【感想・ネタバレ】中東 世界の中心の歴史 395年から現代までのレビュー

あらすじ

3つの大陸の交差点、3つの一神教の発祥地、数々の緊張と紛争の淵源――。
中東は世界の中心である。ローマ帝国の東西分割から米国支配の終焉まで、1600年余のその興亡を、西側中心史観を脱却し、宗教の枠を超えて描く。
本邦初登場の現代中東史の第一人者が、パリ政治学院修士課程の講義を20の地図と10の年表とともに再現する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

中東を「世界の中心」としてみると、特に中世頃までは欧州がまさに「辺境」に見える。全く中東の歴史に詳しくないが故に、近代に入ってからはロシア(当時はソビエト連邦)の地理的近さに驚いた。
近年の中東情勢は芳しくなく、複雑な状況で理解するに困難さが際立つような気がしていたのだが、やはり世界の中でも長期の文明があった世界だからこそ、きちんと歴史的に流れを追わなければ理解できないのだと実感した。単純にシーア派 vs. スンニ派ではなかった…。
近代の「国家」や「民主主義」とは西欧から生まれたものであって、中東やエジプト、中国のような多民族かつ多宗教の栄えた三大文明にはそぐわないのかもしれない。
取り敢えず近代に入ってからの中東の混迷は、英仏、その後は米露が主犯のような…。

正直、中東の地理に疎く人名に馴染みのない一読者としては時折置いてけぼりを食らうような心境に陥ることもままあったものの、一概に良書であったと思う。

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2025年11月11日

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