あらすじ
大学生・勇との駆け落ちを計画する主婦の史子(ルビ:ふみこ)。当日取りやめる場合のみ、電話をすると約束していた。緊張しながら荷造りを進める史子だが……。(「6:30 PM成田発」)「もう会いたくない、電話もしないで」と自ら告げて別れたにもかかわらず、元恋人からの電話を待ち続けている潮子(ルビ:しおこ)。留守電を気にしながら職場へ向かうと、仕事仲間の織田から食事に誘われ……(「Never Call Me Again」)。あのとき電話に出ていれば、変わったはずの二人の運命。電話をテーマに様々な恋のシーンを描く、珠玉の短編集が復活しました。(解説・唯川恵)
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Posted by ブクログ
解説にもあったが、電話というテーマひとつでこんなにもバラエティ豊かな作品たちを書かれた森瑶子さんすごいなと思った。
ロマンティックな話ばかりだと思って読み進めていたらショートショート的怖さのある作品もあって中々面白かった。
『アンサーフォン』の「もしもし、比呂子です。連絡ないんで淋しく感じてる比呂子です。」の台詞とか、デート場所も描写されている服装も何だか全体的にトレンディドラマっぽいというか、景気が良い。
固定電話とスマホの違いを感じて読むのも面白かったけど、この作品たちが書かれた頃の羽振りの良さを想像して読むのも面白かった。