あらすじ
キャットは高級レストランで子爵にプロポーズされ感動に震えた。不幸な境遇に生まれ、モデルになったものの、五年前に大富豪アンゲロスの誘いを断ったせいで人生を破滅させられた。どん底から再度這い上がり、今はシーアと名前も変え、人並みの生活を手に入れたばかりかこうして幸せもつかんだのだ。ところが、ちょうどそこに入ってきた男性を見て全身が凍りついた。アンゲロス! あれ以来、一日たりとも彼を恨まない日はなかった。なのにまた私の前に現れるなんて、どういうつもりだろう。口もきけないキャットの前に彼は名刺を置き、電話するよう言って去る。キャットの地獄の苦しみが再び始まろうとしていた。■本当は互いに惹かれながらも、重なる誤解のせいで憎み合うことしかできないアンゲロスとキャット。この恋のゆくえは? 人気作家が描くせつないラブストーリーをご堪能ください。
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Posted by ブクログ
再読。必死に這い上がろうとするヒロインに涙しちゃう。
元彼に求めたものが家族や先祖だったと言ったときのヒロインが切なかった。ヒーローに“あなたがシーアを破滅させたら今度は別の誰かになる。どんなことにも耐えて生き延びるわ。あなたを乗り越えて…”と言ったとき、いつも前を向いて生きていこうとするヒロインに強さを感じました。
ヒロインに対してここまでの仕打ちをするヒーローは珍しかったので、傲慢過ぎた分、天誅が降れば良いと心の底から思いました。
目の前でヒロインが落ちていったときがヒーローにとって一番の罰になったのかな…。
Posted by ブクログ
たまにヒロインがどん底に不幸になって読んでてキリキリくる話が読みたくなるので、今回はこちらを。
冷酷なだけじゃなく執念深くかつ自分勝手なヒーローに振り回され、一度は破滅したヒロイン。名前を変えて幸せをつかもうとした直前でヒーローと偶然再会。自分を正当化しながらヒロインを脅し、ヒロインを連れまわすヒーロー(と呼ぶのもいまいましい)。
ネタバレ感想で逆転シーンがあるのは知ってたのでわくわくしながら読んでたけど、もっと徹底的にせせら笑ってとかでヒーローをざっくり傷つけた方がよかったと思う。
ヒーロー謝罪ターンでも「君を傷つけてしまったと思うと耐えられない」とか「許しは求めない」とか言った舌の根も乾かないうちに「生きている限り許しを請い続ける」とか、結局自分が一番大切なんだろうよ、と思ってしまいましたですよ。
ここまでどん底ヒロインの場合、ヒーロー以外の男性と幸せになるストーリーだとなお一層気分よく読み終えることができると思うんだけど、それじゃロマンス小説にならないんだよなぁ(心から残念)