あらすじ
昭和10年(1935)8月12日、陸軍省にて相沢三郎歩兵中佐が軍務局長・永田鉄山少将を惨殺する事件が起きる。そのとき、部屋にはもう一人の人物がいた――。憲兵大尉・浪越破六【なみこし・ばろく】は、この事件には、語られていない「真実」があると確信する。そんな折、浪越は渡辺錠太郎陸軍大将から、密命を受ける。そして運命の日に向けてのカウントダウンが始まった。気鋭のミステリ作家が、2.26事件と同時進行していた「ある事件」を大胆に描き出した本格長編。昭和史を揺るがす重大事件の謎をめぐる圧巻の歴史ミステリ。伊吹亜門氏デビュー10周年を飾る勝負作!
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Posted by ブクログ
相沢中佐による永田少将惨殺事件。憲兵大尉・浪越は事件には語られない「真実」があると確信する。陸軍兵学校の教官の不審な死と関係者の死。
軍人たちの面子だったり価値観が…。二・二六事件についての小説は面白いな。色々な事件が繋がっていく感じがとても良かった。
Posted by ブクログ
史実とフィクションを盛り込んで、しかもミステリー仕上げとなっているから最初は登場人物や階級などに戸惑いもあったけれど、読んでいくうちにどんどん吸い込まれていく感じがした。学生時代から明治、大正、昭和初期の歴史が苦手で(戦国時代ほど英傑がいないからという理由w)、教科書を読んでもちんぷんかんぷんだったのが、こうやって小説化し、フィクション織り交ぜての人物の関連性が分かってくると面白くなるだなぁと感心した。いかんせん苦手意識が先立つあまり、読むには時間がかかったが、後半は一気に進む。
その理由が延々と会話のシーンでネタ晴らしとなるので理解はするがだったら最初から会話だけの説明でいいやんとなる。所謂手紙オチと同様。せっかくの捜査がたった一人の人物との答え合わせを延々と引っ張ることで全貌が明らかになるとか白けてしまう。いいモチーフだけに残念。