あらすじ
消費トレンドはモノ・コトからマウントへ。
「こんな素敵な場所に旅行してきました」
「こんな美味しい料理を楽しみました」
「こんな特別な人と過ごしています」
SNSで頻繁に目にするこうした投稿。その背後には、多くの人が無意識のうちに抱える「マウント欲求」が潜んでいる。令和の日本では、SNSの普及とともにこの欲求が顕在化し、日常のあらゆる場面に深く浸透している。一見ネガティブに映るこの現象だが、実は日本経済を活性化させる「隠れた切り札」として大きな可能性を秘めている。
なぜテスラやアップルは次々と新たなイノベーションを生み出せるのか。
NewsPicksやSAPIXが絶大な支持を集める理由とは。
その答えは、「マウント消費」という次世代の消費トレンドに隠されている。
本書は、ベストセラー『人生が整うマウンティング大全』の企画・プロデュースを手掛けた筆者が、自身の豊富な知見を余すところなく凝縮した渾身の一作である。「マウンティング」という人間に備わる根源的な欲求が、どのように社会を進化させ、イノベーションを生み出し、経済を動かしてきたのか。そのメカニズムを解き明かしながら、これからの日本が目指すべき成長戦略を提示する。
(底本 2025年1月発売作品)
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Posted by ブクログ
■「マウント合戦」の背後には、現代社会特有の二つの新たな課題が潜んでいる。それが「マウント中毒」と「マウント疲労」である。
「マウント中毒」はマウントを取ること自体が目的化している状態のこと。彼らにとって大切なことは内面的な充足感ではなく、「他者からどう見られるか」という外部評価だ。
「マウント疲労」は他者のマウント投稿を閲覧し続けることによって引き起こされる精神的な消耗のことを指す。
■技術の進化だけでは消費者の心をつかむことはできない。真のイノベーションとは「技術の革新」ではなく「欲求の革新」だ。この視点から日本企業を見てみると多くの企業が未だに「イノベーション=テクノロジーの活用」という狭い枠組みに縛られているように見える。この思考から脱却しない限り日本からGAFAMのような世界的企業が生まれるみいこはない。プロダクトの性能向上に注力するだけではもはや市場で成功を収めることはできない。現代の消費者が心の奥底で求めているのは、「これを所有することで自分が他者と違う存在だと示せるかどうか」である。
ここで重要なのが、「プロダクトマーケットフィット(市場との適合)」のさらなる先のステップである、「プロダクトマウンティングフィット(優越感の適合)」という新たな視点である。市場に受け入れられるだけでは不十分であり、「これを持つことで自分が他者よりも優れている」と感じさせる製品こそが消費者に真の意味での満足感を提供する。
Posted by ブクログ
「マウント消費」とは何なのか聞いたことはなかったが、
非常に興味深く読めた。
MXデザイナーの役割は「優越館」を感じされる体験の設計とある。令和の時代における「さりげなく自分を際立たせる」という新たなマウントのありかた。
この本でいろんな例が挙げられている。その中で慶應三田会が紹介されてあった。今私が受験生なら何としても慶應大学への進学を目指すだろうなと思った。
Posted by ブクログ
トピックとしては面白いものだっただけに、後半が事例の列挙になっていたのがもったいなかった。行動経済学などの知見と組み合わせれば、人が見栄のためにいかにお金を使っているのか、そのメカニズムはどのようなものか、などより突っ込んだ分析ができると思う。
マウントの例で三田会とSAPIX出てきたのは笑った
Posted by ブクログ
オーディブルにて。
MX=マウンティングエクスペリエンスという言葉は筆者の造語なのかな?経済学としては利用すべき感情であるのは理解できるが、マウント消費、虚しすぎる。
Posted by ブクログ
著者が「モノ消費」、「コト消費」に続く「マウント消費」を提唱し、その消費の特徴やそれに倣った事例を挙げる。資本主義社会は限界効用逓減の法則が効かない、すなわち欲望の限界がない社会で、「マウント消費」は飽くなき欲望を推進させるものだという。著者はこの特性は生かして、日本独自の文化を海外にアピールすることが、今後の日本経済において重要だと主張する。
Posted by ブクログ
承認要求を満たしてくれるサービスに踊らされてしまっているのかと思うと馬鹿馬鹿しい気がしてくる。筆者の言うMX体験なるものは興味深いが、自分が好きなことを楽しみたいなと思う。