あらすじ
非正規雇用、賃金格差、病や障害、ハラスメント──ロスジェネ世代の著者が〈働けない〉側から日本の労働を考えるエッセイ集。
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Posted by ブクログ
まずはとにかく著者は全編通して「怒り続けている」ということ。
そうだよな、その通りだなと思うところが多々あったのにあんまり染みなかったのはなぜなのだろう。
文体か、生のまますぎる怒り成分が多過ぎに感じられるからなのか…
せっかくの(?)働けない当事者からの貴重な考察であるのに、訴え部分が霞んでしまっているような。
タイトルの一部ともなっている「働かない、働けない」について切実に苦しんだ当事者や関係者の人には手に取られるでしょうし、頷けるところもあると思われます。
でもそういう立ち位置の人に関心のない社会ジャンルの本を手に取る人には…どうだろう?
まぁ著書はそういう人には理解も同情も求めていないだろうとは思うのですが…(となんとももやもやした感想ばかりになってしまう)
巻末を見て、本書が書き下ろしでなくウェブ掲載の文章をまとめたものと知り、それでどちらかと言うとエッセイ風味強めなのかなと納得。
そもそもまとめたものの問題提起本という立ち位置でもなかったのかなと。
怠け者列伝(p160)はちょっと面白かった。
文中に引用されていたシモーヌ・ヴェイユの言葉「不幸があまりに大きすぎると、人間は同情すらしてもらえない。嫌悪され、おそろしがられ、軽蔑される。(p104)」が真実すぎる、と衝撃を受けました。