あらすじ
将来有望な青年騎士・ケリーは王命を受け、闇神が治める地底界との交流を復活させるため、王都の東北にある闇神の祠へと向かう。長きにわたる断絶。不可能と思われた任務だったが、地底界への扉は開き、ケリーは誘い込まれるように中へと進む。己の宿命が待ち受けているとも思わずに……。八年後、地底界での『ある出来事』から、領地に戻っていたケリーの前に、謎の美青年・ラドネイドが現れる。この世のものとは思えない美貌の持ち主で、王の相談役だという彼は、ケリーに対し惜しみない好意を示す。戸惑いながら交流を深めるケリーだったが、やがて周囲で不審な出来事が起こるようになり――。神の愛は惜しみなく与えられ、奪う。みやしろちうこ完全新作! 堂々刊行! ※電子版は単行本をもとに編集しています
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Posted by ブクログ
初めて読む作家様で…。
神から一方的に愛されてしまうというとんでもない話で驚きました。
騎士のケリー。
闇の祠へ向かいそこで…。
心も身体も病み療養に8年。
そして出会ったラドネイドからの隠すことの無い好意にどんどん引き込まれていってしまうのがとにかく凄い。
何故なのかが分からず、逆らう事も出来ずと。
ラドネイドの正体、訳を知るとただただケリーにとっては私からすれば可哀想でしかなく。
ラドネイドにしてみればそれは当たり前の行動であるのも分かるしと。
長い時を経てようやく「花嫁」を手に入れられたラドネイド。
ケリーの幸せは…。
天の神、地の神、闇の神と神々の関係とか中々で。
私には中々難しく読むのに3日かかりました。
匿名
あら不思議。読後感が良い
最初から全体的に不気味な様子で、どうなるのかと読んでいるうちに…
あらあら?なんだか闇神様が可愛い感じに…!
色々失敗して反省して努力して…とても応援したくなります。
他の神様方も、神様特有の感覚がありながらもどこか人間くさくて微笑ましいです。
中盤くらいまでの、最終的に破滅に向かうのか?という雰囲気は裏切られ、読後感が良いです。おすすめです。
匿名
『緑土なす』著者の新刊
いつもながら読み易い文体と、ユーモラスな雰囲気をそっと醸し出すのがお上手な作者様。とてもとても愉しませて頂きました。
異形の神が一つの魂に執着し追いかけ続けて数百年を拗らせた挙句の、その魂が入った器(=現世の人物)へぶつける愛の物語、と存じましたが、邂逅の初っ端は凄まじいものでした笑… いや笑えないのですが。
前作『緑土なす』でも人智を超える現象がたくさん描かれていましたが、今作『前々世から決めていた』も、作者様の想像力の質量に圧倒されながらやはり面白さに惹き込まれてしまいました多謝。
あと色が、絵画のようにまた視えるのが作者様の良さと存じているのですが、今作ももちろん健在です。前作ではその繊細な色彩の表現が魅力的でしたが、今作では趣向が変わり大胆な色使いというか、明度と彩度がキッチリとしキャンバスを大きく切り分け一色ベタ塗りをそれぞれにするような印象を受けました。前作が細密画と言うなら、今作はポップカルチャーのような? マチスとか?
この物語の主人公である「男神」の姿形ですが、人型の時は老若男女問わず陥落させる絶世の美人です。しかし基本の形は蚯蚓? のような? どうしても他の生物が思いつかず… 蚯蚓は地中を良くしてくれる益虫ですが、巨大蚯蚓となると埒外です笑。
そんな神さんに愛された魂が入った器は今世では「男性近衛騎士」です。神さんはいわゆる鳥の目と虫の目をいくつも持っているようで、騎士くんは逃げようにももう気付いたら囲われていました笑。
邂逅時の衝撃的な営みも、その魂が入った器が男性かつ騎士でなかったら、器はとっくに粉々になり、魂はまた彷徨っていたのではないでしょうか。自制心が課題の神さんと心の中では文句を告げていても、何かと流されているように見受けられる騎士くんです笑。
アンダルシュノベルズ様でしたので無料小説サイトへ参りましたが、続きや番外編等は無く(今後も無し? でもお気に入り登録は済み)、少し残念…
今作も前作のように巻数表示は無く、副題「今世では花嫁が男だったけど全然気にしない」を変えての次巻発刊となるのかどうか。作者様の一ファンとしてはそうして欲しいですが、出版社様が異なりますから小さく期待し、続刊のお知らせをお待ちしたいと存じます。
一つ、引っかかった箇所がありました。「十日のあいだ、闇族は娘を鑑賞し続けた」ですが、恐らく闇「族」ではなく闇「神」のように思いましたが果たして。
人間ではないものの感覚
物語は、ケリーの視点で語られ、ケリーとともに小さい窓から世界を眺めているような感覚がありました。なかなか全容がみえずもどかしいような。そこが面白いと思いました。全容が見たいが見れない。もがき続けているような。それが一般の人間の視点なのかもしれないなどと考えました。
全容を見わたせるのは、悠久な特別な存在のみ。しかしその大きな視点からでは、小さな人間の恋心を理解できないのでしょうか。自分が愛されていることを、自分が愛していることを知ることはないのでしょうか。
人間でないものの感覚。ここまで具体的に考えたことはありませんでした。それを実感できそうな作品です。しかし、神と渡り合うのは命懸けです。
やはり面白い
試し読みを読んで、始めは普通の中世ヨーロッパ風のファンタジー物かと思いきや、試し読み最後の展開に度肝を抜かれ、すぐに購入いたしました。
主人公の騎士(とてもいい子)のお相手が神様だけあって、畏怖を感じる描写も多いのですが、闇神の一途さに、段々応援したくなっていきました。綺麗に終わっていましたが、個人的にとても面白かったので、続編か番外編が出ないかと願っております。
作者買い
4年くらい『緑土〜』のファンなので、今回の新作はもちろん新しい気持ちで読みましたが、このままので終わるのなら、個人的には合わなくて残念かな。
題名から闇神が主役なのは分かっていますが、
圧倒的次元の違う力の差で、ケリーが見ていられない。
愛されるケリーってこんな感じで終わるのかな。
あまりにもケリーの気持ちが終わってないかな??
でも神が人を愛するって、こういう事なんだよなぁ、など色々寂しくなってしまいました。
とは言え、次作が出たらまた買うと思います。
Posted by ブクログ
まず2割ぐらいすすめるまで攻らしい攻が出てこなくて心配になった(後々考えると出てた
その後もずーーっと受にとっては不穏な空気のまま甘々な空気は一切なくメリバみたいに終わる。
スパダリに愛されちゃってどうする僕!?みたいな量産型甘々を想定してたので度肝を抜かれた…
正直メリバってあまり好きではないし、受にはとても幸せになってほしいけど裏側までしっかり書かれて読み物として面白かった。甘さを摂取したくて読むものではない。
あとちょっとリョナ要素があるので読む人は選ぶ
これは読み手を選ぶ作品
神様だけが嬉しい!楽しい!作品。
受けがひたすら不憫で…報われない。作品自体は丁寧に描かれているのですが…攻めも受けもハッピーエンドを求めてる人にはオススメできません。
ぐろいシーンが苦手な人も…注意です。