あらすじ
八王子の郊外に住む作家のぼくのもとへ、大学時代の友人が相談にやってきた。謎めいた文言の並ぶ書き置きを遺して、奥さんが家出したという。自慢の手料理を供しながら友人の話を聞いていたぼくの妻は、たちまち奥さんの所在を突き止めてしまった。さらに、高校時代の友人で刑事をしている河田の自慢話を聞いているうちに、女社長殺しの捜査のミスを見つけたばかりか、事件の真相をも言い当ててしまう……。ひょっとしてぼくの妻は、料理の腕前ばかりでなく、推理能力にも長けているのだろうか?! 直木賞作家が安楽椅子探偵ものの歴史に新しい一ページを切り拓いたシリーズ第一弾!/【目次】ミミズクとオリーブ/紅い珊瑚の耳飾り/おとといのおとふ/梅見月/姫鏡台/寿留女/ずずばな/*本電子書籍は『ミミズクとオリーブ』(創元推理文庫 新装版 2025年1月30日初版発行)を底本としています。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
文庫は2000年初版の新装版のようですが、昭和の話を読んでいるようでした。作者が年配だからでしょうか。夫と友人が勝手に宅飲みしてる横で妻がせっせと料理を作って提供する、というのが今の感覚とは合わないです。普段そういうのは気にならないのだけど、この小説に限ってはなんか鼻につく気がしました。あと、警察官も個人にベラベラ事件の内容を話しちゃうのもなんか気になって。昭和っぽい装丁だったら気にならなかったのかなあ。なんででしょう。
Posted by ブクログ
妻が探してきた八王子のはずれの借家には、ブナの大木とオリーブの木、そのオリーブの木には、ミミズクが飛んで来る。
そんな都会から離れた所に住む作家の「ぼく」の所に、旧友からトラブルや事件の相談にやって来る。それは、「ぼく」の妻を頼りにして相談に来ているのだ。「ぼく」の妻は、料理の上手い安楽椅子探偵だ。
しかし、「ぼく」の生活力のなさは結構ひどい。
Posted by ブクログ
【2025年7冊目】
作家の僕は妻と二人暮らし。料理と裁縫な得意の彼女とのんびりとした過ごすのんびりとした日々。だが妻は事件の状況を聞いただけで真相を言い当ててしまう、安楽椅子探偵ならぬ在宅名探偵だった――!
久々の読書でしたので、読みやすい文体で助かりました。心がくさくさしている時に読むのもおすすめです。ミステリーものの短編集なので事件も次々と起こるわけですが、血なまぐさいわけでもなく、どこか人の感情が色濃く絡んだ事件を、妻である彼女が次々と解決していきます。
主人公の僕は、多少空気が読めなかったり、話の腰を折ったりする人物なので、実在したら多分仲良くなれないタイプだろうな〜と思ったりもするわけですが、話のテンポは良いので、さくさく読むこともできます。
奥さんができた人なのは、親御さんの教育の賜物なのかなんなのか。
優しく綺麗なミステリーを読みたい方におすすめの一冊です。