【感想・ネタバレ】ヘラクレスの冒険のレビュー

あらすじ

引退をひかえていたエルキュール・ポアロだったが、十二の難業 に挑むことになった。「ネメアのライオン」「レルネーのヒドラ」「ケルベロスの捕獲」など、ギリシャ神話がモチーフとなった十二の難事件に、灰色の脳細胞を駆使してポアロが挑む。変わらぬポアロの名推理ぶりを新訳でおくる。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ネメアのライオン
レルネーのヒドラ
アルカディアの鹿
エルマントスのイノシシ
アウゲイアス王の大牛舎
スチュムパロスの鳥
クレタ島の雄牛
ディオメーデスの馬
ヒッポリュテのオビ
ゲリュオンの牛たち
へスペリスたちのリンゴ
ケルベロスの捕獲

ポアロが引退を間近にして、自身のクリスチャンネームであるヘラクレスに因んだ事件を解決していく短編集。
ポアロの長編より好みだったかも。

「彼には、あなた方の祈りが必要です」
「では、その方は不幸なのですか?」
「あまりにも不幸だったため、幸福とはなんであるかを忘れてしまったんです。自分が不幸であることを知らないほど不幸なんですよ」
院長はやさしくいった。
「ああ、お金持ちなんですのね……」

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

聖書や童謡になぞらえて人を殺していく犯人は古今東西数あれど、自分が解決した事件を神話に見立ててコレクションする名探偵はなかなか珍しい部類かと。
最初、子供じみた理由で事件を選り好みするポアロの高慢さに鼻白みながら読み始めたのですが…何これ、超面白い。
どの話も良かったのですが、一番のお気に入りは『ステュムパロスの鳥』。ポーランドの双子の貴婦人をビジュアルで見てみたいです。映像化されているのかしら。
次点で『ケルベロスの捕獲』。久しぶりに会ったロシア美女に「地獄へきて」と告げられるドラマチックな出だしと、その後ミス・レモンに「ご存じなかったのですか、ポアロさん。ナイトクラブですわ」とあっさり謎解きされる落差。ミス・レモン超クール、超有能!あとナイトクラブ地獄も面白そうで、実際あったら行ってみたいですね。ただし麻薬売買さえなければ。

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2017年12月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クリスティのマイベスト10に入れたい、短編を体系的にまとめた作品です。
ひとつづつの事件は、必ずしも殺人があるわけではない。
必ずしも犯人がつかまるわけではない。

ヘラクレスの物語になぞらえた事件設定と、ポアロの人間性が現れている。

本書の、解説に書かれている
「著者を通しての、イギリス人の考え方やその他の国々の人たちに対する歴史認識、思想、政治や人種に対する思いなどもまた、やはりある年齢に達しないと面白がれないのではないかと思う。そうでないと、ただ予想外の犯人や驚天の犯行動機、奇想天外のトリック、そして鬼も泣く探偵の推理などに目が奪われるばかりで、クリスティ特有の深みを享受することは難しい。ことに食べものや飲みものに対する好みや道具類、服装などに対する薀蓄、たとえばポアロやミスマープルたちに生かされているそれらを十分に味わうには、やはり読む側にも受け入れる素地がないと」
という文章は、クリスティの楽しみ方を示唆していると思われた。

イギリスでの生活もしたことがなく、
クリスティが書いた年齢にも達していない人間には、
映像を通じて、読む側にも受け入れる素地を醸成するのも手だと確信した。

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2011年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

冒頭のポワロによる自分の名前の由来であるヘラクレスに対する突っ込みが面白かった。印象に残ったのはアルカディアの鹿 (わりと爽やか)、ステュムパロスの鳥(推理できた)、クレタ島の雄牛(いかにもな話の流れからの急展開に意表を突かれた)、ヒッポリュテの帯 (元がわりと艶っぽい話なのでどうポワロと取り合わせるのかと思ったら上手くまとまっていた)。いい話とは思わなかったけど展開に驚いたのはアウゲイアス王の大牛舎 (ポワロ側のやり方が汚くない?)。

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2023年10月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ポアロが挑む12の難業。

引退を考えているポアロは、エルキュール=ヘラクレスにちなんであと12の事件を解決しようと考える。その12の難業がこの短編集。元ネタにピンと来ないので(ひとつふたつしかわからない)あますところなく楽しめたとは言いにくいが、バリエーション豊かな事件を読んで満足。

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2021年07月04日

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