あらすじ
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NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢 噺(つたじゅうえいがのゆめ ばなし)~」の主人公である蔦屋重三郎が生まれ育った、江戸時代の吉原界隈の地理や慣習、事件を、同ドラマの吉原風俗考証の著者が詳細に解説。“江戸のメディア王”として時代の寵児になった快男児・蔦屋重三郎が生きた世界とは? 蔦屋重三郎が編纂した「吉原細見」の中身を徹底解説。
吉原の文化、しきたり、風習、地理など大河ドラマ「べらぼう」をより楽しく観るためのサブテキストとしても使える一冊。
江戸の出来事、蔦屋重三郎年譜と吉原事件年表、安永4年の吉原全図も収録
【本書の内容】
蔦屋重三郎が生きた吉原
吉原噺 壱
蔦屋重三郎が案内する吉原のあそび方
三者三様の吉原あそび
お大尽の巻
勤番侍の巻
熊さん八っつぁんの巻
吉原噺 弐
吉原とは何か
一、吉原は「廓」という江戸の公の施設
考証の栞 遊ぶところの廓で「遊廓」
考証の栞 江戸では「女郎」という言葉が一般的だった!?
二、新吉原への行き方
考証の栞 日本堤という名前の理由
三、吉原の町並と町名
四、吉原の掟
吉原噺 参
「吉原細見」の中身
一、年二回改訂発行の吉原ガイドブック
二、吉原細見には何が載っていたのか
三、細見を元に吉原地図を作る
吉原噺 肆
吉原の内部を探索
一、五十間道
考証の栞 吉原名物つるべ蕎麦
二、大門
考証の栞 大門の木札
考証の栞 大門の旗と提灯
三、仲の町と引手茶屋
考証の栞 消滅した揚屋
四、女郎屋
考証の栞 河岸見世の名前
五、女郎屋の内部
考証の栞 女郎のランクがわかる「籬」
四、宴会料理のきのじや
五、吉原の一日
吉原噺 伍
吉原女郎白書
一、「アリンス国」の廓言葉
二、女郎の出世 年季奉公から年季明けまで
考証の栞 花魁の語源は?
三、女郎の装い
考証の栞 江戸のファッション雑誌
四、遊女の一日
考証の栞 花魁道中の並び順
五、女郎の手紙から見る、手練手管
考証の栞 吉原の紙事情~天紅と紙花
吉原噺 陸
吉原の風景~吉原歳時記
一、弥生の桜~吉原の桜は植樹だった!?
二、吉原のお盆行事「玉菊燈籠」
三、吉原の芝居芸能 俄(仁和賀)
考証の栞 俄を主導した見世
四、師走から正月の吉原
付章 江戸の出来事、蔦屋重三郎年譜と吉原事件年表
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Posted by ブクログ
蔦屋重三郎が生まれ育った吉原のことが詳しく書かれた本でした。
吉原の遊び方から始まり、蔦重が吉原を細見(吉原の案内本)にどのように記したのか、そして吉原の様子や女郎達がどのように1日を過ごしたのかなどがとても分かりやすく書かれていました。今まで漠然としたイメージしかもっていなかったことが、はっきりと分かり、とても興味深く読みました。そして、大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の吉原風俗考証担当の山田順子さんが著者なので、ドラマで描かれた部分がとてもよく分かりました。この本を読んでいれば、初めからドラマがもっと分かりやすくなり、楽しめたのにと残念に思いました。
巻末には、安永4年細見「籬の花」で構成した吉原全図(現代風にわかりやすく書かれています)があります。とても見やすい細見で、吉原で多くの人が生きていたことがよく分かります。蔦重がこれを作ったのかと、なんだか感慨深くもなりました。
いつか、江戸の華と言われた吉原で生きた女郎達を中心とした本も読んで、どんな思いで生きていたのかを知りたいとも思いました。