【感想・ネタバレ】悪役令嬢エリザベスの幸せのレビュー

あらすじ

婚約者の王太子から、“真実の愛”のお相手・男爵令嬢へのイジメ行為を追及され――
始まりはよくあるテンプレ。
特別バージョンの王妃教育で鍛えられ、悪役を演じさせられていたエリザベスは、故国から“移動”した隣国の新天地で、極力自由に恋愛抜きで生きていこうと決意する。
ところが、偶然の出会いを繰り返す相手が現れ――

幸せな領地生活を送りたいエリザベスは、いろいろ巻き込まれ、時には突っ込みつつも、前を向き一歩一歩進んでいく。最終目標、『社交界の“珍獣”化』は、いつ達成されるのか。

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匿名

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 Web既読です。巻数表示はありませんが続刊の予定あり(あとがきより)です。
 本書紹介文の通り主人公公爵令嬢エリザベスの才媛を味わう話なのですが、初っ端のテンプレでは、エリザベスの婚約者でこの王国王太子アルトゥールがどれだけバカか、その母王妃の狂気もさることながら、その狂気にエリザベスが翻弄されどれだけ理不尽な王太子妃教育を施されたか、特別ss「私だけの秘密」に描かれています。エリザベスはSOSを言えない少女でしたし、そのまま利他の気持ちが強すぎる女性になりました。
 このエリザベスには、天才と言われ容姿も端麗で周囲を虜にしていた母アンシェラがいました。この王妃はアンシェラが亡き後も彼女に心酔し、ことある事に母アンシェラを引き合いに出してはエリザベスに努力を強いて自分自身は高みの見物宜しく、アンシェラに成るようにエリザベスを教育しているアタオカ王妃です。それが特別ssで見事に描かれています。
 そんな王国に見切りをつけ、亡き母アンシェラの祖国、帝国へとエリザベスは渡ります。そこで母が継いでいた爵位と領地を継ぎ、エリザベスは領地と結婚する勢いだったのですが… 天の采配か、帝国で心身ともに消耗し不遜な態度をとる帝国第3皇子ルイスとエリザベスとの運命の邂逅が何回かあり、ルイスはエリザベスに徐々に惹かれ、頑張ってエリザベスを口説き婚約を結んだところで次巻へ、です。
 エリザベスの父はアタオカ王妃のいる王国の宰相をしていますが、王太子アルトゥールをバカと心で言うのは、実はエリザベス父レオポルドのみ笑。娘を持つ父としても宰相としても、バカとアタオカ王妃の元には愛娘を嫁がせたく無かったので、喜んで帝国にあるアンシェラの実家公爵家にエリザベスを送りました。そこでアンシェラが何故、王国の宰相であるレオポルドと国際結婚することになったのか、帝国のアタオカモブどものことを知って行きます。
 1巻でのアタオカ大将は王国お花畑脳王妃ですが、しかし帝国には別種の恐怖アタオカがいました。1巻でその片鱗を見せましたが、恐らく2巻ではもう時限爆弾とか地雷レベル、恐怖アタオカのターゲットのルイスが何度もヒヤリハットするものとWeb連載から推測します。そしてここが、この作品の一番面白いところですし、主人公はエリザベスですが、群像劇のように語られる事も増え、物語の面白さに拍車がかかります。
 次巻はよ、と望みます。

4
2024年12月08日

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