あらすじ
私は勝つ。聴こえない世界で、戦い抜く。
宇都宮のろう学校に通う高校1年生の咲季。重度の難聴である咲季は、他者とのコミュニケーションを避けがちだ。ある日行われた交流会で、聴者だが手話を使いこなす女子高生に出会う。しかし彼女が発したある言葉に、咲季はショックを受ける。落ち込んだままの帰り道、見つけたのは「おひとりさま専用」と書かれたカフェ。店に入った咲季を迎えたのは百人一首の歌を冠したパフェメニューだった。
競技かるたの読手でもあるカフェのオーナー・陽子に誘われるまま競技かるたを体験した咲季は、持ち前の負けん気と抜群の記憶力を発揮。そこに現れたのは交流会で出合った女子高生、カナだった。なぜか咲季に対抗心を燃やすカナも競技かるたに挑み、やがて二人はライバルに。
咲季が大会で戦うためには、読手が読む句を手話通訳してもらう必要がある。ろう学校の担任で手話通訳士の資格も持つ映美の通訳は、正確でタイミングも完璧。しかし映美は初めての大会直後、通訳を降りると言い出した。それにはある過去が起因していて……。
四人が抱える葛藤は計り知れない。しかし、かるたを通じ心を繋ぐことでそれを乗り越えていく。緻密な取材をもとに描き出した、著者渾身の青春小説。
感情タグBEST3
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本書の題がオリオンとあるから星座の話しかな?と思い求めたがいやびっくり!聴覚不自由な方の百人一首の源平合戦や百人一首の和歌の話し等々多彩な話しだった。素晴らしい実に素晴らしい!若かりし頃を思い出じた。小生、小学生時代はいろはカルタで中高になって百人一首に、ムスメフサホセの決まり字や上の句の決まり字から下の句の決まり字を100首覚えた事やそれをノートに、そのノートは今も大事に持っている事を思い出した!今でも年賀状には毎年新年に相応しい和歌を永年書き込んでお送りしてきた。感無量の一冊大事に書架に飾って保存しよう❗️ 少し個人的な事を書き過ぎたかな!
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オリオン座に両親と子を見る
コーダ Children of Deaf Adult
ソーダ sibling
親子の難しさ
家族の在り方
子への接し方
親の心子知らず
子の心親知らず
ベテルギウス リゲル
ベラトリックス
オリオンは
聲なき天の聖歌隊
雪晴れの黄金色の空で
いっせいに煌めくが然も(しかも)寂として
宇宙の深い深いかなたから
光の合唱をおくってくる
野尻 抱影
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私が競技かるたを知ったのは、やっぱりかの有名な『ちはやふる』
その競技かるたを、ろう者がやれるって凄い
この本を知って思ったことはまずそれでした
聴こえる世界と聴こえない世界
それは別のものであると思っていたけれど、そうか、違うように見えても重なるものは確かにある
その重なりを、大切にしていけばいいのかもしれない
競技かるたを通じてそんなことを教えてもらえました
『ちはやふる』でも思ったけれど、競技かるたって、ほんと、スポーツですよね
実際に目にしたら圧倒されるんだろうなぁ
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聴覚障害がありながらも、聴者と同じ土俵で競技かるたをする主人公の咲季ちゃん。読手に合わせてフライングする事なく手話をする白田先生がすごい!競技カルタはちはやふるを想像するが、こちらもなかなかおもしろかった。
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百人一首、競技かるた、といえば大概の人はあの有名な漫画『ちはやふる』を頭に思い浮かべるのではないだろうか。
私の大好きな漫画のひとつだ。
綾瀬千早、新、太一達のかるたへの情熱、名人やクイーン達との手に汗握る試合を何度も読み返し魅了された作品だ。
本書も競技かるたに挑む青春物なのだけれど、ちょっと違うのは主人公の咲季が聴覚障害持っているという設定だ。
音が聞こえないのに競技かるたが出来るのだろうか?そんな疑問と『ちはやふる』のような競技かるたの熱い物語に興味を惹かれ手に取った作品。
興味深いのは、やはり聴覚障害を持つ咲季が競技かるたが出来るのか?そんなハンデを持っていて聴者と渡り合えるのか?という疑問だ。
咲季は挫折を味わいながらも「なるほど、そういうやり方もあるのか」聴くではなく「見る」「感じる」という方法で見事に克服する。(ちょっと出来過ぎ感はあるけれど)
『ちはやふる』のような大きな声は出ないが静かな熱く強い想いが伝わってくる。
印象に残ったのは「ろう者」と聴者の見えている世界の違いだ。
咲季は星がきらきらと音を奏でていると思っているエピソード。
私は咲季の「光の合唱~星の歌で満ちている」感覚の方が好きだ。
夢があってロマンチックで素敵だと思う。
同じ世界にいても見えている世界が変わってくる。その境界線を引いているのは案外聴者の方ではないかと感じた。
主要な登場人物4人の視点で描かれる聴覚障害に携わるエピソードはリアルで心に刺さる。
オリオン座の星のように輝いていた。
百人一首や手話、ろう者の困難やその家族、コーダの苦悩などいろいろ知ることが出来、ふんだんに学びのある一冊だった。
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高校生のときにろう学校の生徒損たちとのコミュニケーションを図る授業があったことを思い出したな。なんかいろいろと考えさせられる一冊でした。せつなくも温かいストーリーで、それぞれの人生が各々の目線、主人公となって話がすすんでくことで、感情移入しやすかったです。面白かった。
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聾者の咲季、コーダのカナ、カナの叔母で双子の妹が聾者(ソーダ)のママン、咲季の聾学校の先生の白田先生。一章ずつ4人それぞれの視点で描かれており、それぞれの思いや感情が分かりよい。
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生まれつき重度の難聴である咲希
両親が聴覚障害者でコーダのカナ
共に高校一年生の2人が、出会い、競技かるたを通して成長していく物語
聴覚障害がありながら、百人一首を耳ではなく手話と口の動きで読みとり、札を取る
果たしてそんなことが可能なのだろうか…と想像しながら熱く読んだ
競技に向き合い努力する咲希、
聴覚障害者の家族という苦労を背負うカナ、
カナの叔母ママン、
ろう学校の教師映美、
それぞれの目線で競技かるたを軸に語られていく
ゆるく、優しく、登場人物たちが関わりあって、最後伏線回収していくストーリーはお見事
宇都宮が百人一首の盛んな街というのも、この作品で知りました
ぜひ学生に読んでもらいたい意味を込めて、YA文学のカテゴリーに入れました
入試問題にも使われそうな作品
余談だけど、ちはやふるを読みたくなった(笑)
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デフ・ファミリーの咲季と、コーダのカナ。
二人は「競技かるた」で出会います。重度の聴覚障害を抱える咲季は、ろう学校の担任の白田先生に手話通訳をしてもらいながら試合に出場します。
読み手として二人を導くママン、カナの両親、白田先生とかつての親友、そして咲季とカナ。
彼らは聴覚障害の当事者か、あるいは身近に聴覚障害を抱える人がいて、CODA(Children of Deaf Adults)やSODA(Siblimg of Deaf Adults/Children/聴覚障害のきょうだいをもつ聴者)と呼ばれている人たちです。
そういった意味では、「一般的」ではないと感じるかもしれませんが、作中でのママンのセリフにあった「世界ってね、ひとつなんだよ。見え方や感じ方、聴こえ方は人それぞれだから、違う世界に感じるかもしれないけど、その違いは重なり合って、分断されてはいない。いつか、その重なりに気がついたら、人生はもっと豊かになると思うよ」という言葉には心を揺さぶられました。
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このところ、百人一首に遭遇することが多い。
というのも孫娘が中学生になり、日本文化部なるものに入部し、百人一首を始めたのがきっかけなんだけど、百人一首、競技カルタって案外あっちこっちで大会など開かれているんだね。
今夏は「ちはやふる」がドラマでもやっていたし、孫娘より私がハマりそうだ。
この話は百人一首、競技カルタを通して、聴覚障害者の世界が描かれている。
健常者が何気なく発する言葉、態度に障害のある人は心を痛めている。
そしてコーダと呼ばれる親が聴覚障害者の子どもの状況も描かれている。常に親の通訳をしなければならない状況も。
聴覚に障害があっても、競技カルタに挑戦している高校生が実際にいることにも驚いた。
聴覚に障害がある人は星がキラキラ、と言うとキラキラと言うと音を出して輝いていると思っている、と言う文章が印象的だった。聴こえたい事を、聴こえる人間と同じように想像することは難しい。
世の中の基準は全て健常者の基準で構成されているのでは。
オリオ座の星々のように登場人物みんな輝いてほしい。
これを機会に私ももう少し百人一首を覚えよう、孫娘に負けないように。
Posted by ブクログ
聴覚障害のある咲季が競技カルタと出会う。
きっかけとなるカフェオーナーの陽子、ライバルとなるカナや、担任の映美による物語。
私も学生の頃、百人一首をすべて覚えて、少しだけ大会にも参加したことがあるので、懐かしい気持ちを持ちながら読み進めました。
が、聴覚に障害のある方が競技カルタにどのように取り組むのかなどは全く知らず…
耳で上の句を聞きながら同時に札を探すことはできないので、札の配置を全て覚えて、読み手の手話による上の句を目で読みとりながら、記憶をしている札の場所に手を伸ばす。
主人公たちの世界は決して平坦なものではないけれど、明るさや前向きさが感じられる素敵なお話しでした。
子どもにも勧めようと思っています。