【感想・ネタバレ】マリアを運べのレビュー

あらすじ

17歳の運び屋の風子に、ある荷物を運んでほしいという依頼が持ち込まれた。一度走った道をすべて記憶している風子は、持ち前の運転技術を活かして長野県の諏訪を目指す。ヤクザや新興宗教、某国のスパイまでもが荷物を狙うなか、彼女は依頼を完遂できるのか。第14回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

運び屋の風子は17歳で“無免許”。彼女に持ち込まれた新たな依頼は、開発中に盗難された医薬品と研究データ、そしてそれを盗み出した研究者本人、志麻を、長野県諏訪まで翌朝5:00までに運ぶこと。3時間程度で終わる簡単な依頼のはずが、医薬品とデータを狙う暴力団や某国スパイが追撃し、警察が検問で風子の駆るスバル・フォレスターの行く手を阻む。風子はタイムリミットまでに依頼品と依頼人を運ぶことができるのか。第14回(2024年)アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。

依頼者とその品を、追撃や妨害を掻い潜ってタイムリミット前に無事届けられるか、というシンプルなストーリーが全編を貫く。その中で、暴力団や警察、さらに某国工作員までが執拗に追ってくる理由、依頼人が危険を冒してまで運ぼうとする医薬品の正体、そして依頼人の意図は……といった謎が徐々に明かされていく―というもの。
17歳で無免許ながら卓越したドライビングスキルと、一度走った道を映像的に記憶するという特殊能力を持つ主人公の風子をはじめ、護衛役の元自衛隊員の殺し屋仁、研究中の薬品を自ら盗み出した依頼人の志麻、ギャンブル好きな運び屋の社長、その他敵味方ともキャラとして魅力的な設定なのに人物描写や掘り下げが粗い―という評もあるようだが、余分な人間ドラマや個々人の心理描写を避けて「どう辿り着くのか」を描くことが前面に出ている分、疾走感とスリルに溢れるエンタメ作品として振り切れていたようにも思う。
医薬品=MARIAの正体は……荒唐無稽だが、万が一実現しても人類にとっていい結果にはならんだろう、な。

いわゆるハードボイルドものは普段ほぼ読みつけない自分だが、深夜プラス1、運び屋、車が活躍etc……といったキーワードが並ぶと手を出さないわけには行かなかったw
中央道や東名高速、各SAやPAなど普段自分がよく利用する道や場所が、風子が辿るルートとして描かれているのも個人的にとても楽しい。

ただ、今作では喫煙キャラがやられ役のヤクザだけってのが何とも寂しい。このご時勢、ハードボイルド作品でも煙草は必須の小道具ではなくなり、むしろ喫煙者=悪ってことなんですか、ねぇ。

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2025年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

運び屋が無免許の17歳少女という設定に必然とリアリティはあるのかな?話に入れるかな?と少々不安に思いながら読み始めたが、その不安は最初だけであとはスピードに乗せられ、一気に読んだ。
ただ、風子の生い立ちやバイオ技術の倫理や宗教や…そういった盛り込まれている1つずつが、薄い感じは否めず、スピードで強引に駆け抜けるタイプの小説、と思った。風子のキャラがもっと濃ければ、シリーズ物も可能な気もする。

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2025年01月20日

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