人は水と言う言葉や、朝方勤務や残業禁止と言った勤務体系は聞いた事があったのですが、もう少し詳しく知りたくて本書を手に取りました。
会社としてこのような考えを従業員に浸透させるためには口先や小手先でどうこうなるものではないんだろうなと思いながら、内容自体は必ずしも他の人が真似できないような事ばかりと言う訳ではありませんでした。
じゃぁ何で伊藤忠なのかな?と考えた時に、創業者の伊藤忠兵衛が熱心な浄土真宗の信者で、全財産を失っても信仰を失ってはならないと言う教えを残していると言うところが面白いなと思いました。
近代資本主義の発展にもキリスト教プロテスタントの倫理があったと言われています。
浄土真宗の倫理と伊藤忠の精神と言ったら言い過ぎかもしれませんが、我々人間は頭では良いと分かっている事でもなかなか自分本位の考えを改める事が難しい中で、自分が正しいと信じる事を高いレベルで実践する事ができる人と言うのは、やはりそれを実践するための信念=信仰を持つだけでなく、信念を継続するための仕組みを自ら考えて信仰を継続する事を可能にし、その精神に共感する人たちが現代においての伊藤忠らしさとは何かを考えた結果なのかな?と思いました。
Posted by ブクログ
いいことが書いてあるのは分かった。
ただ、コレというものは覚えていない。
仕事がうまく進んでないからだろう。
そんな時に読んでも結局は記憶に残らない。
それが分かったことがよかった。
Posted by ブクログ
商人は水。
水のように自由な発想をすることで、商売はうまくいく。
かけふ。
稼ぐ。削る。防ぐ。
防ぐ=特損を発生させない
お土産は有効。
反対派には説明して回る。
Posted by ブクログ
伝記的なノリと、ビジネス書然とした自己啓発の類。いいことを言っているなという説得力のバックボーンとしては優秀だろう。伊藤忠や、最近名をよく見る岡藤氏の理解に役立った。
Posted by ブクログ
きちんと当たり前のことを着実に行うことが1番強いんだなと思った
残業についての考え方が同じでなんか安心した
これからも残業代稼いでダラダラいる人を横目に、サクッとやることやって帰ろうと思った
Posted by ブクログ
新人研修を受けるこの時期に、商人としての心構えを知ろうと手に取りました。
三方よしをはじめとした、様々な考え方が役員たちの現役時代の話を交えて紹介されており、参考になりました。
Posted by ブクログ
総合商社のイメージが変わった。伊藤忠が就職先人気ナンバーワンになった理由がよく分かった。
現場に赴くこと、社員を家族のように大切にすること、マーケットインで考えること、これらが伊藤忠なのだ。一方で、朝型を推奨して、夜残業を減らす。昔からのマインドを守りながら、今の働き方を進める。
もともと近江商人の考え方を尊敬していたが、その現代版にあたる伊藤忠は、とても興味深かった。
Posted by ブクログ
弊社に7月から就任した新社長が、やたらと「かけふ」と連呼するので、
「かけふ」=「稼ぐ、削る、防ぐ」を生み出した、伊藤忠の岡藤会長のことをメインに、伊藤忠の近江商人魂を学ばないとなんて思ってみましたが、
やはり万年窓際係長には、「頭ではわかってるんですけどね」で終わってしまう。
お恥ずかしや。