【感想・ネタバレ】円安の何が悪いのか?のレビュー

あらすじ

■「俗説」が蔓延る議論に終止符を打つ!
過去3年間続いた円安について
多くのメディアが否定的な評価を下している。

「円安が国民の生活を苦しくしている」
「円安によって経済状況が悪くなる」
「円が安くなり国家の価値が下がる」
「円安により日本の産業が弱体化する」

こうしたニュアンスの評価が散見される。

しかし、2022年から24年まで進んだ円安は
「行き過ぎて」もいないし
「日本経済に悪影響を及ぼす」こともない。

■「円安=悪」という論調は
無責任なメディアや一部の経済学者による俗説であり
明らかな誤解である。

そもそも為替レートは通貨の価値を示すが
いずれかもしくは両国の通貨価値が動けば変動する。
たとえば、米ドルの価値が高まると、
その分だけ相対的に円の価値が下がりドル高・円安になる。

じつにシンプルなメカニズムによって
為替レートは日々動いている。

為替レートを決めるのは
マネタリーベースの比率などであり
それらをコントロールしている
それぞれの国の金融政策である。

こうした単純な理論が正しく解説されないままに
円安悪玉論がまかり通っているのが現状だ。

■2008年のリーマン・ショック後に
日銀による金融政策の失策により超円高を招き
2012年までデフレと円高の悪循環に
自ら陥ってしまったことは周知の事実である。

長いデフレ不況のトンネルを経て
アベノミクスから10年を経過して
再び日本経済は息を吹き返そうとしている。

いかに円安が日本経済にとって大きな効果を生んでいるか。
なるべく多くの資料をひもときながら
本書でじっくりと検証していく。

■本書の内容
第1章 円安悪玉論を検証する
第2章 日銀が犯した歴史的な大失政
第3章 円安の追い風を吹かせた米国経済
第4章 日本にとって円安と円高のどちらが有利なのか?
第5章 円安がもたらす7つの効果

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Posted by ブクログ

ネタバレ

世間に蔓延っている間違った「悪い円安論」を真っ向から否定する、円安のプラスの効果を著した啓蒙書です。そもそも為替レートはどのようにしてきまるのか。
[1]為替レートは、両国の通貨価値の変動によって変わる。
[2]両国の通貨価値は、両国の物価上昇率(インフレ率)の変動によって変わる。
[3]1と2を組み合わせると、為替レートは両国の物価上昇率(インフレ率)の変動によって決まる(変動率の差で決まる)

加えて、今迄の日銀が行ってきた政策の失敗。(自分の読書ノート参照)
岸田政権は、もっと早く減税政策を行って、円安のメリットを活かして国民の可処分所得を増やすべきだった。

①長期の円安は脱デフレを伴う経済正常化にとって必要なプロセスであり②円安の定義によって1980年代のように日本が他の先進国よりも経済環境がよくなるということ。

本文中には円安の起こすプラス効果7つ。

以上、円安が日本の為になる理由が豊富なグラフを用いて詳細に著されています。

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2025年04月10日

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