【感想・ネタバレ】十一郎会事件 梅崎春生ミステリ短篇集のレビュー

あらすじ

「あんたには奇妙な味があるよ。」――江戸川乱歩

敗戦直後、「桜島」を始めとする兵隊小説で戦後派を代表する作家となった梅崎春生は、幼少期から探偵小説に耽溺し、実作も手がけた。
複数のアンソロジーに採用された、梅崎ミステリを代表するユーモアタッチの表題作。
元特攻兵の主題をハードボイルド的手法で描く「小さな町にて」。
戦後文学史上の奇書『柾它希(まさたけ)家の人々』の著者・根本茂男にまつわる実録「不思議な男」。
ほか、全集未収録作品を多数含む、さまざまな技巧を凝らしたミステリ短篇を初めて一冊にセレクトした文庫オリジナル。
〈解説〉池上冬樹

【目次】

失われた男
小さな町にて

犯人
カタツムリ
師匠


春日尾行
十一郎会事件
尾行者
不思議な男
留守番綺談


鏡――「破片」より
侵入者
百円紙幣

(コラムより)
恐ろしさ身の毛もよだち……
推理小説
『樽』――推理小説ベスト・ワン
好きな推理小説

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Posted by ブクログ

どの話もとても面白い。

梅崎春生は1915年生まれだから、小説の時代は古い。でも、今読んでも面白い。
戦争ものも、戦後のものも、どちらも良い。
語る口調が良いし、ストーリーも良い。

親交の深かった福永武彦は梅崎春生の文学の本質は「風俗的ニヒリズム」であり、「ニヒリズム的風俗を描くのではなく、現代風俗の中に、より観念的に昇華されたニヒリズムを探求しようとする」精神があると言っている。とてもよく分かる。

短編集で読みやすいし、おすすめ。

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2025年01月03日

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