あらすじ
20年で540兆円――日本人が「失われた20年」でパチンコに費やしたカネは、2011年度の国家予算(92兆円)の約6倍、名目GDP(479兆円)を凌駕する。問題はカネだけではない。多くの人々の労働・消費意欲を奪い、また精神疾患であるパチンコ依存症者の数は450万を超える。ものの30分で1万円以上を失うパチンコが、カネと人間性を奪ってきた。なぜ韓国にはできた「パチンコ全廃」が日本ではできないのか。依存症の実態とそれを誘発するメーカー、蜜に群がる利権政治家、警察、マスコミの現状を徹底糾弾。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
若宮健氏のъ(゚Д゚)グッジョブ!! 二冊目です。
なんか、たまたまこれを書いている隣の部屋からテレビの音が聴こえる。観ていないのでわからないが、急成長を続けるマニラのカジノを紹介しているようだ。
マニラはラスベガスを抜いて世界一のカジノになったそうだ。
税収の7割がカジノによるものであるとテレビは伝えている。
そのことも本書には記載されている。
本書のタイトルには「540兆円」という数字があるが、直近の数字では我が国日本のパチンコの総売上は年間20兆円規模。
世界一のカジノのマカオの「十倍」なのだ。それでも10兆円(!!)ほど減って業界も大変らしい。5兆円あったら大阪市の借金なくなるんですけど・・・。
基本的には前著「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」と重複する部分もあるのだが、2冊とも読んで全く差し支えはない。焼き直しのレヴェルではなく、切り口を変えてより厳しくまたショッキングに現状を伝えている。
これは東日本大震災がその間に起こったことと大きく関係をしている。
石原都知事は震災後、自動販売機とパチンコの無駄な電力消費について批判を行なってきた。
なぜか個人的には自動販売機の件に目が行ってしまい「そりゃ、的外れだろ」と思うにとどまってしまった。
しかし、改めて考えるにパチンコの明らかに過剰で下品なネオン・パチンコ台そのものの電力消費これは珍しく石原氏の意見に賛同する。
東北では義援金までがパチンコ屋に吸い上げられてしまっているという。
石原都知事は、少なくともパチンコ利権とは無縁らしい。しかしパチンコを断罪するのは結構だが、その一方で東京にカジノ誘致とはなんなのか。
これは当然大阪の橋下氏にも言いたい。
世界一の賭博場国(勿論、パチンコのことである)にさらに大規模な賭博場を設けてどうしようというのか。
国及び地方自治体の大借金をバクチで穴埋めするのが健全な方法なのか。
百歩譲って、国営賭博なので民間違法賭博であるパチンコよりもマシとは言えよう。富裕層のみをターゲットにし、外貨の獲得を主眼におくのであれば。アラブの王様に来てもらおう。
しかし、これだけは言いたい。
外国向けには目を瞑るとして、国内では「カジノ」という呼称をやめてほしい。格好良く言い換えないでほしい。常に公式・マスコミにおいては「賭博場」「博打場」などの呼称を徹底するべきだ。バクチはバクチなのだ。
ギャンブラーなどと言う必要はない。遊ぶ人は全員「博打打ち」だ。ルーレットもチンチロリンもやってることは一緒なんだから。
掛け金が高くても、ドレスコードがあってもバクチはバクチ。
本書の内容は実際に読んでいただきたいので、かなり脱線した持論となってしまいました。
パチンコに関しては、ぜひ全廃の方向で。しかし、昔のほんとの意味で遊べるパチンコは良かった。
全てがダメと言う気はない。
せめて電役(懐かしのゼロタイガー)あたりで止まっておけば、これほどの病んだ状態(主に依存症の引き起こす悲劇)にはならなかったのではないか。
政治家の利権問題、警察の天下り問題、三店方式の違法換金問題も残るのではあるが、全廃ではなく縮小が望ましいとも思う。その方がさらに難しいだろうか。
どうしようもないパチンコの片棒を担いでいる人気アニメや歌手。小遣い稼ぎで休日のゲストでホイホイ出かける芸NO人には猛省を促したい。
和田アキ子はもぉどうしようもないかもしれないが、いいかげんにしろよ郷ひろみ。お前パチンコやったことあるのか!?
憂国の士というのであれば、各右翼団体のお歴々。パチンコメーカーやホールに突撃したらどうですか?
Posted by ブクログ
私はパチンコを今までに2、3回しかやったことがないので、説得力はありませんが、
パチンコは、どうやら、健全な娯楽ではないみたいです。
なんで、こんなモノが野放しになっているかというと、この本を読めば直ぐにわかります。
それで、金銭的に特をする人間が多いからです。
しかし、パチンコにどっぷりな人は、決して金銭的に余裕がある人ではなさそうです。
なけなしの数万を使って、生活費を稼ぐモノもいる。これは、貧困ビジネスそのものではないでしょうか?
パチンコは中毒性がある娯楽、、、というか、ギャンブルです。いつの間にか、パチンコをしないと、
「どうしもない」自分になってしまう可能性があります。
日本社会を見ると、こういった、安易に手を出して、人生が崩壊するものが多いような気がします。
Posted by ブクログ
おもに、ギャンブル依存症の側からパチンコを批判する本です。
論理や情報に飛躍したようなところがないので、
適度な距離感を保ったまま落ち着いて読める本。
ただ、パチンコ依存症の人からのメールなどが載せられているのですが、
そういう具体的な体験談には、ぐっと気持ちが引き締まるような思いがします。
厚生労働省が2010年に発表したのが、
「ギャンブル依存症は国内に400万人以上」ということだそうです。
そのうち、7,8割がパチンコ依存症だと見られているらしい。
僕もパチンコが好きだったからわかるのですが、
いくらでもつぎ込みたくなるんですよね。
それで当たりが引ける場面もあるし、
やってみなければわからないぞ、と思ってしまう。
いろいろと、パターンはあると思います。
初めてやってみたらけっこう儲けて、
さらにやって儲けることもある。
それで、じゃ、お金もあることだし、
長丁場の勝負をしてみたいと思いだしたりもするんです。
いつもなら2時間くらいでやめていたものを、
5万円とか6万円とかを予算にして、4時間だとかやって使ってしまう。
そうやって、当たっても当たらなくても、
長丁場のパチンコ遊戯というものに慣れてしまうと
よくはないですよ。
遊戯をしたい気持ちが中毒的に作用してしまう。
成功体験っていうものが、害をなすことってありますけれど、
少なからずギャンブルにもあります。
「あのときうまくいったのだから、またうまくいくことだってあり得る」
そうやって、失敗を重ねていって、胴元(ギャンブル主催者)だけが、
儲けて大笑いするということって本当によくあることだと思います。
また、本書にはサブリミナル効果についての言及もありました。
これはちょっと驚いたけど、そうか、と納得したくなるものです。
昔、80年代か70年代かのころに、映画館で映画のなかにコーラの映像を
チラッと0.04秒だとか、人が認識できないくらいの短い間流したら、
それが人の潜在意識に作用して、映画の後にコーラが
飛ぶように売れたっていう話がありました。
この、チラッと映像を見せる手法がサブリミナルで、
95年にオウム真理教が、どういう手段でやったかわからないですが、
テレビの映像に教祖の麻原彰晃の顔をサブリミナルで流したことがあるそうで、
それ以降、テレビではサブリミナルは禁止されているとのこと。
それが、パチンコではとある会社が特許をとっていて、
どうもパチンコ台に使っているようだということです。
その理由は、確率の3倍だとかハマっていても、
サブリミナルによって「777」「大当たり」だとかの文字などを見せることにより、
客は飽きずに大当たりを期待し続けて、楽しく遊戯を続けられるから、
ということだそうです。
でも、それって、僕なんかに言わせれば、そして多くの人がそう考えると思いますが、
客からより多くのお金をむしり取るためのイカサマめいた装置なんじゃないかなぁ。
そういうトピックもありつつ、
後半は、パチンコ擁護ライターやマスコミへの批判などで締めくくられています。
僕はけっこう、パチンコなんかで儲けてしまったタイプで、
ようはその時期、金運が良かったとでもいえばいいのか、
それとも、これから搾り取られる前にうまく止めれたのか
(やることがあって、読書だとか好きなことがあると止めれるようです)、
とにかくいろいろモノを買えたし、恩恵に授かってしまったので、
そういう成功体験から、100%パチンコなどを批判することはできないのですが、
一方で依存症の人がいて、その人のみならず、家族や友人なども巻き込んで
苦しめてしまうので、これは良くないなと思っています。
ギャンブルのリスクって本当に大きくて、やるならばそうとうに覚悟しておかないといけない。
できれば、やらずに済めばいいのですが、そうもいかない人っていますからねぇ、
難しいものです。
でも、けっして、パチンコを擁護は出来ないなぁ。
そういうもんです。
著者の方は、よくこういうことをこういう姿勢で書いてくれたなと思って、拍手を送りたいくらい。
本書ではたぶん、著者の前の著書で言いたいことはかなり言いきっていると思われて、
論説的な部分は少なかったんですけど、訴えてくるものはある本でした。
Posted by ブクログ
新書で読める「反パチンコ」の比較的新しい著作
アニメコンテンツのパチンコ展開を考えてみる準備として手に取ったもの。
元々の社会的弱者を「パチンコ依存症」にさせて家族を巻込んで不幸を生産するパチンコを日本から全廃するべきと主張。
「パチンコ」にもたれ合う政治、警察、マスコミへの批判を展開する。
(朝日新聞は相変わらずブレないと再確認。これからも末永く楽しませて欲しい)
文体は予想外に落ち着いており、感情に流れ過ぎないよう配慮がみてとれた。
「既に日本はカジノ解禁だ」という論法は感心。
身近で具体的なカジノ解禁による懸念を提示している。
出版は幻冬舎。まだまだメジャーな出版メディアでは難しいのかもしれない。
やや違和感を受けるのは
?「依存症」発症者を批判なしで弱者と認定して、救済を叫んでいる点。
不景気でうつになっても擦り切れて働いたホワイトカラーと、やることがなく朝から行列して勝負して依存症になった者を同列に救済せよといわれてもやはり納得がいかない。
著者の主張を被害者(家族含む)以外に広げるためのポイントになるのでは?
?著者は全くといっていいほど、重要視していない海外資本流出(ex.北への不正送金)は、意外。
往時より、不正送金は激減しているというのは本当で、もはや論点にならないということなのだろうか。
また、本著作は、批判対象や支援サイドの手紙、発言、記事の引用が数多い。
やや冗長な印象があり、著者の主張はさほどページが割かれなくても終わってしまう感じがする。
Posted by ブクログ
まあ、日本人はとかくパチンコ好きですね! と思った一冊でしたねぇ…。あんなハンドル固定しながらボーっとリール眺めるだけの競技…というか、遊技がそんなに面白いんですかね!?
とまあ、僕も多少ながらやりますので文句は言えませんが…(!)
ヽ(・ω・)/ズコー
けれども、さすがに借金重ねてやるのはおかしいと思いますね! そもそも、きちんとしたギャンブルではないと思うんですけれどもねぇ…ええ、店側に操作されていると自分はそう思いますよ!
ヽ(・ω・)/ズコー
震災後も暇を持て余し気味な人々でパチンコ店は大いに繁盛したんだそうな…。結局、暇の潰し方が分からない人が多いんではないでしょうか、日本人は…。
さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー
Posted by ブクログ
パチンコ業界の今がまとまっててわかりやすい。が、間違ったことは言ってないけどちょっと筆者の気持ちや主観が入り過ぎで読み終わったあとに一歩引いてしまう感じがもったいないなぁと。折角なら、全撤廃後の業界雇用30万人の再雇用代案なども主張しないと説得力に欠ける。
全撤廃には完全同意なので頑張って欲しい。