あらすじ
美しい風景や音で溢れる京都を舞台に、芸大生たちが新しい音楽を鳴り響かせる--。「今、生まれるべき音」の芸術を追い求める若き群像とその疾走を、さそうあきらが色鮮やかに描き出す!『神童』『マエストロ』に続く音楽シリーズ第3作!!
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音楽の捉え方の一端を知れる
音楽に従事したり才能がある人達って、こうやって音楽、といあか音を捉えて認識し、自分の中に取り込み、そしてまた曲や音としてアウトプットしてるのですか、と知れる内容。それが音楽全てではないのでしょうけど、自然の中の音や、街の音や、曲の音がこんな風に認識できたら、人生ちょい楽しくなりそうだな〜と羨ましくもなります。
Posted by ブクログ
音楽という形式のなかで音楽が評価され形成されていく、閉ざされた音楽に対して、現代音楽の研究を通して本当の音楽を追い求める学生たちの話。
作曲科に在籍し完璧なピアノの演奏力を持つ義兄へのコンプレックスと、あこがれの女性への思い、捨てきれない音楽への情熱によって、現代音楽の魅力にとりつかれていく主人公。
音楽の理想とうんちくを熱く語る先輩のアオカン(6浪してる)のキャラが面白く、読者の案内役としても重要な存在である。
元気のない主人公に「失恋か?」と聞き、「そのやるせない気持ちが現代音楽には大事なんだ!」と和音の説明をする場面が大好き。
その後、ジョン・ケージの「4分33秒」で主人公の意識が宇宙にまで飛んでいく描写も良かった。
ミュジコフィリアとは"音楽中毒者"の意味。早く続きが読みたい。
Posted by ブクログ
現代音楽が持つある種の”変態チック”さが良く出ていて楽しい。舞台が東京ではなく、京都というのがまたいい。
登場人物の関係から話の先がみえなくもないが、それはそれとして、今後の展開が楽しみです。