あらすじ
大学淘汰が加速する2010年代、活路はどこにあるのか? 日米の大学経営実態を知り尽くした著者が、大学危機の裏側と再生の道を語り尽くす。「偏差値40以上お断り」と言い切れる大学が強い、など大胆な提言。
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Posted by ブクログ
アメリカの大学行政に長く携わってきた筆者の経験から語る部分も多いが、それ以上に論理立てて大学が破綻するまでの背景と経過をきちんとまとめられており、大学に関係する人にとってはとても衝撃的かつ現実的な事象もたくさん含んでいることに気づく。
世界レベルの研究大学、本当の意味での教養人を養成する大学、全入時代を明確に意識した大学の3つが、今後の日本に必要な大学だとまとめているが、すべてを達成するのは難しい。いずれかひとつに焦点を絞りながら、その大学の個性をいかに「入学者」「地域」にとって有用な存在であるように、大学は進化を遂げなければならないことは、自明の理ではあるものの知られていないかもしれない。
きちんと勉強しなければなりませんね。
Posted by ブクログ
大学が破綻する時代が来たことの説明。
また、生き残る大学に求められることは何かを分かりやすく解説している。
大学は3つに機能分化すべきという意見にも賛成。
1.世界レベルの研究大学
2.教養教育中心の大学
3.勉強のできない学生を育てられる大学
Posted by ブクログ
大学の生き残りのために,各大学のウリを差別化して絞り込み,昔ながらの「旧帝大型モデル」からどう脱却するか,というのが問題。
日本に今あるという700だか800だかの大学すべて(短大・単科大ふくむ)が,ノーベル賞を狙える研究者を育てます,というような研究大学である訳がなく,そうである必要もない。大学生人口とその後の生き方を考えれば,社会に出て良識ある仕事人,家庭人になるように,一定の読み書きそろばん能力や社会常識を学生の身に付かせます,と言い切る大学群があってしかるべきで,大学はもっとそういう現状にあった使命を自覚して,運営されるべきだというのがこの本の提案する解答。
まあ確かにその通りだろう,と思う。
ただ,多くの大学が読み書きそろばん能力や社会常識を教える機関になったら,ずいぶん授業の内容も先生達のやることも変わるんだろうと予想され,大学で教えているのは教育者ではなく研究者であることを考えると改革は難しいだろうなと予測もする。で,著者は教授陣ではなく事務職の人たちに大いに期待する,としている訳だが。