【感想・ネタバレ】財務省亡国論のレビュー

あらすじ

財務省は「スキあらば増税したい!」人たちの集まりで、
本心からは財政再建のことなど考えていない――!?
自分たちの歳出権(※お金を使う権利)という権益を広げるために暗躍し、増税を説く。

●政財界を巻き込んで日本国民 総・洗脳計画進行中

増税 = 「財務省のおかげで」予算が膨らむことで各省庁に予算増(配分)の恩をきせ、
見返りとして天下りを認めさせる。
国民の血税を使って、巧妙に世論を誘導・洗脳する財務省。
その片棒を担ぐ人。

そして、真実を何もわかっていないのに、「いかにもわかっている」ように語る人。
それを見て、さらにほくそ笑む財務省……。
元財務官僚の髙橋洋一氏がその洗脳をスパッと解く!

「たった1つの図でわかる!【図解】新・経済学入門」

「世界の「今」を読み解く!【図解】新・地政学入門」

「99%の日本人がわかっていない新・国債の真実」

などのベストセラーも多く、最近では登録者123万人を超える(2024年12月12日現在)
Youtuberでもある、元財務官僚、高橋洋一氏がその洗脳をスパッと解く!


■目次

●1章 大義名分にゴマかされるな!財務省のエゴとは?
・なぜ財務省はスキあらば増税したいのか
・「消費税=財務再建」に正当な根拠はない
ほか

●2章 財務省の口車に乗らないために知っておきたい経済の基礎知識
・ダマされないためには「全体を見渡す視点」が必要
・なぜ国は経済成長を目指すべきなのか――「オークンの法則」
ほか

●3章 日本をわざと経済成長させない財務省
・二つの呪縛が日本の経済成長を止めている
・「公共投資はムダ遣い」という財務省の洗脳
ほか

●4章 親玉「財務省」子分「日銀」─その本当の関係とは?
・物価は「モノとお金のバランス」で決まる――貨幣数量理論
・日銀が行う経済対策「金融政策」
ほか

●5章 「金利」からも見えてくる! 財務省の大好きな増税は「意味不明」で「愚かな策」

●6章 何が何でも増税したい!「財務省のウソ」

●7章 「円安で儲かる」は世界の常識。 でも財務省は動かない

●8章 「国債がまた増えた!」と騒ぐウラにある財務省の思惑とは

■著者 高橋洋一
1955年東京都生まれ。
都立小石川高校(現・都立小石川中等教育学校)を経て、東京 大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。
博士(政策研究)。1980年に大蔵省(現・財務省)入省。
大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客 員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、
総務大臣補佐官、内閣参事官 (総理補佐官補)等を歴任。
小泉内閣・第一次安倍内閣ではブレーンとして活躍し、「霞が関埋蔵金」の公表や
「ふる さと納税」「ねんきん定期便」など数々の政策提案・実現をしてきた。2008年退官。
その後、菅政権では内閣官房参与もつとめ、現在、嘉悦大学経営経済学部教授、株式会社政策工房代表取締役会長。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

これで35冊目、高橋洋一氏の昨年末(2024)に発刊された最新本です。ニュースで報道されることとは真逆のことを言われているので以前は、その内容に驚いていましたが、彼は会計知識をベースに理詰めで説明してくれるので理解ができるようになりました。

多くの方に理解をしてもらうために、数式を極力使わずに説明していますが、個人的にはもう少し数式があると嬉しいなと思います。売れる本を書くためには仕方ないのかもしれませんが。

以下は気になったポイントです。

・どのような利益のために、財政破綻や国債暴落を主張しているのか、一つは財務省だ、ただしこれは表では絶対言わない、こっそりと裏でいう、増税すると財務省の予算権限が増えて、各省に対して恩が売れて、果ては各省所管の法人への役人の天下り先の確保につながる、経済成長すれば要求官庁は経済成長に見合う経費増を要求するが、経済成長は財務省のお替でないので、財務省に恩を感じない(p25)

・二つ目は、例芸措置が設けれる、一緒くたに増税するのではなく「今回の増税はこういう業界は例外とする」と言ったように、特定の業界や特定の層をう優遇する措置が取られる(p26)

・財政再建を達成する代表的な方法は「歳出カット」「経済成長」「増税」の3つ、過去の予算査定において間違いがないことになっているので歳出に無駄があるとは断じて認めず、歳出カットはできない、経済成長は論外である、それで財政再建され

・日本のバランスシートはどうなるか、一言で言えば「借金は世界一、しかし資産も世界一の国」である。差引702兆円が日本の借金(負債1442、資産740)となり、先進国としてはそこまで高い値でない(p37)資産のうち222兆円はすぐに現金化できる(p36)政府と中央銀行のバランスシートを合体させた「パブリックセクターバランスシート」では、資産が負債を上まっている(67兆円、資産1613、負債1546)(p41)2018年頃からはIMFも世界何十か国でパブリックセクターバランスシートを出し始めた(p63)

・本当に財政破綻す流と思うなら「CDS=クレジット・デフォルト・スワップ」を買えばよい、契約期間内に債券の発行体が倒産しなければ払った保険料が損、倒産すれば保証されたお金が戻ってくる(p49)財政リスクが高いのに、低金利の国債を買うというのは、お金が返ってこなくてもいいから日本にお金をあげようという、お人好しが多いことになる(p52)

・オークンの法則とは、経済成長率(GDP成長率)が上がると失業率は下がるというもの(p62、73)てしまったら、自分たちの権益が広がらない(p32)

・実質賃金は当分上がらない理由は、厚労省が使っているデータ(消費者物価指数)には帰属家賃(持ち家の人も家賃を払って賃貸に住んでいると仮定する)が除かれている、1970年くらいに国際的にそうしようと言った話になったにも関わらず、厚労省は変えていない。実質賃金を計算するときに帰属家賃を除いた消費者物価で計算するので、帰属家賃と入れた普通の消費者物価指数と除いた場合で差が出てしまう、家賃はあまり上がらないから。名目賃金の上昇率が2.5%の時は、インフレ率を引くと、ほぼゼロになってしまう。他の国は帰属家賃を含めた消費者物価で実質化している(p82)

・インフレ目標2%というのは、失業者を極限まで減らすという国の責任を果たすための目標値である、それ以上に物価上昇チル(インフレ率)を上げても失業率は変わらない(p94)

・GDPギャップ(実質GDPから潜在GDPを引いた値を潜在GDPで割った値)が重要、GDPギャップが大きくなると、失業率が下がり物価は上がる、逆も真なり、実質GDPが大きいときにGDPギャップの値は大きくなり、実質GDPが小さいときにはGDPギャップが小さくなる(p101)

・モノやサービスは、需要と供給のバランスが移ろいやすく、価格も動きやすい、さらに動きやすいのは、経済政策や供給に敏感に反応する株価や為替である。何かあるとすぐ反応するのは、株価や為替であり、その後にGDPや物価、賃金が動く(p148)

・政府の目標に従って日銀が行う金融政策(経済政策=超短期金利(政策金利)を動かすことで、派生的・間接的に長期金利も動かす、p165)に対して、政府が自ら行う経済政策は「財政政策」と言われる。財政政策とは、政府が歳出・歳入を調整することで、経済に影響を及ぼそうとするもので、歳出とは公共投資、歳入とは税金である(p158)

・名目金利はゼロ以下にできなくても、量的緩和によって、日銀が提供するお金の総額を増やし、予想インフレ率を高くすることは可能である(p177)日銀当座預金を増やすことで「これからインフレになるという期待を世の中に作り出し、結果、実質金利を引き下げる政策である(p176)

・下手に利上げすると、見通しの失業率より数字が高くなってしまう、私(筆者)の見通しでは、2025年度の失業率は2.5-2.6%まで上がる、つまり失業率が上がってしまうのがバレるから、わざと日本はそれに触れない、世界の中央銀行はみんな書くのに、わざと描かない。FRBは、日本とインフレ率は同じような数字だが、利下げすると言っている(真逆)ここで引き締めると失業率が上がってしまうため「利下げすることで、失業率を上らせませんよ」と言っている、日本は失業率には触れず、財務省や日銀の天下り先である金融機関のこと(利上げすると銀行自体の景気はよくなる)を考えている(p186)

・GDP=消費+投資+輸出−輸入(p194)GDPを増やすには財政出動(公共投資)と金融緩和の合わせ技は有効というのは、すべての国当てはまるわけではない、変動相場制のものではという条件付き、固定相場制では、財政政策だけでGDPを増やすことができる(p203)財政出動は、変動相場制では、金利の上昇を招いて投資減、輸出減少につながるから、金融政策で金利上昇を抑えなければ効かない、金利変動が起きない固定相場制では財政出動だけで効果がある(p205)

・日銀が国債を買うと「円安」になる);238)円高になる=円が買われ流とは、ドルを円に変換して、円建ての資産を買っている、そのほとんどが国債である、米国債を売って日本国債を買うことを「ドルを売って円を買う」という(p242)量的緩和をすれば円が増える、ドルに対して円が多くなるのだから、円の価値が下がり円安となる(p241)

・為替は日本とアメリカの通貨の交換比率であり、それがそのくらいに落ち着くかは、2つの通貨の量の比にしかならない、それを計算すると、だいたい110-120円くらいが理論値となる(p255)

・経営難に陥った会社の本当の問題は、「莫大な借金があること」ではなく、「借金を返せるだけrの資産がなかったこと」である(p271)

・自分(Aさん)が持っている⭕️社の株と△社の社債を交換したいと思っても「不要です」と言われたら交換できないが、株と国債なら簡単にできる、Aさんは株と国債を交換し、その国債を欲しかった△社の社債と考案する、金融市場における国債は「お金」に当たる。国債がなくなったら社債や株取引が激減する(p274)

・国債の支払い義務がない、のではなく「政府から日銀へは国債の利子が払われるが、それは納付金として戻ってくるから、財政上の負担にならない」ということである(p251)

2025年1月8日読破
2025年1月9日作成

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2025年01月09日

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