あらすじ
大店の放蕩次男坊・仙之助は怪異に目がない変わり者で、深川にある彼の屋敷には、いわく因縁付きの「がらくた」ばかり。呪いも祟りも信じない女中のお凛は、仙之助の酔狂に呆れながらも、あやしげな品々の謎の解明に今日も付き合わされる。――自ら火を出す呪われた振袖。ひとりでに歩き出す市松人形。飼い主の周囲に不幸をもたらす猫。そして、無残に打ち捨てられた遺骸のそばに現れるあやかし・以津真天(いつまで)。これは怪異か、それとも誰かの策謀か。ミステリと怪異が複雑に入り組んだあやかしお江戸ミステリの最高峰、ここに現る!
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Posted by ブクログ
Tさんのおすすめ。
高級料理屋の次男坊仙之助は絵にかいたような極楽とんぼ。
商売にも励まず、婿にも行かず、親に与えられた屋敷で、
怪しげな珍品を集めるという趣味事にふけっている。
炎の出る振袖とが、生きて歩く人形とか。
遊び人の主人公やしっかり者の女中といった登場人物はよくあるが、
怪談もどきの事件が上手くできているのだと思う。
ほぼほぼ人間の悪意が引き起こした事件であり、
怪しげな存在はふんわりとだけ匂わされるだけというバランスも良い。
だんだん深刻な事件になっていって、
最後に鶴屋南北が出てきて、床下の死体や殺人の話となるのも良かった。
いくら御用聞きの親分が船頭を務めているからといって、
大川に浮かぶ逃げ場のない猪牙船の上で、
犯人とおぼしき男を追い詰めていく場面は、
なんだかほんのり怖かった。