【感想・ネタバレ】おいしそうな文学。のレビュー

あらすじ

物語は別腹。

29名の豪華執筆陣が綴る、古今東西の文学作品に登場する一品と、忘れられない読書体験。
読書欲と食欲をそそられる三ツ星<食×文学>エッセイ・アンソロジー。


物語の美食家たちを虜にした全29品。
その味は、読んでみてお楽しみ。まずは一口召し上がれ。

江國香織、枝元なほみ、粥川すず、木村衣有子、くどうれいん、斉藤倫、最果タヒ、向坂くじら、関口涼子、武塙麻衣子、田中知之、崔実、中条省平、土井善晴、奈倉有里、野村由芽、花田菜々子、原武史、原田ひ香、平松洋子、藤野可織、穂村弘、堀江敏幸、益田ミリ、町田康、三浦裕子、宮内悠介、宮崎純一、山崎佳代子
(執筆者一覧・50音順、敬称略)

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

どれもこれもおいしそうな文章ばかりで、ダイエット中の身には辛かった。究極、お腹が空いていれば何でもおいしそうだと思った。小説の中に出てくる作者が作った架空の食べ物は、どんなお金持ちでも食べられないというところは、本当にそうだなあ、最後は想像力かなあと思った。

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2025年09月12日

Posted by ブクログ

文学作品に登場する食について、現代作家や、写真家、エッセイストが書いている。日本では特別な日は、特別なものを食べましょうといった習慣が強い気がするが、心の奥底にある、ふと、「食べたいな」と思うものは日常のご飯だったりする。理想の食べ物を理想のものにしておきたいがためにあえて調べないという視点が面白い「魅惑のミントジュレップ」や、好きな小説のシーンと同じようにお酒を嗜みたい「野菜がほしくなる」が好き。食の選択が溢れている時代だから、何を食べたかというより、食べたときの状況、誰といたか、どんな感情だったか。そちらの方が記憶に残りやすいのではないだろうか。私の理想の食べ物と食べ方は、真夏の夜にベランダでなんでも話せる男の人ないしは女の人と夜の街を見ながらアイスを食べることだ。22歳にして叶えたい夢が一つできた。明日、何食べよう。お昼、どこに行こう。そんなことを考えてしまうような本だった。
You are what you eat.

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2025年09月04日

Posted by ブクログ

まず表紙がかわいくてジャケ買いした。
出てくる食べ物といえば、贅沢なモノより素朴なモノが多かった。私たちが普段食べているモノはもちろん、え?それ⁇と思うものもある。
衝撃だったのは村田沙耶香の「地球星人」。読んだことなかったけど、話題にはなっていて可愛らしい表紙は目にした事もあった。興味はあってもちょっと無理かな…と思った。
それと「陰翳礼讃」はやっぱりもう一回手に入れて、ちゃんと読んでみようと思う。若い頃は何とも思わなかった表現が、少しは理解できるようになっていると嬉しい。

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2025年06月25日

Posted by ブクログ

花田菜々子さんの物語に登場する食べ物を神格化してしまう感じにとても共感した。
姿を知ってはいるが私にとってのミントジュレップ的存在は三浦しをんさんの「むかしのはなし」に登場するモモちゃんの作る桃のフルーツサンドだ。
素朴で自分でも作れそうなものだが実際にそうしたことはない。
味を想像し心躍らせたあの気持ちをずっと失いたくないからだろう。
時折思い出から取り出してはいつまでも焦がれ続けるそんな恋みたいな感覚。

その他にも様々な人によって語られる食べ物と本との関係性がとても面白くて読んでみたい本がいくつも見つかったのが大収穫だった。

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2025年05月31日

Posted by ブクログ

短編集、短編書評集と言えばいいのかな?
普段ふれたことのない作家さんもいて思わぬ出会いが楽しかった!
紹介された本たちも読んでいきたいな

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2025年04月19日

Posted by ブクログ

本にでてきた食べ物に様々な作家さんが思いを馳せて綴る新しいエッセイでした
大好きな益田ミリさんや平松洋子さんの随筆はやっぱり段違いで好きな文章でしたし、逆にあー合わないかもと思ってしまう文章もありながらも、この作家さんが紹介してる本知らないけど読みたくなる!と新たな発見も。

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2025年04月16日

Posted by ブクログ

食べることに関するエッセイ集。

数ページずつの紹介なので、サラッとすぐに読めました。
実際、今東京の観光の合間の1時間と、新幹線の移動時間だけで読みきれました。

くどうれいん さん、花田菜々子さん、穂村弘さんの文章がお気に入り。

江國香織さんの『きらきらひかる』は改めてチェックしたい。こんなにお洒落で多くの文学人たちを惹きつける文章を描ける江國さんはやっぱりスゴイ方なんだとしみじみしました。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

やはり多作家の短編集は苦手かもしれない。
ハマると感じた文章は少なかったものの、興味を惹かれたのはやはり花田菜々子さんのエッセイであった。

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

表紙を担当しているてらおかなつみさんが好きで手に取った一冊。「食」をテーマにしたアンソロジーはこれまでに何冊か読んできたが、挙げられる作品に個性があって面白かった。「おいしそうな文学」と言いつつも、印象的な「まずそうな食事」のシーンもいくつか挙げられており、そちらも面白い。津村記久子さんの『この世にたやすい仕事はない」』が大好きなので、『BIG揚げせんいか&みりん』(益田ミリさん)にテンションが上がった。

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

言葉で味わう。

文学に登場する食べ物や飲み物を語るアンソロジー。武田百合子が何回か出てくるし、江國香織も複数回出てくる。ポイントだと思うのがタイトル『おいしそうな文学。』とあるだけあって、美味しいものとは限らないこと。文字でどれだけ味覚を語れるかが、様々な表現者の視点で書かれている。文学に現れる食べ物・飲み物は食べたことがないものも多く、想像するしかないものがたくさんある。それらへの憧れに共感して、一気に読んでしまった。

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2025年09月26日

Posted by ブクログ

2025.08.20

『休むヒント。』の装丁が好みで、
雰囲気似てるのあるな〜と思ったら
同じ群像編集部…!
即決で購入。

作家さんによって様々だけど、
好きな物語を引用している方が多くて
読みたい本がまた増えてしまった…

印象的だったのは、
野村由芽さんの「おいしくても、まずくても、」
ログを残したくなる内容で
それは自分にとって良いものも良くなかったものも
正直に残さなければと感じました。
その時々の自分がひとりぼっちにならないように。

食べものにまつわるエッセイって
やっぱり素敵ですね〜

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2025年08月20日

Posted by ブクログ

あー枝元さんの文章だーとはじめからうるっと。
FPM田中さん土井さん、あとは大好きな作家さんのオンパレード。読んでる時の食べ物の妄想点、かきたてられ点の考察本もいいなーと思わされた1冊。食べ物の本っていい。

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2025年07月12日

Posted by ブクログ

おいしそうな文学というタイトル、表紙の可愛らしさから、きっと美味しそうなお料理のまったり癒される可愛らしいエッセイが集められているんだろう…と思って読むと、肩透かしをくらうと思う。

おいしそう、とあるのに、結構美味しくなさそうな作品を取り上げたエッセイが多くて、このエッセイを依頼した群像編集部はかなりの天邪鬼なのでは…(町田康に依頼してる時点で、普通のお料理文学エッセイなど絶対期待できない…)。そういえば、『休むヒント』というタイトルなのに執筆者がほぼ誰も休んでないエッセイ集を出してるのも群像だったなぁ。

私自身はこういう予想外の方向に振り切った企画は嫌いじゃないので、楽しく読みました。

向坂くじらさんが書かれた、小川洋子の『妊娠カレンダー』と太宰の桜桃についてのエッセイが特に良かったです。
あと関口涼子さんの『味を呼び戻す』というエッセイも。
存在しない料理とか、もう二度と食べられないものとか、自分から遠くにあるものほど強烈にひとを惹き付けるのだなぁと思いました。

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2025年07月12日

Posted by ブクログ

今をときめく作家さん達の、忘れられない「食」にまつわる文学体験。
必ずしもストレートに"美味しそうな描写"なものだけが心に残るわけではない、ということがよく分かる一冊。
「きらきらひかる」に出てくる、"ミントジュレップ"は私もとても飲んでみたいと思ったのを懐かしく思い出しました。

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2025年06月18日

Posted by ブクログ

短編エッセイ集。とにかく表紙がかわいい。白いたれ耳犬と、お皿の上のカステラ。
エッセイ内容より、書いた著者の事が気になる。
⚫️武塙麻衣子 ⚫️田中知之 ⚫️土井善晴 ⚫️原田ひ香 ⚫️平松洋子 ⚫️堀江敏幸 ⚫️益田ミリ ⚫️町田康 ⚫️三浦裕子

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2025年05月31日

Posted by ブクログ

可愛らしい表紙とタイトルからほっこり食エッセイだと思い手に取った。タイトル間違えてない!?ってくらいおいしそうじゃない話が印象に残った。また土井善晴さんの「感性とは、違いがわかること」という一文が同じくらい印象に残った。こういう本には次読みたい本や気になる作家との出会いがあったりするのでつい読んでしまう。

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2025年05月31日

Posted by ブクログ

群像のオムニバスエッセイ

世の中には、食エッセイというジャンルがあるみたいですが、今作はその派生。
「おいしそうな文学」のタイトル通り、文学作品に出てくる「食」がメインのエッセイ集。

それぞれの作家さんが食に纏わる文学作品を紹介してくれます。


くどうれいんさん関連。
気づけば、今月7冊目でした笑

くどうれいん、野村由芽、穂村弘のが良かったです。

野村由芽さんの引用(ネタバレ)

武田の文章には「まずい」と書かれたものがよく出てくる。そのうえで、これは魔法としか思えないのだけれど、まずいと書いてあるのに、食べたくなるのだ。あまつさえ、食べるっていいな、生きてるっていいものだなぁ.....
と魂がぴかぴかに拭かれてく。
レビューサイトやSNSで、誰かの「おいしい」が数値化されたものを上から順に見ることを内面化している自分の目とはほど遠い、とため息をつく。言葉を尽くされる価値があるのは、一握りの「おいしい食べ物」であることにわたしはどこかで慣れてしまっていた。けれどその世界観に則るならば、言葉にされなかった、この世の無数の食べ物の味わいの記憶は、どこにいってしまうんだろう?と切なくなる。そんなとき、『日日雑記』をひらけば、おいしいものも、おいしくないものも、その間にあるものもよく見て、贔屓せずに書かれた武田の率直な言葉が並んでいる。すべてが等価に魅力的で打ちのめされる。この世界のすべての記憶を運ぼうとするような凄みのある目よ。
単行本未収録エッセイ集『あの頃』で、武田は自身の日記では「くわしく」書くことを心がけていると書いていた。食べたものをくわしく書いていけば、「おいしい」の周囲にある無数の風景の魅力が豊かにたちあがってくる。味覚的なおいしさだけでなく人の情けなさ、愛しさ、おかしみなどの複雑な味わいもこみあげてくる。生の営みの多面性が祝福され、そこにわたしは射抜かれる。
生活というのは、まちがうことの連続。なのに、きれいなところばかり見せたくなってしまう。けれど覆い隠すばかりだと、無数の気持ちを抱く自分がそこにいたことを、いつか忘れてしまいそうだ。「誰にも話せないようなことを自分が忘れてしまったら、そのときの自分がひとりぼっちになってしまう」とあるとき同居人が言っていたことが、胸に残っている。そういえば『日日雑記』の冒頭には、「ーーいなくなった人たちに」と書かれていた。武田は、いなくなっていくすべての人たち、すべての食べ物たちの、世間で「良い」「立派」とされているところだけではない部分もこの世界に「ありありと在ったのだ」という事実を、なくしたくなかったのではないか。日日の雑事こそ忘れないし、ひとりぼっちにはさせないというその意志が、結晶化したのが『日日雑記』ではないか。



武田百合子さんに言及したエッセイが本書には、3作もある。読みたくなりました。

穂村弘さんの引用

 「おいしそうな文学」と云われて、山下翔の本を思い出した。

中略(短歌と解説)

プラスチックのパックぱんぱんの焼きそばを
両手で持つて運ぶたのしさ

食べるおいしさの前に「運ぶたのしさ」がある。「プラスチック」「パック」「ぱんぱん」と鏡くパ行音の連鎖が、大きく膨らんだ「焼きそば」への期待と響き合う。「両手」で大事に持っているところもいい。

お替りのごはんの量は「たくさん」と答へたり
たくさんたくさん食べる

料理の質というか味を求める気持ちもわかるど、その一方で、この歌のおおらかさには、ほっとさせられる。「たくさんたくさん食べる」が予想を超えていて、その真っ直ぐさに感銘を受けた。

十二月三十一日の風ぬけてうどんがうまい、
いんげんがあまい

年越しの蕎麦ならぬ「うどん」の歌。「うどんがうまい、いんげんがあまい」の平仮名表記と韻の踏み方に本気感が宿っている。


短歌も解説もわかりやすくて良い作品だと思いました。

すごく短いエッセイ集なのですが…
なんか頭に入ってこない作品もあり、全体的にはまぁまぁでした。

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2025年05月25日

Posted by ブクログ

おいしそうな物語の短編集と思ったら、全く違っていて、文学作品に出てくるおいしそうな描写の紹介がメインだった。
食べ物が出てくる小説は好きでよく読むけど、特に食べ物メインでない小説でも、こんな風に心情や情景を表現できるんだなと改めて思った。
知っているもの、知らないもの…様々な作品が登場していたけど、一番多く取り上げられていたのは武田百合子さん。ずっと読みたいと思いつつまだ読んだことがないので、是非読んでみようと思った。
江國香織さんの「きらきらひかる」も何回か登場。
確かに食べ物描写が印象的だったな。

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2025年05月02日

Posted by ブクログ

当代の人気作家が気になった文学作品に登場するおいしいものの話。
知らない作家や、知らない作品も多く、これから書店で見かけたら、手にとってみたいと思うものも。

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2025年05月02日

Posted by ブクログ

表紙のかわいいワンコに惹かれて読んだ。短編集エッセイなので一時間もあれば読める。好きな作家さんも何名か参加されていた。予想外に益田ミリさんの文章と出会えて嬉しかった。

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2025年04月26日

Posted by ブクログ

出てくる食べ物たちはどれも美味しそう!
これがきっかけで読みたいなと思った本も。
食べるって当たり前のことだからこそ、大事にしないとなと思った。
なんかお腹すいてきてしまったな(笑)

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2025年03月31日

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