あらすじ
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本書はPython入門とは銘打ってはいますが、実質はGitHubCopilotという生成AIを活用したプログラミングの学習本です。解説にあたっては、プログラミングをしていく段階で覚えることを極めて少なくしてあります。本書では、Pythonの細かい文法を解説していませんし、効率的なコードの書き方や効率的なライブラリの使い方を解説しているわけでもありません。本書の基本的な説明方針は、逐次的に生成AIに質問をして回答を得ていくというものです。
GitHub Copilotへの質問の仕方にルールがある訳ではありません。わからなかったら何回でも聞く。読者とCopilotが共同で作ったコードを動かしながら、自分の目的が達せられるように工夫する。うまく達成できない場合は、再びCopilotに尋ねてみる。それらを繰り返していくだけです。そして、筆者がその経緯を逐一書き示したものが本書となっています。
本書では、複雑な機械学習の処理方法や、スマホアプリ/デスクトップアプリ/ Webアプリの作り方までは解説していません。ただ、Copilotを使ってPythonの基本文法を解説するだけではちょっと物足りないので、CSV形式のファイルの扱いやWeb APIの扱い方、グラフの書き方といった、実務に必要となる基本技術のプログラミングの仕方を本書は示してあります。ほかのPython解説本のように難しいことはできませんが、最初の取り掛かりには十分でしょう。Copilotと共同でコーディングをするときの落とし穴もいくつか用意してあります。Copilotと一緒に楽しんでPythonを学んでいってください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「新しい離乳食が出た」というのが最初に印象だった。
「初心者にお勧め!」というだけあり、GitHub Copilotを使ってPythonを学んでいく一部始終を懇切丁寧に紹介・解説してくれている。
IT、特にプログラミングは最初がとにかくハードルが高く、環境構築やら文法学習やらで挫折するのが基本コースになっている。
そんな初学者にはありがたいことに、Python人気に伴って教則本は次から次へと出てきて、教則本の紹介本が一冊かけそうなくらいな昨今。
生成AIが出たことでさらに入門のハードルは下がり、もはやどんなド素人でも容易にプログラムが作れるようになったように思うが、この本でそれが極まったようにも思う。
生成AIを活用してPythonプログラムを書くことを指南するというわけである。
Pythonもプロンプトエンジニアリングも、細かい部分、専門的な部分は個別に調べればいいとして、本書はひたすらプログラム作成とエラー対処の流れを辿っている。
これは個人的にかなり良いと思っている。
というのも、プログラミンのテキストは成功した最終的なゴールが書かれていることが基本で、読者が自身でやってみて引っ掛かったエラーの原因が何なのかは都度調べる必要があるわけだが、生成AIは何かと間違えるし誤解するし気が利かなく、故にエラー対応は必須であって、その対応方が学べるというのは初心者には「エラー対応の思考法」を学ぶのに有益だからである。
後半は簡易的なサーバを立ててAPIを使ってみたり、Pythonエンジニア認定分析試験の範囲のようなデータ分析系のコードも紹介している。
Pythonを学ぶ上で決してこれ一冊でいいことは無いが、このWithAI時代、最初の一冊としてはとっかかり易くていいかもしれない。