あらすじ
一九二一(大正十)年七月二十三日、上海の高級住宅に十三人の中国人青年が集まった。そこで行われた会合こそ、中国で「歴史的壮挙」とされる、中国共産党第一回全国代表大会である。欧米列強に蹂躙された国土を取り戻すために命を懸け、過酷な運命に翻弄された十三人。彼らの青春群像を丁寧にたどっていくと、従来、中国共産党が意図的に軽んじてきた、党創設にまつわる日本の影響が浮かび上がってくる。
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Posted by ブクログ
中国共産党の成り立ちについて、日本語で客観的に解説している基本図書。上海の第1回共産党大会博物館での見学時に並行して購読した。
1)共産党の成立、特に1910年代後半においては、日本の影響は非常に大きく受けている。このことを歴史上どう評価するかは日中関係とのパロメーターであると思っている。
2)共産党設立の経緯は、第一次世界大戦終了後のパリ講和会議でアジアの民族主義が否決されたこと、これにより孫文の三民主義への失望が生まれ、中国、ベトナムをはじめアジアは、共産主義の影響を受けることになった。(この意味で中国共産党は、あるいみ国民的革命政党と分析することができる)。無論、1917年のロシア革命も大きく影響する。また、共産党の成立には、ソ連からも大きな影響を受けている。