あらすじ
16歳の少女・綾は、父親を不慮の事故で亡くし、スイスの寄宿学校に留学することになった。寄宿舎での1日目、不思議な睡魔に襲われた綾は意識を失う。そして気がつくと、なんと1888年のロンドンで「アン」という名で暮らしていたのだ! 街は、殺人鬼〈切り裂きジャック〉の影に怯えていた。以前からこの事件に興味をもっていた綾は、自分の手で捕まえると意気込むのだが──。時空を超えて繰り広げられるミステリー。
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Posted by ブクログ
「時をかける少女 ヨーロッパ編」といえばわかりやすいかもしれない。
父がなくなり、後をついで社長におさまる少女。
スイスとイギリスを舞台に、
切り裂きジャック を追いかける。
現代の切り裂きジャックも現れ、
2転、3転する。
2つの場所と年代を行き来して、
最後は解決へ向かう。
芯の強いお嬢様が、赤川次郎の理想だと分かる。
Posted by ブクログ
職場の同期に借りた。タイムスリップものミステリー。過去と現在の切り裂きジャック事件を女子高生の綾が解き明かして行く。過去と現在の行き来ってどっちがどっちか分からなくなりそうだけど綺麗にまとまってて混乱せず読めた。切り裂きジャックって物語の登場人物かと思ってたけど現実に存在していたのを初めて知った。スッキリ読めたけど綾の設定は欲張り過ぎる気も。女子高生にして母を行方不明、父を事故で失い父の跡継ぎで社長になってスイスにも留学していて霊視とタイムスリップの能力があって…って消化不良起こしそうだったし実際社長になってから会社の話ってほぼ出てこなかった。行方不明になった綾の母は綾と同じ様にタイムスリップの能力があり今はタイムスリップした先で女王様にお使えしている。話の感じからきっと綾が大人になり結婚したら娘が産まれ夫に不倫されまたタイムスリップするんだろうな。でもこの物語に出てくるタイムスリップって自分の未来を変えるとかそういうものでは無いから何の意味があるんだろう…って少し思ったり。
Posted by ブクログ
小学生の頃から赤川次郎を読み漁り、リッパロロジスト(切裂き魔研究家)を自認する身としては、ぜひ読んでおかなければ!と手に取った。
現代日本からスイス、ロンドン、そして19世紀ロンドンと、話のスケールがどんどんでかくなっていくので結末を心配したが、特に終わりを急いだ感もなく、怒涛の伏線回収っぷりを見せ、無事に終了。
近年の作品としてはかなりの良作と言っていいだろう。
19世紀側の綾である“アン”の父、ラルフ・クラフトは、映画『フロム・ヘル』のアバーライン警部がモデルなのではないか?と感じた。
最後の犠牲者、メアリー・ケリーと恋仲になる、メアリー・ケリーは実際には死んでいない、といった点が共通する。
一つ気になるのは、19世紀ロンドンを震撼させた切り裂きジャックの正体=チャールズ=ヴィクトリア女王の息子?は何者なのか、ということ。
公的に記録の残っている人物としては、ヴィクトリア女王にチャールズという息子はいない。
可能性としては「記録に残せない人物」、つまりアルバート公亡き後、ヴィクトリアと恋人との間に生まれた庶子ではないか?という考えが頭をよぎった。
実際、ヴィクトリアには夫の死後に恋人の存在が噂された。
また、チャールズがなぜ切り裂きジャックになったのかの謎も解明されなかった。
綺麗に纏め上げたのだから、ぜひこれらの疑問も解消させて欲しかった。
Posted by ブクログ
初赤川作品。この人は長ーいシリーズ物が多くて今まで手を出す気に慣れなかった。百年の迷宮シリーズは「切り裂きジャック」「ドラキュラ」と興味のある内容だったので2冊まとめて購入。
ミステリー+タイムスリップ物。読みやすい文章で面白かった!
でも結末部分がちょっと物足りないかな。特にミステリーの部分が。
ラスト手前は泣けたんだけどな。メアリーの決意とかマークとの別れとか。
ちょっと解んない部分→陛下は息子が犯人だと知ってたの?会話を見る限り次で最後にするという条件でわざとメアリーを殺させたっぽいけど。助ける気全くなかったし。チャールズの「夢」って何?