あらすじ
◆目先の成果を追うあまり、みんなでなかよく苦しくなっていませんか?◆
「問題はすぐに解決してナンボ」
「自分でやったほうが早い!」
「そんなことして儲かるの?」
目先の成果を追うあまり、みんなでなかよく苦しくなっていませんか?
がんばってるのに、なぜかうまくいってない……そんな職場に必要なのがネガティブ・ケイパビリティの思考と行動。
400以上の企業・自治体・官公庁の支援実績を持つ組織開発のプロが、ネガティブ・ケイパビリティ不足がもたらす“あるある”エピソードと、ネガティブ・ケイパビリティを育てる20のキーワードと戦略を教えます。
■こんな方におすすめ
「いつもうわべだけの行動で終わってない?」
「ここはもっと考えたほうがいいんじゃない?」
「いまだけ良ければそれでいいの?」
そんな疑問を感じている方
■目次
●第1部 ネガティブ・ケイパビリティ欠乏症がもたらす景色
・Episode 01 目先の話しかしない1on1ミーティング
・Episode 02 「自分でやったほうが早い!」でマネージャーやリーダーが仕事をもっていくチーム
・Episode 03 「で、あなたはどうしたいの?」が繰り返される会議
・Episode 04 「ポジティブであれ!」を強要してくるチームリーダー
・Episode 05 「テレワークは原則禁止! 副業なんてもってのほか」
・Episode 06 急成長一辺倒で、ケガ人続出。万能感あふれるスタートアップ企業
・Episode 07 「イノベーション」を叫びつつ、イノベーターを無力化する大企業
・Episode 08 「生産性を上げろ!」と社長がただ叫んでいるだけ
・Episode 09 人の育成にまるで投資しない。ふた言目には「そんなことしてなんになるの?」「儲かるの?」
・Episode 10 バックオフィスや間接業務を軽視する組織
・Episode 11 「寄り道」「余白」を許さない組織
・Episode 12 大都市目線で地域から煙たがられる、地方創生系コンサルティング企業
●第2部 「急がば回れ」な呼吸と文化を創る ~ネガティブ・ケイパビリティを育む20のキーワードと戦略
・1. ポジティブ・ケイパビリティ or ネガティブ・ケイパビリティ
・2. 重要度×緊急度マトリクス
・3. 組織の問題 or 人の問題
・4. 成果と変化のマトリクス
・5. 仕事の5つの要素
・6. TDAフレームワーク
・7. 説得戦略と納得戦略
・8. タックマンモデル
・9. PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)
・10. ファシリーダー
・11. 対話能力トレーニング
・12. 10%ルール
・13. ワーケーション
・14. ダイバーシティ教育
・15. 組織開発
・16. 越境思考・共創体験
・17. 人的資本経営
・18. 体験資産経営
・19. デザイン思考・アート思考
・20. 「いったん寝かせよう!」
・【まとめ】ネガティブ・ケイパビリティに関連するマネジメントキーワード
■著者プロフィール
沢渡あまね(さわたり あまね):作家・企業顧問/ワークスタイル&組織開発。『組織変革Lab』『あいしずHR』『越境学習の聖地・浜松』主宰。あまねキャリア株式会社CEO/一般社団法人ダム際ワーキング協会 共同代表/大手企業 人事部門・デザイン部門ほか顧問。プロティアン・キャリア協会アンバサダー。DX白書2023有識者委員。日産自動車、NTTデータなど(情報システム・広報・ネットワークソリューション事業部門などを経験)を経て現職。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演をおこなう。おもな著書:『新時代を生き抜く越境思考』『EXジャーニー』『組織の体質を現場から変える100の方法』『「推される部署」になろう』『バリューサイクル・マネジメント』『職場の問題地図』『マネージャーの問題地図』『業務デザインの発想法』趣味はダムめぐり。#ダム際ワーキング 推進者。【ホームページ】http://amane-career.com/【X】https://twitter.com/amane_sawatari
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『目先の効率化、成果、スピードを重視して、育成や中長期的な組織課題などを見て見ぬふり。ひととして大切な気持ちや寛容さを置き去りにした結果、人を傷つけている。』
自分の組織に心当たりがあるなと思った人はぜひ読んでみて欲しい。
組織が求める一定の水準に達しない人は、退職をしたり、心を病んだりということ周りで起こっている。私自身、子育てとの両立がいまの組織で可能か懸念もあり手に取った本。
効率性やスピードを重視するポジティブケイパビリティと、急がば回れの考え方のネガティブケイパビリティ、それぞれの特性を理解できる書籍。
組織という目線はもちろん、それは自分の働き方や成果の出し方という目線でも知っておくべき考え方だと思う。
Posted by ブクログ
多くのビジネス書や自己啓発本が”すぐやること”こそ至高と叫ぶ中、”すぐやらない”ことの意義や真価を示した本書は、異色ながらも注目に値する。じっくり議論するスタイルは日本の企業文化にも合っているため、すぐやるか、じっくりやるか、を使い分けられると人も組織も強くなりそう。
一方で、すぐやるべきか、じっくりやるべきか、は、当人の性格や組織文化、課題の種類にも大きく左右されるため、明確な線引きが難しいのが悩ましい。
Posted by ブクログ
前半は「ポジティブ・ケイパビリティ」がもたらす悪影響をケーススタディで自省する段階。
後半は、「ネガティブ・ケイパビリティ」を付けていくためのマインドや例示などが中心。
前半は色々と「あっ...」と自覚する部分も結構あり、あらためて自省しなきゃなと思いました ^^;
Posted by ブクログ
『「すぐに」をやめる』を手に取ったきっかけは、成果や結果ばかりを要求する現代企業の体質に疑問を感じていたからだ。本書は二部構成で、第一部では「ネガティブ・ケイパビリティ(不確実さや答えの出ない状況を受け入れる力)」の欠乏が引き起こしている事例を紹介し、第二部ではそれを組織に落とし込むための具体的アプローチを20項目提示している。 読んでいていくつか刺さる点はあったが、事例として挙げられていた会社については「そんな会社ならさっさと辞めて転職した方が早いのでは」と思ってしまった。また、仮に本書の指摘通り「ネガティブ・ケイパビリティの不足」が原因だとするなら、20項目をすべて導入するには膨大な時間がかかりそうで、現実的には転職のほうが早いと感じたのも事実である。とはいえ、第二部のアプローチにも学びはあり、特に「成果と変化のマトリクス」の考え方は興味深かった。 一方で気になったのは、経営陣や社長、社員の視点は本書で扱われていたものの、「株主の視点」が十分に論じられていなかった点だ。個人投資家でも企業に資金を投じられる現代において、株価や投資判断にネガティブ・ケイパビリティがどのように関わるのか、そして株主にどう説明すれば受け入れられるのか、といった点についてはもう少し議論が欲しかった。最終的なゴールを株主に置きつつ、その前段階として経営陣・社長・社員の合意形成を通じてネガティブ・ケイパビリティを浸透させていく、というのも一つの道ではないかと思う。 また、第一部の事例と第二部の20項目がどのように対応しているのかがやや分かりにくかった。第二部で各アプローチと対応する事例にもう一度言及してもらえれば、理解が深まったと思う。さらに驚いたのは、想像か実例かは不明だが「社員教育にまったく予算を出さない会社」が存在するという点だった。