あらすじ
これからもっと恥ずかしいことをするよ
ハイスペックな大手ホテルチェーンの取締役×過保護すぎる父のせいで初恋をあきらめた箱入りOL
〈あらすじ〉
「キスも、その先も……教えて」父が社長をしている会社で働く茉莉花は、幼い頃に体が弱かったせいで過保護に育てられた。職場でも特別扱いで肩身の狭い思いをしているが、原因は自分にあると従ってきた。そんな茉莉花の楽しみは、大手ホテルグループの御曹司で兄の友人である鷹見雅臣と過ごす時間。恋心を隠し兄と妹のように接してきたが、父が強引に結婚相手を決めてしまう。
感情タグBEST3
表紙がきっかけで購入しましたが
内容もものすごく良かったです。
もしかしたら、読み手の現状で好き嫌いが分かれるかもしれません。
以前なら、なかなか動けない主人公にイラッとして、読み飛ばしていたかもしれない場面も、親となった今は、そんな主人公の行動ですら愛しく思えてしまう。父親からの呪縛ってなかなか解けないよね、とか、父の子を思う気持ちもわからなくもないよ、とか…でも大切な娘の配偶者に勧めるなら本当にいい人を紹介してよね、父よ、とか。
そんな父娘に正面から向かっていくオミ君は素敵な紳士でした!
最後はオミ君のかっこよさが引き立つ終わり方だったように思います。
きちんと努力できる主人公なので、きっときっと自分で幸せを掴みにいける!どうかどうか幸せになってね、と最後は母の目線で、しめくくりたいです。
生殺与奪を委ねるな
ヒロインはすごく頑丈な呪縛にがんじがらめにされています。
たぶん、このヒロインのことを、ウジウジ堂々巡りで、鬱陶しいって思う人も少なからずいるでしょう。
でも、自分の意見もろくに聞いてもらえなず、ずっと親の考える「幸せ」という箱に閉じ込められると、だんだん心が折れるんです。もとに戻らないんです。
生まれた時から自分を知っている親が、自分を「こう」と決めてしまったら、子どもはそうとしか思えなくなってくるんです。
だから、オミくんは、すごい我慢強い人だと思う。20年以上親の鎖に絡められたヒロインを、彼女の意思で自分に来るまで、待つなんて…
これぞスパダリ!エロも遠慮ないのに、ヒロインに配慮しているところとかも大人だぁ。
にしても、ヒロインのお見合い相手は、残念でしたね。最後、激昂しちゃうところが残念至極!クリスマス・イヴに見合い相手にホテル取っちゃうのもアウト。
下心があって、好青年を演じたんなら、結婚までは清い付き合いでいなきゃ。
英語で「幸せになれ」をbe happyというのは、一般的でないって知ってますか?
be+形容詞の命令形って、例えばbe careful!みたいに自分でコントロールできることに使うんです。
だからbe happyとは言わない。「幸せ」はなろうとしてなるものではないからです。
お父さん、「娘の幸せを願っている」という大義名分のもと、行動を制限するのは、逆に幸せから遠ざけていると、気づいてほしい。幸せでない人生を強要されたら、もうそれは、死んでるのと同じです。