【感想・ネタバレ】ピーター・ドラッカー 「マネジメントの父」の実像のレビュー

あらすじ

全体主義が台頭して破局へと向かうヨーロッパからアメリカへ渡り,産業社会と企業,そして働く自由な人間に未来への可能性を見出したドラッカー.最晩年の肉声に触れた著者が,内なる怒りと恐怖に静かに向き合う,アウトサイダーとしての実像を描き出す.明るい本を書き続けた「マネジメントの父」に,新たな光を当てる.

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

絶望の時代を生きたからこそ人に希望を見いだしたのだと思う。その哲学は資本主義の破綻が現れている今、引き継いでいく必要がある。

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2025年01月21日

Posted by ブクログ

アメリカでドラッカー氏のことを話してもなかなか反応が鈍く、日本のそれとは全く違ったことに違和感を持った昔を懐かしく思い出した。世界の経営学と少し違った湿っぽい(?)日本の経営学の畑が馴染んだのかなあと、自身の過去の経験を思い出しながら読んだ。

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

ドラッカーに関しては、ビジネス・自己啓発本のベストセラー作家、日本におけるもしドラのヒット、またマクルーハンとの交友関係などが個人的な印象といったところだが、実際に何を行ってきたのかという(自伝的なもの以外の)著書から掬えない部分を新書としてまとめられていてありがたい。
経営学という学問についての信頼が未だに根付かない自分としても、アウトサイダーとしての観察眼や、学問的な疑義に対する実践上の反論といった彼特有の立ち位置は飲み込める部分も多く、パーソナリティとしての興味はより深くなったといえる。

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2025年05月17日

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ネタバレ

ドラッカー本はドラ研で何冊も読んできましたが、ドラッカー自身の人生を主体に書いた本は初めて読みました。

数々の著書の中で語られてきたマネジメントや生き方・考え方・言葉は、ドラッカーが生きてきた歴史的背景に直結しているとあらためて認識すると共に、理解も深まった気がします。

「いくぶん逆説的に言えば、ドラッカーのマネジメントは、書かれているものを読んだだけでは役に立たない立たない。その説くところを自己の置かれた状況にふさわしい形で自覚的に問いつめていかないと、生きてこない」

という部分は、自分が2011年から参加している「実践型!ドラッカー研究会」の理念そのものだなと感じました。

#ドラッカー

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2025年05月06日

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“目標はマネジメントの基本的な工具でもある。鏡なしで自己像を確認しえないように、目標なしにふさわしい成長も成果もない。人間とは常に固有の何かを志し、何かを実現しようとしているのであって、「飴と鞭」は元来不要であり、セルフモニタリングこそが最高の動機付けとなるとドラッカーは見ている”

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2025年05月06日

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ドラッカーの著作から受ける印象で強いのは、駄弁の削ぎ落された骨太な叙述と見えて、その中で縦横に展開されている巧みなレトリックだ。それがインテリゲンチャに憧れている現実世界のマネジャ達へ訴求するのだと思う。現実の混沌と日々格闘する現場のマネジャは、無意識のうちに精神的な部分を後押ししてくれる導師を求めているのだ。ドラッカーは近代ビジネスの導師そのもの。

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

『マネジメント』で知られるピーター・ドラッカーの生涯をコンパクトにまとめたもの。

ドラッカーはウィーン出身であったが、ナチスの台頭に危機感を覚えてイギリスに逃れ、さらには米国に渡った。実際、ドラッカーの最初の著作は、全体主義を批判的に論じた『『経済人』の終わり』である。ドラッカーがさらにマネジメントに注目するようになったのは、全体主義を防ぐには企業が活力を持ち、社会的責任も果たすことが必要との考えのためであった。晩年は、非営利組織のマネジメントにも関心を広げる。

ドラッカーの関心や業績が全体主義の防止という観点で貫かれていることがよくわかった。世界情勢が不安定な今だからこそ、ドラッカーは読み返される価値があるのかもしれない。

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2025年01月14日

Posted by ブクログ

非営利組織に関わる中でドラッカーの言葉を紹介する場面はこれまで何度もあったが、ドラッカー自身の人生については本書で初めて知った。ドイツ系ユダヤ人の家庭で生まれ、WW1、ナチス体制下で育ち、イギリスを経てアメリカへ。キルケゴールの実存主義からの影響や日本の水墨画を始めとした美術への関心など知らなかったことが多く、人や組織に対する眼差しや期待がどこから来ているのかが少しわかった気がする。非営利組織関連の書籍でもまだ読んでないものがあるから読みたくなった。

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2025年06月23日

Posted by ブクログ

20世紀で資本主義経済が中心となる中で、ドラッガーはあくまでも経営戦略的な目線ではなく、社会や企業が人に対してどう向き合うかを考えていた人なんだと気づいた。
金銭の利益を目的とせず、社会にとってどれだけ意義がある活動ができるかが重要という観点では、渋沢栄一と同じ視点だった。

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2025年01月19日

Posted by ブクログ

2024年12月20日 第1刷発行。岩波新書。
自称“ドラッカー信者”としては読まざるを得ない。内容は95年(1909‐2005)のドラッカーの生涯の振り返り。オーストリア・ドイツ時代の若かりしドラッカーを知ることができたのは良かったが、やはり、“書く人ドラッカー”の言葉以上の感動はない。
有名な「何によって憶えられたいか?」の問いについて、晩年のドラッカーが「人にとって意味あることを教えた人間として憶えられたかった(p212)」と答えていたことは知らなかった。意味あることを教えられ、日々の行動に落とし込もうとしている人間がここにも居る。あらためて感謝。

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2024年12月30日

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