【感想・ネタバレ】失うことは永遠にないのレビュー

あらすじ

私も、みんなと家族だったらよかった。

東京・目黒の家で暮らす小学5年生の奈保子の家族は、父親の不倫をきっかけに崩壊しつつあった。奈保子は母の失踪を機に、大阪にある父の実家にひとり預けられることになる。河原で出会った同じ年の少女・アサコが奈保子を連れて帰ったのは、血のつながらない4人の兄弟たちが住む、穴ぐらのような家だった。なかでも歳の離れた長男の鋭い眼光に、奈保子は心を奪われるが──。
痴呆が進んだ祖父の静けさと、灼熱の太陽を反射して光る大阪の川面が、冷え切った主人公の心を揺さぶる。人がはじめて対峙する「孤独」を丁寧に描いた、少女のひと夏の成長物語。

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Posted by ブクログ

小学5年生のひと夏の大阪での祖父との暮らしで出会った5人の兄弟。彼らとの濃密な関わりの中でその貧しさと絆の強さに魅せられていく。現実と想像のも曖昧な過去が主人公の東京での壊れていく家族の生活を侵食していく描写など、ゾクゾクしながら読んだ。
これが初めてのオリジナル小説とのこと、すごく良かったです。

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2025年03月29日

Posted by ブクログ

只々悲しい。胸が痛いです。呪縛、固定観念、高い所から低い所へ転がる。けれど、もう一度、読んでみたいです。

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

東京で暮らす小5の奈保子は、母の失踪を機に夏休みの間、大阪にある父の実家にひとり預けられる。
祖母が亡くなり、少し認知症の祖父と暮らす毎日は退屈だったが、河原で出会った同じ年のアサコと血のつながらない4人の兄弟と親しくなる。

夏休みの思い出といえばかなり濃い思い出だろう。
両親がいなくて、子どもたちだけで暮らしているボロいアパートでの生活は、学校へも通っていないのに何故かみんな卑屈ではないと感じる。
嫌がらずに下の弟たちの世話もする。
けっして幸せとは思えないのに不幸って顔をしていない。
そんなところに奈保子は惹きつけられ、彼らと家族でいたいと思うのだろう。

不思議なほどに懐かしさを感じるのは何故なんだろう。






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2025年05月21日

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