【感想・ネタバレ】東アジア現代史のレビュー

あらすじ

「日本」「中国」「朝鮮」諸国を擁する東アジア世界は「鎖国」の終焉と共に近代化を迫られた。西洋列強の外圧の中で、植民地化や二度の大戦を経て、二一世紀の現代、劇的なまでの経済発展を達成している。一方で中国と朝鮮半島には今なお冷戦構造が残り、約二百年にわたるこれまでの歴史は、少子高齢化や安全保障にかかわる難問を投げかけている。協調と衝突を繰り返し突き進んできた過去を振り返り、未来につなげるための一冊。

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Posted by ブクログ

現代史になってくるのは 10章から後。13と14は個別ネタ。それまでは前史。実質4章。ここは読みであり。思ってたよりソ連ロシアが重い。アメリカも。トランプでどうなるのかな。
うまくいってないといってもサブサハラとかよりかなりマシかも。儒教からのテイクアウトは可能なのだろうか?

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2025年02月15日

Posted by ブクログ

東アジアの現代史をを日本、中国、朝鮮(韓国・北朝鮮)、台湾のそれぞれから描いた通史。現代の状況に至る起点となる出来事をそれと指摘しつつ書いてあるので、理解が深まった。

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2025年01月16日

Posted by ブクログ

一家に一冊あるべき、良書である。
時々読み返して、現在の日本と東アジア情勢の、大前提を確認したい。
しかし、歴史のディテールは複雑すぎて、何も覚えられないので、盲が啓かれた・新鮮に感じた・重要な観点のみを備忘録。

⚫︎東アジアは、今も、冷戦構造が固定化したままの、特殊な地域。

⚫︎東アジア各国は、いずれも「鎖国」的な政策をとっていたが、「西洋の衝撃」を受け、近代化を迫られる。その近代化の速度に、大きな違いがあった。

⚫︎アジアで一番早く近代化を達成した日本は、西洋列強を模倣し、産業革命を起こし、資本主義を導入し、「一等国」の仲間入りを目指して、植民地主義になる。
伝統的な支配体制と、華夷秩序の維持にこだわった中国と朝鮮は、日本の対外拡張に巻き込まれていった。

⚫︎江戸幕府は「鎖国」的政策をとっていたが、実際には、長崎に入港する商人に、海外の情勢を報告させ、「風説書」として編纂していた。
この世界情勢の知識が、開国の判断や、明治維新以降の「脱亜入欧」論に、大きな役割りを果たす。
特に、アヘン戦争における清朝の敗北の経緯は、重要な情報であった。

⚫︎孫文や蒋介石など、自国の革命・近代化を志した者たちは、日本の先例に学んだ。
彼らと日本国内との、交流や支援は、意外なほど深い。
その後、日本によって侵略が行われるわけだが、彼らには、争いあい、いがみあうだけでなく、政治的な損得の判断の中にも、愛憎ともいえる、複雑な感情の機微があった。

⚫︎1989年の天安門事件は、中国が民主化する最後のチャンスだったかもしれない。
その失敗のあとは、民衆自体が拝金主義に走り、「改革・解放」路線が、より推進され、一党独裁の経済大国へと向かう。

⚫︎東アジア各国に共通する課題は、少子高齢化。
儒教的な価値観が根深く、家族主義が強いため、女性へ育児・介護などの負担がある。
「子どもは社会が育てる」という価値観に、舵を切れるか?

⚫︎また、共通して、格差の拡大・固定化の問題も抱える。
結婚できない若者たちを増やし、少子化に拍車をかけている。

⚫︎忘れてしまいがちだが、90年代前半、平成になったころの外交関係・歴史認識は、現在と、まったく雰囲気が違っていた。
天皇が中国を訪問し、非自民政権の、細川・羽田・村山内閣では、率直に、侵略への反省が述べられていた。

⚫︎中国が、靖国参拝に反対する論理は、「戦争責任二分論」である。

「日本の一般国民は無辜の被害者であり、侵略の責任はすべて軍閥にある」
「だから、一般国民とは、手を取り合える」

この赦しの論理に沿えば、一般国民の代表である総理大臣が、A級戦犯を合祀した靖国神社に参拝するのは、絶対におかしいのである。

⚫︎日本兵として戦争に参加した、朝鮮と台湾の戦死者が、自らと遺族の意思に反し、靖国神社に合祀されているのは、人格権の侵害である。




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2025年11月24日

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