あらすじ
沙羅は自分の誕生と引きかえに母親を失った。男手ひとつで育てられた彼女は作家を目指すようになり、新人賞を獲得、最初の作品はヒットするが、その後低迷が続き、あらたな作家としての可能性を探るため渡米する。リタイアメントホームのアルバイトでダニエルという老人と仲良くなった矢先、沙羅は、父親が危篤になった知らせを受け帰国する。
沙羅と彼女の描く作中作が、交互に描かれる構成。
作中作は、第一次世界大戦下で看護師として渡仏する椿イズミが主人公。
二つの物語は、いくつかのワードでつながっていく。
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Posted by ブクログ
小手鞠るいさんの児童文学ですね。
第一次世界大戦時の日本から赤十字の看護婦がヨーロッパに派遣された史実を元に、イズミという看護婦のフランスでの活動を執筆する伊東沙羅の物語も綴る、作中作品です。
沙羅は、二十五歳の新進気鋭の作家。父親と喧嘩別れして、アメリカの州立大学に留学している。
沙羅が生まれた時に、母親を亡くし、父と二人きりの生活だったが、沙羅が新人賞を受賞した作品が、ジェンダー問題を扱った作品だったのを、父が反発したのがきっかけで、親子別れしてしまった。
一方、作中作の看護婦の主人公のイズミは、京都生まれの看護婦に成ったばかりの若い元気な二十五歳。
二人の物語が、互いに語られながら、交差していく物語構成で、二人の苦悩と希望が浮き上がっていく。
児童文学としては、少し重たいテーマを、わかりやすくなめらかな文章で綴られています。
命の大切さと儚さ感じられる作品ですね。
(この本は、はまだかよこさんの本棚登録で知りました。大好きな小手鞠るいさんの本でしたが、今までは絵本でしたので、新たな発見をしました!
はまだかよこさん、ありがとうございました。)
Posted by ブクログ
ストーリー自体ははまずまずおもろかった
2つのストーリーが交差しながら展開していく
戦争や死をテーマにしているのに重みのない内容に感じてしまう
2つの15分ドラマを毎日日替わりで観てるような感じでどちらのストーリーにも深く感情移入できず上滑りな印象
2つのストーリーの関連性も低い
ひとつのストーリーに重点を置いて深く掘り下げて欲しかったなと思ってしまう
イズミの物語をもっと読みたいな