あらすじ
思いやりのある子、やさしい子に育ってほしいと願えば願うほど、感情をコントロールできない子になってしまうのが子育ての現実。よい子に育てたいと願う親たちへ贈るロングセラー。新装版。
子どもは安定した大人の前でしか、泣けないのです。
ですから「ちゃんと泣ける子に育てよう」というメッセージは、私たち大人が苦しみや痛みから逃げないでいこうというメッセージでもあります。
幼い子どもたちの感情の発達は、確かに危機的な状況にあるといえます。そしてその危機は、残念なことに、決して他人事ではなく、一生懸命よい子に育てたいと思って、ごくふつうに子育てをしている親子関係の中にも起こっているのです。(略)思いやりのある子、やさしい子に育ってほしいと願えば願うほど、子どもたちは感情をコントロールできない子どもに育ってしまう。それが今の時代の子育ての現実なのです。(はじめにより)
【目次】
第1章 感情はどのようにして育つのか?
第2章 子どもの「心の問題」はどのようにして生まれるのか?
第3章 学校でみられる子どもたちの危機の姿
第4章 いまから親にできること
第5章 大人の義務と責任
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
子育てしていると、日々慌ただしく、頼むから、にこにこご機嫌の"良い子"でいてくれと思う。今この瞬間で精一杯。
そんな必死で子育てしている親に、長い目でみて今何が大切か、気付きを与えてくれる本だと思う。
Posted by ブクログ
ちゃんと泣けるって聞いたとき、「いや、子供はいつだってちゃんと泣いてるやん」と思ったけどそうじゃないんだ!
悲しいとき、悔しいとき、辛い時にちゃんと悔しいと泣けること。その感情を親が受け止めて、抱きしめてあげる。安心を与えること。
転んで泣いた子供に、すぐ泣くんじゃない!って言うんじゃなくて、「痛かったねぇ」と泣いた時の感情を受け止めてあげることが大事。
簡単そうに見えるけど、切羽詰まってる時ってなかなか言えないよねぇ。周りの目を気にして、泣き止ませないとって焦っちゃいそう。
その時は、「泣き止ませないと何か言われるんじゃないか、子育てがダメなんじゃないか」と心配になる親の気持ちではなく、転んで痛くて泣いている子供の痛い感情にまず寄り添ってあげる親でいたい。安心して、たくさん泣いて欲しい。
と言うか、対話形式で進むんだけど、あゆみちゃんのパパが結構な鬼畜でやばい(笑)DVしてそうな典型的なパパで怖かった(笑)
Posted by ブクログ
いま1歳の息子を育てています。イヤイヤ期に片足を突っ込んでおり、泣き叫ばれるとイライラしてしまったり、じっとできないとなんでなんだろうと辛くなったりしていました。本書では泣ける子は生きる力に満ちている子であり、子供の悲しい、苦しい、悔しいという不快感情はいわば生理現象のようなものでありそれを無理に止めることは後々感情のコントロールができなくなってしまうとあります。一見難しい内容ですがカウンセリングのような会話形式なので理解しやすいです。この本を読むと子供の不快感情の関わりがとても大事なことがわかります。子育てに悩む方に見て頂きたいです。
「親は子供の感情を育てる義務があります。親を癒してくれる存在として、子供を愛している場合や親の自尊心を満たすために、子供を愛している場合には義務を果たせないからです。」
「受容とはだめなものはだめというところは崩さないまま、しかし、子供の不快感情を抱きしめることができることを意味しています」