【感想・ネタバレ】バカで野蛮なアメリカ経済のレビュー

あらすじ

本書は、基軸通貨ドルの近未来と、それと不可分に進行してきたワンワールド主義の行く末について的確な知見を読者に提供するものだ。ドルやアメリカ経済、そしてワンワールド主義の行く末は、日本人に重大な影響を与える。個人も企業も日本という国家も、アメリカという巨大な帝国の変遷に影響を受けざるを得ない。そして、アメリカ経済が“野蛮”たるゆえんを読み解くには、ワンワールド主義についての理解が必要となってくるのだ。

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Posted by ブクログ

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おすすめ度:85点

題名はふざけているが、実はとてもまっとうな本。アメリカと世界情勢の現状をとてもわかり易く説明しており、納得のいく内容だ。
チェンジしたのは結局オバマだったと皮肉っており、彼に期待していた米国民は失望、あの大統領選挙の熱狂が今は冷めきってしまっている。
これまで推進されてきたワン・ワールド主義が、2008年のリーマン・ショック、そして2010年以来のユーロ・ショックによって挫折した。ユーロ圏やNAFTA、ASEANなどの地域主義統合が進むものの、それはワン・ワールド主義の前提ではなく、むしろ、ワン・ワールド主義に相反する方向であり、群雄割拠の時代、「不安定な多極化」時代である。
一方で、ワン・ワールド主義は、ITのヴァーチャル・ワールドで大発展を遂げている。フェイスブックなどのSNSによる「ワン・ワールド主義2.5」である。
「ビッグ・データ社会」の脅威、「ヴァーチャル・ローマ帝国」を目指すフェイスブック社についても触れられている。
それにしてもフェイスブック社が、ここまで、対ワシントン、対ウォール・ストリートと繋がっていることには驚いた。

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2013年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 タイトルの通り、一筋縄では行かないアメリカ経済。バイオテクノロジー、代替エネルギーなど次をにらんでいろいろ手を打っているが、決め手にかけるところがある。それどころか、アフガニスタンとイラク戦争で莫大な資金と人を投入したつけがいまだに響いている。

 だからといってもうアメリカはおしまいと思うのは早い。例えば、著者は、インターネットにおけるデータが威力を発揮する例として、あのSNSのフェイスブックを挙げている。何しろ、ただで利用できて世界中の人が使っているので、個人情報から写真などを惜しげもなく公開している方がたくさんいる。中には頭がもやもやしそうな写真まで公開している人もいる。企業の側としては、情報をただで提供してくれる良いお客(カモ)として活用することができて、フェイスブックの側としてもその人に合わせた広告を表示するなどして企業から収入を得られる。

 著者は、フェイスブックは多国籍企業による超情報管理社会ではないのかと指摘している。あまり必要以上に情報を載せない、おまけ(例えば占い)につられてむやみにいいねボタンを押さないなど自衛策をとることが重要になる。

 あのマーク・ザッカーバーグが高校時代に夢中になっていたのが、ラテン語や古代ギリシャ語の西洋古典とあり驚いた。その中でも、「アエネーイス」というラテン語の古典作家ウェルギリウスが書いた叙事詩が好きだったとある。この叙事詩を一言で言うと1つの統一されたローマ帝国ができるまでの道筋を描いている。ザッカーバーグの目ざすのは、著者曰く「ヴァーチャル・リアリティにおける現代のローマ帝国」。プライバシーのない透明な世界を夢見ているザッカーバーク。本人はいいのだろうが、必ずしも、100パーセント公開するのを望まない利用者にとっては、疑問符が出てくる。

 金融経済万能論に支配されるアメリカと著者が述べているように、金融機関に対するオバマ大統領、ブッシュ前大統領、クリントン元大統領の破格の待遇(金融危機に対しての税金注入という形での救済措置など)は目立つ。それに対して、保守層が中心となっているティーパーティ運動と、ウオール街を占拠せよ運動が金融街優遇に対して不満を示している。今年のアメリカ大統領選挙と議会選挙でどうなるのか。少なくとも大統領に関しては、民主共和どちらの候補が大統領になっても、金融業優遇は変わらないだろう。多額の献金とロビー活動で有無を言わさない体制をがっちりと固めているからなあ。シロアリが日本以上にうじゃうじゃいるのが目に浮かぶ。

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2012年08月21日

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