【感想・ネタバレ】東電OL殺人事件のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

被害者のWさんは幸せな家庭で育ち、慶応大学経済学部を卒業後、一流企業に総合職(エコノミスト)として勤めながらも、毎晩仕事帰りに渋谷に立ち寄り、4人もの客をとって売春をしていたという。週末も風俗店に勤務し、その後渋谷で呼び込みをしていたそうだ。
彼女は渋谷区円山町、井の頭線神泉駅から目と鼻の先にある、さびれた木造アパートで殺害され、10日後に発見された。隣に住む不法滞在のネパール人が逮捕され、一度は無罪判決が下されたものの、逆転有罪となり、無期懲役で服役している。この木造アパートは今でも存在し、住んでいる人もいて、ネットで写真が見られる。円山町にも興味を持ったので、行ってみたいと思った(明るい時間限定)。
筆者はネパールまで取材に赴き、本書で一貫して冤罪を主張している。ただし、フェアな視点で読んでも、誰が犯人かを特定するのは難しい。
また、被害者が売春をし続けた理由は、最愛の尊敬する父を失ったからという結論だったが、こじつけっぽいと感じた。尊敬する父を失ってしまう人はたくさんいるが、明らかに病んでいるとはいえ、こういう行為を10年も続ける原動力にはならないだろう。被害者が患っていた拒食症とは関連があると思われる。自分を痛めつけようとする部分があったのだろう。
最後の、裁判の場面には引き込まれた。弁護側の弁論には感動した。最初の無罪判決のところまで本書でカバーされているが、きわめて論理的であり、これがその後どう覆されようがあったのかと思う。
この事件を題材にした桐野夏生氏の「グロテスク」はぜひ読んでみたい。被害者のご冥福を祈り、合掌。

1
2014年09月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

途中ネパールに行く所は間延びした感じがするが、東電と円山町、電力利権と被害女性のつながりを読んだ時は、ぞっとした。
なぜ警察はネパール人G氏を犯人と決めつけたのか。単に検挙率を上げたいだけなのか、何かをかばっているのか。真犯人は誰なんでしょう?

0
2013年11月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトル通り平成9年に起きた、東電OL殺人事件を裁判の流れとともに追っていくノンフィクション。

まず、実名が多いことにびっくりした。

また、著者の取材のしつこさにも驚かされる。
事件現場の円山町はもちろんのこと、被告人の故郷スリランカへも足を運ぶ。事件とはまったく関係ないと思われる被害者の生家、事件が起こった円山町のルーツとなっている飛騨まで足を運び、被害者の堕落の道筋をたどっていく。

著者が若干その取材によっているところも否めず、何かにつけて関連があるように書いてあるのは気になるが、被害者があそこまで堕落することに至った心の闇を垣間見ることができる。

この事件自体はあまり記憶になかったが、考えさせられる一冊。

0
2013年04月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高学歴の女性が何故こんな事を?
と疑問に思っていたが、理由がなんとなく分かった。

桐野夏生のグロテスクを読んで興味を持った本だったが、被告人側からの取材が多く、冤罪の方が強いテーマだったので、私の望んでいる内容と少し違っていた。

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2020年06月05日

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