あらすじ
結婚三年目、突然の妻の死。娘と二人、僕は一歩ずつ、前に進む――娘・美紀の初登園から小学校卒業まで。「のこされた人たち」の日々のくらしと成長の物語。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
面白かった。
途中までは、言い方は悪いが淡々と読んでいたが、終盤に心を打たれた。
「悲しみを胸に抱いたまま生きていくのは、決して悲しいことではない。そのひとがいないという寂しさを感じる瞬間は、そのひとのいない寂しさすら忘れてしまった瞬間よりも、ほんとうは幸せなのかもしれない」
人生を考えさせられる一冊です。
Posted by ブクログ
すごく良かった。なんかもう、ずっと泣いてた。
なあ朋子、パパの抱っこはホネホネしてて痛いんだってさ
あんちたたちのママは、しんだらいなくなっちゃうの?
朋子が僕に残してくれた中で最も大切なものは悲しみだったのかもしれない
心揺さぶられる言葉やセリフがあちこちにあって、泣きすぎてひいひい言ってる私を、子供たちが不思議そうな顔で見ていた。
原先生の言葉の端々に引っかかってしまうところや、お母さんは家にいますと言った美紀の言葉を嘘と言われた時の感情の動き方がすごくリアルで、同じ立場ならきっと私もこう思うだろう、そしてそれを口には出せないだろう、と思った。
こういう話でありがちな、性描写や生理が来たときのエピソードなどがなく、作者が登場人物を尊重し、大切に思っているような気がして、そこも好きだった。
義父の「最初で最後の親父の説教」にも泣かされた。
みんなに愛されて優しい子に育った美紀は、おじいちゃんとの別れの悲しみを胸に、それを優しさに変えて一生懸命に生きてゆくのだろう。
この作品に出逢えて良かった。