【感想・ネタバレ】人形姫のレビュー

あらすじ

亡き父のあとを受け、森岡恭平が社長を務める森岡人形は、低迷する売上、高齢化した職人の後継者不在、果ては社長自身の婚活……と、問題が山積。そんなある日、職人たちが足繁く通うパブで働くクリシアというフィリピン人女性が、社屋を訪ねてきた。職人の一人が、酔った勢いで「俺の弟子にしてやる」と、彼女に約束したと言うのだが――。老舗人形店を舞台に繰り広げられる人情味いっぱいの、笑って泣ける人生讃歌。

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Posted by ブクログ

家業を継ぐと、多分それほど違和感なく決めて創業180年の人形店の八代目社長を務める森岡恭平37歳、高校時代はスポーツマンで女生徒の熱い視線を集めていたのになぜか独身の、平均年齢73歳の従業員を率いる社長業と業界団体と高校ボート部コーチの目まぐるしい生活をほのぼの描いた、ゆっくり沈む夕日の様に静かな物語。
もちろん、新しい命も生まれるしバトンを受け取ろうという若者も現れるんだけど、ほのぼのするには寂しすぎた。

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2025年06月24日

Posted by ブクログ

優しい小説でした今回も。知らない雛人形師の話には興味深いし後継者問題もしっかり描かれてて、漕艇と人形師はまるで同じとか いいですね。もっと寿々花にモモに出てもよかったし四年半後は恭平じゃないのがズラしなのかなぁ要らんけどと思った。コロナも書かれてて未だにマスクの効果を数字にしてくれよ、ワクチン打って何千人死んだんだよ、廃棄したワクチンの予算をぼやかすなよ、中抜き社会、消費税下げない国は日本だけだよということでやっぱ財務省解体デモ参加しようかと。

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2025年03月30日

Posted by ブクログ

山本幸久の小説は「お仕事小説」に分類されるのかもしれない。
これまでも広告制作の会社の仲間たちや義手や義足を作る人、屋台のおでん屋さん、いろいろな仕事について小説を通して知ることができた。
そして、小説の登場人物が別の小説にひょっこり出ていたりするのも楽しい。それぞれが全然違う世界ではなく、山本幸久ワールドという一つの空間に存在しているかのようだ。
今回は、雛人形を作る会社の八代目社長とその周りの人々が織りなす話である。
凸凹デイズで出てきたデビゾウというキャラクターの名前が出てきて、また繋がった、と嬉しくなった。

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2025年03月28日

Posted by ブクログ

 このお話の舞台である鐘撞市(かねつきし)は人形の町として知られ、節句人形の製造元が多い所です。

 その中で、創業180年の森岡人形の社長が、森岡恭平(もりおか きょうへい)で、八代目の当主にあたります。恭平は、鐘撞高校のボート部出身で、当時は主将、今はコーチをしています。

 職人の高齢化と後継者不足により、毎年、何軒かの製造元が廃業していく中、森岡人形もその不安は例外ではありません。

 そんな中、ひょんなことから、職人見習い候補が現れます。町の飲食店で働くフィリピン人女性 クリシアさんです!

 お話の冒頭では、恭平のこと、鐘撞市のこと、森岡人形の職人たちのこと、ボート部のこと、町の人たちのことが、丁寧に語られます。クリシアさんが、森岡人形の門を叩くキッカケを作ったのも、ある職人さんの失敗からだったのですが、冒頭から説明を受けているので、あの人だったらさもありなん、という感じで理解できます。

 雛人形は、頭師(かしらし)、着付師、髪付師、小道具師、手足師といった多くの職人の分業で作られます。それぞれが、経験がものを言う、まさに職人技の世界を持っています。だから、こだわりも強く、人間関係も難しくなります。

 マンション化による住居の変化などで雛人形も様変わりしています。そして、追い打ちをかけるような少子化と後継者難。

 さあ、八代目の恭平は、この苦難をどう乗り越えるのでしょうか?
 クリシアさんは、男社会の徒弟制度・伝統的日本文化の雛人形製造元において、森岡人形の救世主となりうるのでしょうか?
 さらに、鐘撞高校ボート部はライバル校に勝てるのか?
 恭平(37歳・独身)の結婚はどうなる?

 興味が尽きないお話を、お仕事小説の名手 山本幸久氏が紡ぎます。

 ひなまつりの今日をきっかけに読んでみませんか。雛人形のウンチクも覚えられますよ♡

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2025年03月03日

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