【感想・ネタバレ】夜の底を歩くのレビュー

あらすじ

17歳のキアラは、兄と二人暮らし。父は病死、母は獄中。ラッパーを夢見る兄のため、隣家の孤独な少年のため、彼女は職を探す。ある夜、思わぬことから、売春を始める。愛する者を心の支えとして働くキアラだったが、やがて街を揺るがす騒動に巻き込まれ……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

父は病死、母は刑務所に入って今は更生施設にいることで、17歳のキアラは兄のマーカスと2人で暮らしていたのだが、兄はラッパーを夢みてばかりで働かない。アパートの家賃も滞りがちで、おまけに値上げするという。
同じアパートに住む9歳のトレバーもネグレクトを受けていて、食べるものもない様子。
キアラは、職を探すも雇ってくれる店はどこもなく、追い詰められた果てに思わぬことから売春を始め…。

誰に救いを求めたらいいのかわからずに、ただ生きるためにしたことが大きな事件となる。

このようなことがある世の中では駄目なはずなのに誰も気づかずにいることが、どうしてもやるせなく思う。


著者が、ティーンエイジャーの2015年のときにオークランド市警とベイエリアの警察官たちがひとりの若い女性を性的に搾取し、その件を隠蔽しようとしたことを知る。
この事件は、2016年にオークランド市警による性的虐待事件としてニュースに報じられ、著者は自分が生まれ育った街の話を書きたいという思いと、若い黒人女性が性的被害に遭うというのはどういうことか、掘り下げて書きたいと思ったとあとがきにある。
16歳で書きはじめて10代のうちに本書を出版したことになるが、同年齢を題材にしているだけに描写に強さを感じた。



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2025年03月03日

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