【感想・ネタバレ】死刑絶対肯定論―無期懲役囚の主張―のレビュー

あらすじ

哀しい事実だが、犯罪者のほとんどは反省しない。監獄法の改正後、「自由」になった刑務所では、今日も受刑者たちの笑い声が響いている。裁判では頭を垂れるも内輪では「次は捕まらないよ」とうそぶく彼らを前に、何をすれば良いのか。犯罪者を熟知する著者は、彼ら自身を「死」と向き合わせるために「執行猶予付き死刑」を導入せよ、と説く。現役の無期懲役囚が塀の内側から放つ、圧倒的にリアルな量刑論。

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Posted by ブクログ

筆者の主張は以下の通り。 長期で服役している囚人たちは全然反省していない 死刑廃止を唱える人の中には被害者側の視点が欠けている 将来の更正を見込んで形を減軽したり情状酌量をつける場合があるが、更正するかどうかは未知数のものでありそれを見込んで量刑を決めるのは間違っていると主張している。犯した犯罪罪の重さに対して刑罰の重さを決めるべきだ。執行猶予付きの死刑の導入を提言していた。つまり服役中に本当に反省が見られるのであれば死刑は回避し更正をする気がないのであれば死刑に処すると言う考え方である。

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2023年02月28日

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無期囚が書いてありないようがかなりリアル。
で、結局タイトル通り日本人には、死刑制度が必要だと再認識します。
確かに、被害者の命が軽過ぎます

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2019年06月12日

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【2015年4冊目】
とても良かったです!著者はとてもキレる人です。教養の深さや論理性は読めば分かります。
なぜこんな人が2件も殺人を犯した無期囚なのか…この人の能力があれば、社会で何だってできたろうに…。
残念でなりません。

私個人としては死刑制度には賛成です。この本に出てきた反対派、賛成派それぞれの論拠も概ね把握していました。
だけど、ここまで論理の整った賛成論は見たことがなかったこと、美達大和という人について読み進める程にどんどん興味が湧いてきたこと…などからありきたりなテーマではありますが★5つの評価にしました。

興味がある方は是非!

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2015年01月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

文章は非常に論理的かつ説得力がある。主張に賛同できるかどうかは別として、少なくとも事実認識を正しくするうえで、読む価値があると思う。
事実認識という点で、無期懲役囚が仮出所になるのに現在では平均で30年前後になっているということ。これは私自身誤認していたし、多くの人が誤認しているのではないかと思う。
死刑肯定論に賛同できるかどうかは、死刑にならないと死とは何かということに加害者が向き合えない、という論理に賛同できるかどうかにかかっている。本書に書かれている内容が事実なのかどうかを検証するのが難しいため、私自身は結論が出せないでいる。

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2013年08月10日

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2件の事件で2人を殺害した無期懲役囚の筆者。ここでは冤罪があるから死刑廃止という議論はやめておく。大事なのは被害者の生命権。加害者の人権や、死刑囚にも人権があるというわりには、被害者の人権(生命権)と遺族の人権への配慮が欠けていると思われる死刑廃止論者。例えば、生きたままドラム缶に入れ灯油をかけて焼き殺した加害者が生きている事自体公平のなのか?何の過失もない人を1人、2人、3人・・・と冷酷に殺す加害者に死刑以外の刑罰が考えられるのか?殺害方法・動機によっては、法の正義を満たす為に、遺族の意志に拘らず、見合った刑罰を科さなければならない、それが死刑ではないか?
終身刑の話がでて来るが、社会に出る可能性が無い終身刑の受刑者は自暴自棄になるのは必至。どれだけ罪を重ねても死刑にはならないと言う事は、受刑者にとってやりたいようにやれ、と言っているのと同じ。それに職員に危害を加えるリスクも高い。

欧米では主流だからというが、そもそも宗教を背景とした死生観が違う。終身刑=思考停止、ただでさえ反省しない受刑者が己の罪に向き合って改善を促すことはないだろう。人権人権と叫ぶ人は社会復帰の希望のないまま長い間生きるということがどういう事なのか分かってるのだろうか?

非常にリアルな話で納得させられる内容。ただ、かなりの読書家と言う筆者だが、語彙も豊富で文章も上手い。本当に無期懲役囚なんだろうかと疑問・・・・

因みによく裁判で出る『つい、カッとなって・・・殺す気ではなくて・・・』という台詞。これは嘘だと。最初の一撃で殺意はなかっとしても、その一撃だけで死亡する被害者はほとんどいない。何回も何十回も殴打や暴行を繰返しての結果。途中から明確な殺意、あるいは殺すかもしれないという未必の故意はある。

これは俺もそうだろうと思ってたw

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2013年07月09日

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現役の無期懲役囚(殺人犯)が刑務所の暮らしと受刑者の実態をリアルに綴った本です。日本の刑務所が更正施設としても懲罰施設としても破綻しているということがよくわかります。途中、刑務所の制度や更正プログラムについて提言している章は、机上の空論的な話でやや退屈な感じですが、それ以外の受刑者の話と、最終章の「無期懲役囚から裁判員への実践的アドバイス」は、裁判員制度がスタートし、死刑廃止議論も高まる中で非常に参考になるのでオススメです。同じ著者の書いた「人を殺すとはどういうことか」も読んでみたくなりました。

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2011年03月05日

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無期懲役囚の著者が刑務所にいる犯罪者の考察と
死刑制度の必要性を訴えている本。
長期刑を言い渡された殺人犯や強姦犯や強盗犯の反省のしなささに怒りを覚えたり、
初めて知る刑務所内の制度(?)に驚いたり、
死刑制度の必要性を論理的に考え直したりと
新書なのに大変ボリュームがある一冊だった。
死刑廃止派にはぜひ読んでもらいたい。

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2010年10月28日

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死刑の是非について、多くの言論人による論議がなされている。そして、ついに登場した発言者が死刑を求刑され、現無期懲役囚。

監獄で暮らす著者の日常では当然、多くの殺人経験者と接する。そこから得た結論は、殺人者は懲役刑では反省しないし、被害者や遺族に同情することもない。彼らが考えていることは懲役を早く終わらせて、出獄すること。ただ、それだけ。

よって、死刑は絶対に必要。死刑でしか、殺人者の心を被害者に向けさせることができない。

単純だが、実に説得力がある。

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2010年12月26日

Posted by ブクログ

受刑者視点の刑務所の様子が細かく描写されていた。それによると大半のLB級受刑者は裁判で見せている反省の念は見せかけに過ぎず、刑務所内では自分のした凶行に対して反省することも更生して罪を償おうとする気もないことを知り、大変腹立たしい。被害者及び被害者遺族の気持ちを考えるとそんな受刑者達を活かしていること自体に疑問が湧いてくる。やはり「施されたら施しがえす、恩返し」「やられたらやり返す、倍返し」ならぬ「殺されたら殺し返す」精神が必要だと思う。
さらに本書では受刑者の社会復帰に対する具体的な対策が述べられていた。これには私も一理あると思っていて、30年近い懲役を経て、元通り社会復帰できるかというとそれは難しく、ただでさえ自分の罪に対して反省していない受刑者はまた犯罪を犯してしまう可能性がある。社会の第一目標は犯罪者を裁いて、応報させることではなく、犯罪自体をなくすことだと考える。だからこれでは本末転倒だ。よって著者が提示する社会復帰策を実行して、再犯を減らしていくべきだと思う。

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2025年04月05日

Posted by ブクログ

殺人者であり無期懲役囚である美逹大和の書いた本。叱る依存、反省すると犯罪者になります、からの流れで読んでみた。まずこんな知性が2人も人を殺して収監されてるって事に驚く。内容としては無期懲役囚でありながら卓越した観察力と周囲への興味を持つ美逹でしか書けないLB級刑務所の様子を反映したとても貴重な内容になっていると思う。タイトルから想像されるような過激な内容ではなく、前述した2冊とは対立する内容かと思って読んでみたけど必ずしも両者は矛盾すると思えなかった。反省すると〜を読んだ時に大事なのはどの視点か、と言うようなことを考えたが、美逹が言うのは被害者にとってそれがどんな意味があるのか、であるところに通じるものを感じた。彼が言う反省と言うのは反省文などを超えたはるか先にある本当の悔悛であり、そこに到達する以外に加害者にできる事はないと言うのは確かだとも思った。罪とは、処罰とは、応報とは、色々なことを考えさせられた一冊。もし裁判員に選ばれるようなことがあればもう一度読みたい。個人的には死刑は残すべきだと思う。死刑が残酷だから終身刑にしようと言うのは思考停止かつ更に残酷であると言うのはよく伝わった。叱る依存などで語られた処罰による充足と美逹の語る社会としての死刑の必要性は別の次元での議論であり矛盾しないと思った。

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2025年01月21日

Posted by ブクログ

犯罪者は寒く暗く侘しい刑務所の中で、自らの犯した罪を省みて悔い改め改悛し、真人間になって社会復帰する……なんてことがもしかしたら幻想⁈妄想⁈にしか過ぎないのかもしれない。

衣食住に困ることなく、当たり前だけれど逮捕されることに怯えることもなく、テレビや読書といった娯楽にもあまり不自由しない、という、犯罪者として「シャバ」で怯えながら暮らすよりもはるかに安定した日々を過ごしている。

著書によればそんな環境の中で心から反省する者は1〜2%に過ぎないという。

それは極論だ、という人もいるだろう。でも、哲学者の言葉や理論を引きながら語るのもまた反対の極論に過ぎない。

ただ共感しやすいかし辛いか、の体感の問題だ。

この本には、犯罪者つまりは刑罰を受ける側の人間にしか知り得ない感じ得ない「実感」がある。

学問にはない生々しさとある種の真実に触れ、死刑と刑罰について新たな視点を得ることができた。

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2014年12月20日

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2件の殺人事件で無期懲役となり服役中である著者が、悪質・長期受刑者の収容される刑務所で過ごしながら記した死刑肯定論。
「ほとんどの殺人犯は反省しない」「悪党の楽園化している刑務所」「終身刑の欠陥」という話には、さすが現役の無期懲役囚だと思わず感心した。
被疑者・受刑者の人権ばかりがクローズアップされ、被害者・被害者家族の人権がとかく疎かになりがちな日本の司法制度にあって、死刑反対論に対する痛烈な批判(と皮肉)であると思う。自称人権派の人たちには是非一読をお勧めしたい。
久々に読む価値のある新書本であったと評価したい。

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2013年01月25日

Posted by ブクログ

無期懲役と宣告された方が執筆なさった本。
他の本で囚人は十分な情操教育を受けていないことを知っていたが、ここまで酷いとは思わなかった。
気がかりな点として、「9割」「1%」といった数値が一体どこから、どうやって算出されたのかよく分からない下りがいくつか見られたことでしょうか。

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2012年10月24日

Posted by ブクログ

 殺人を犯し,無期懲役で服役中の著者による死刑肯定論。長期刑務所の服役者たちがいかに自分の犯した罪と向き合わず,深く考えることもせず日々を過ごしているか。そのことを踏まえ,死刑はもっと活用されるべきという自説を開陳する。著者自身はすごく頭が良い。一生仮出獄するつもりはないそうだ。

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2012年03月14日

Posted by ブクログ

犯罪を犯した者の心理や、刑務所での服役囚の実態などは非常に興味深く、一読に値する本だと思います。筆者の博覧強記で哲学的な筆さばきには「こいつは何者なんだ!?」と驚くばかりです。

殆どの服役囚は改悛も反省もしない。死刑でしか償えない罪があるという筆者の主張は確かに一定の説得力があります。ただ死刑存置論の一番の急所である「冤罪問題」に対する彼の言及は非常に弱いと感じました。

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2012年02月04日

Posted by ブクログ

服役中の無期懲役囚であるという著者が、長期受刑者の現状から刑罰のあり方について考察している。

著者の主張は、長期服役囚はほぼ反省・更生とは無縁の日々を過ごしており、現状の刑は十分とはいえないという問題提起に始まる。社会復帰をさせるのであれば十分な教育制度と環境を整える必要がある一方で、長期服役囚の多くはそのパーソナリティにそもそもの問題がある点を指摘する。さらに罪刑均衡の原則に照らせば、殺人を犯した者が殺されることなく生き永らえていること自体がバランスを欠いており、被害者の命・生存権を軽視し、被害者家族等の関係者の心情を無視したものであると断じている。

私は、この主張に大いに納得できる。よほどの事情がない限り、殺人犯はその命をもって罪を償う他ないと考えている。でなければ世の秩序は保たれないのではないか。また、著者もたびたび触れているが、自己の欲求のために人の命を奪うような人間を永久に隔離する、特別予防としての死刑の必要性はあると思っている。ただ、執行猶予つき死刑という案については、自己愛が強い殺人者にとっては逃げ道を用意するだけのような気がする。

さて、本書を読み進めるうちに気になったのは、「著者は本当に服役中の人物なのだろうか?」ということである。というのも、あまりに塀の中の描写が客観的なのだ。完全に自分だけが別次元にあって、他の受刑者を傍観しながら考察しているように感じて仕方がない。外の世界とは相当に断絶された社会にあって、さらにここまで身を離して考えることができるものなのだろうか? 私としては、著者は刑務官などの職員なのではないかと疑っているくらいである。さすがに罪になるのでこの線はないと思うが・・・。

また、出版社がつけたのであろう本書の刺激的なタイトルは、やや強すぎるきらいがある。著者は死刑賛成論をぶちまけたいという意図を中心にして本書を著したのではなく、罪と刑罰のバランスが悪いことと、受刑者を社会復帰させるためのシステムの不備を説いているのだ。その一環として死刑について論じているのである。このタイトルとのミスマッチはいただけない。商業主義的になりすぎるのは考え物だと思う。

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2011年12月19日

Posted by ブクログ

実際の無期懲役囚による著書。
筆者は二人を殺し、現在服役中である。
犯罪者の心理を鮮やかに描き出す。この本はすごい。

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2011年11月07日

Posted by ブクログ

学校では、犯罪者も一人の人間であり、「公共の福祉」の限定の下ではあっても、人権が最大限保障されなければならないと教えられます。
学習の中で陥りやすい人権偏重的な思考を正してくれる一冊でした

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2011年10月15日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
哀しい事実だが、犯罪者のほとんどは反省しない。
監獄法の改正後、「自由」になった刑務所では、今日も受刑者たちの笑い声が響いている。
裁判では頭を垂れるも内輪では「次は捕まらないよ」とうそぶく彼らを前に、何をすれば良いのか。
犯罪者を熟知する著者は、彼ら自身を「死」と向き合わせるために「執行猶予付き死刑」を導入せよ、と説く。
現役の無期懲役囚が塀の内側から放つ、圧倒的にリアルな量刑論。

[ 目次 ]
第1章 ほとんどの殺人犯は反省しない
第2章 「悪党の楽園」と化した刑務所
第3章 殺人罪の「厳罰化」は正しい
第4章 不定期刑および執行猶予付き死刑を導入せよ
第5章 無期懲役囚の真実
第6章 終身刑の致命的欠陥
第7章 死刑は「人間的な刑罰」である
第8章 無期徴役囚から裁判員への実践的アドバイス

[ POP ]


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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年05月23日

Posted by ブクログ

無期懲役囚は反省しない.早くシャバに出ることしか考えていない.
→現状被害者側の人権があまりに軽い.

囚人が自分の罪について考えられる・考えざるをえない収監方法を考案・実践していくべきである.

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2011年05月10日

Posted by ブクログ

無期懲役囚の視点から死刑の意義を問う本。

世界各国で死刑廃止が浮上している現在、死刑制度は日本国内でも議論の的となっている。
メディアを通して聞き及ぶ死刑制度廃止の議論は、囚人の人権を前面に出し、死刑=殺人というイメージを一方的に植えつけてきた様に思う。 著者のようなビブロフィリア(本の虫)の囚人による、刑務所に収監されている囚人の内情は今まで語られたことが無かった。

現在の懲役制度は教育刑という前提で作り上げられているが、果たしてそれが教育刑としての意味を成しているのかは、検証されていない。  
実際刑務所に収監されている犯罪者のほとんどは反省していないという。  裁判では頭を垂れ、反省のコメントを述べるが、刑務所の中ではそんなそぶりが無い。  その様な犯罪者に人生を奪われた被害者、ならびにその親族の無念さを天秤に計って、果たして死刑以外の判決は本当に妥当なのだろうかと思う。

服役を終えて一般社会に出ても、何らかの犯罪を犯して再び収監されるケースも多々あるという。  その様な犯罪者に対しても、重い刑罰が科せられない今の法制度は非常に疑問に感じる。 死刑という究極の刑罰を以て臨まないと、犯罪の抑止力にならないのではないかと思う。

著者は本書の中で死刑更正プログラムの充実や、執行猶予付き死刑など犯罪矯正の為の提案を数多くしている。  この様な現実に基づいた提案に国も耳を傾けるべきだと切に思う。

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2011年02月24日

Posted by ブクログ

著者が実際に服役中の囚人なので、信憑性があります。
「犯罪者のほとんどは反省などしない」
うーん、なんとなくそんな犯人も多いのかなと思ってたけど、ほとんどがそうと知って、なんだか恐怖を感じた。

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2010年12月05日

Posted by ブクログ

かなりショックな内容だった。
殺人犯は反省なんかしてない!?
でも、実際そうなんだろうなあ、と思わされる。
重罪の刑務所にいる著者にしか見られない実態が報告されているのは貴重だと思う。

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2010年09月24日

Posted by ブクログ

所謂、奇書と呼ぶべき本なのだろう。驚くべきことに、著者は殺人を犯した無期懲役囚で現在も服役中なのだから。

そういうわけで刑務所内で、死刑囚や凶悪犯たちと実際にあって話をしたりつぶさに観察したりしてまとめたものが本書だから説得力がある。

本書で繰り返し述べられていることが
・犯罪者の99%は犯した罪を全く反省していない
・刑期を終えて実社会に再び送り出しても犯罪を繰り返す可能性が高い
ということ。

それを踏まえた上で刑法上で量刑を鑑みるなら死刑は必要であるという持論を展開している。その他死刑反対論者や人権論者は割合理想主義的な思考法をするので被害者の側にたった視点、加害者にとって本当にメリットがあるかどうかといった現実的な考慮が欠けているといった鋭い指摘がある。

これを読んで思い出したのは例の千葉法務大臣。死刑反対論者を法相に据えるという鳩山内閣はどうよ(そして人事横滑りの菅内閣も)という点はともかく、選挙に負けて自身が落選したらある日いきなり執行するという(権力が持つ気持ち悪さそのものだが)オチまでついた。結局の所理想論を振りかざすだけで現実が見えていない、サヨクが権力握るとホントタチが悪いという印象を残した。本書でも触れられているように死刑を廃止にして終身刑のみにすると生ずる問題いくつもある。いたずらに死刑が悪ではなく、もう少し現実を考慮した(こればっかいってるけど現政権ピントが擦れすぎなので仕方ない)法案を通して欲しい。

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2010年09月12日

Posted by ブクログ

これは合わなかった。 『人を殺すとはどういうことか』の延長(というか重なる部分が多く更にあっさりとまとめられている感じ)で、提言を主とした内容。 読み物としては『人を殺すとは~』の方がおもしろい。 あーだこーだ言ったところで制度は変わらない気がするし、自分には関係ないと思ってしまう。 私には興味がないというのが正確な表現か。

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2017年12月08日

Posted by ブクログ

殆どの殺人犯は反省していない。被害者が悪い、自分は不運と思っている。刑務所は楽園、犯罪指数をあげて社会に戻っていく。無期刑は、更に反省しなくなる。

中の人だから書ける、犯罪者の本音と現実。

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2014年03月17日

Posted by ブクログ

美達大和(みたつやまと)
著者は2人の人間を殺めたことにより、無期懲役で刑務所服役中で、刑務所暮らし20年弱。

その著者が語るのは、普段知ることのできない”塀の中”の実態と死刑肯定について。そして、現状の更正システムをどのように改正させたらよいかについて提言をされている。

刑務所暮らしについては具体的なことはあまり書かれていないが、受刑者の実態・心情についてはしつこく書かれている。
加害者のほとんどは、反省をしていないということが何度も書かれている。(彼によると、反省しているのは1%程度だという。)
また、受刑者感覚としては10年20年の刑期は「あっという間」とのこと。
その中では反省よりも、むしろ慣れが生じるらしい。
出所しても、再犯を繰り返す人が多いとのことだ。

現行のシステムでは、懲役刑によって彼らを更正させることは無理であるように論じられている。
死刑を肯定する論拠としては薄いように感じた。
が、それは、著者の刑務所暮らしと、多くの加害者と接した肌感覚によるものであって、それはそれで貴重なものに感じた。

自分としては、死刑の是非について深く考えてきていなかったので、これが切っ掛けになればいいと思った。

毎月100冊あまりの本を読んでいる著者による解説は丁寧だが、やや反復が多くてたびれた。

著者は自身の犯行と囚人としての生活の手記を出されているらしいが、そちらの方がきになったので、機会があれば読んでみたい。

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【内容(「BOOK」データベースより)】
哀しい事実だが、犯罪者のほとんどは反省しない。監獄法の改正後、「自由」になった刑務所では、今日も受刑者たちの笑い声が響いている。裁判では頭を垂れるも内輪では「次は捕まらないよ」とうそぶく彼らを前に、何をすれば良いのか。犯罪者を熟知する著者は、彼ら自身を「死」と向き合わせるために「執行猶予付き死刑」を導入せよ、と説く。現役の無期懲役囚が塀の内側から放つ、圧倒的にリアルな量刑論。

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【目次】
はじめに
第一章 ほとんどの殺人犯は反省しない
普段は大人しそうな人が……/放火、強姦による殺人犯/計画的な強盗殺人犯は「極悪」/喧嘩による殺人/暴力団同士の殺人/気が小さくても人殺しになりうる/倫理も道徳もない連中/他者への共感意識が希薄

第二章 「悪党の楽園」と化した刑務所
イメージと大きく違った現実/新法の施行で待遇が一変/人権派が見落としていること/「経済」の観念が欠けている/受刑者にとって犯罪は「効率」がいい/人生の最期を考えさせる/職人の養成にはちょうど良い場所/報奨金をプールして出所後の生活をイメージさせる

第三章 殺人罪の「厳罰化」は正しい
一〇年一五年は「あっという間」/被害者の命が軽すぎる/加害者の更生より被害者の生命権を/罪が軽すぎる幼児虐待殺人/ヴェテラン受刑者にとっては「遊びに来ている」感覚/アメリカ・イギリスの量刑制度/実情にそぐわない『永山基準』/違和感の残る判決/死刑基準の再設定を/一度人を殺すと殺人の心理的抵抗が減る

第四章 不定期刑および執行猶予付き死刑を導入せよ
反省の度合いを徹底的に測る制度/まず自分自身と向き合わせる/長文のレポートを書かせる/「目標」を持たせる/被害者への賠償を法制化する/刑務所職員の絶対数が不足している

第五章 無期懲役囚の真実
平均服役期間は三〇年以上/「無事故」でいるのは難しい/無期囚同士の奇妙な連帯感/「反省」によって仮釈放に差を設けよ/将来の展望がない者がほとんど

第六章 終身刑の致命的欠陥
囚人を「効率的」に使った明治の日本/欧米の終身刑/終身刑の受刑者は反省しなくなる/刑務所の風紀が悪化する/終身刑は「思考停止」の産物

第七章 死刑は「人間的な刑罰」である
私が出会った二人の死刑囚/死刑囚との対話/死と向き合うことが改悛の情につながる/「世界の潮流だから」は理由にならない/犯罪抑止効果は条件によって変わる/冤罪の問題/「犯行の態様」を熟視せよ/遺族の苦しみは一生続く/粛々と執行せよ

第八章 無期懲役囚から裁判員への実践的アドバイス
「再開」した裁判員制度/「更生の可能性」は考慮しなくていい/被告人の表情を見逃すな/被告人は法廷でウソをつく/「裁判員のカタルシス」より「犯罪行為の責任」を/死刑の求刑を恐れない/裁判官個人の心情に流されない
おわりに
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2012年09月02日

Posted by ブクログ

前著の内容もかなり衝撃だったけど今回もたまらんね。

服役している犯罪者のほとんどが反省しないと繰り返し訴えるが、自身も長期刑受刑者という著者。加害者の更正より被害者の生命権を、という件は頷くことしきりだ。

著者も強く言っているように死刑制度なくして公正で安全な社会は保たれないと思う。執行猶予付き死刑はありだな。被告人は法廷で嘘をつくというならなおさらだ。

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2011年02月05日

Posted by ブクログ

人権インフレの中、更正できる可能性の有る囚人が全体の1〜2%しかいないという証言。塀の中の話を聞くと、彼らは動物そのものなんだという気がしてくる。◆◆終身刑=死刑ではないということ。死刑廃止による安全な社会を損ないかねる危険性を痛感。社会秩序の維持の重要性。

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2020年07月27日

Posted by ブクログ

読書家の著者らしく、豊富な語彙で刑務所内の受刑者を描写するが、要するに「ほぼ全ての犯罪者は反省・悔悟しないから、特別予防のために死刑は存置されるべき」との主張。 死刑制度最大の問題である誤判/冤罪の問題には、「絶対肯定」するだけの論拠は書かれていないように思われる。

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2010年09月26日

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