【感想・ネタバレ】シャーロック・ホームズの回想のレビュー

あらすじ

大レースの本命馬が失踪、その調教師の死体も発見されて英国中が大騒ぎとなる「名馬シルヴァー・ブレイズ」。そのほか、ホームズが探偵になろうと決心した若き日の事件「グロリア・スコット号」、兄マイクロフトが初めて登場する「ギリシャ語通訳」、宿敵モリアーティ教授と対決する「最後の事件」まで、雑誌掲載で大人気を得た12編を収録した第2短編集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

名馬シルヴァー・ブレイズ
 かなり昔に読んだけれどタイトル今でも覚えてた。ホームズの推理さすが。名馬シルヴァーブレイズ失踪、調教師ストレイカー殺される。話いりくんでるからまとめてみる。フィッツロイ・シンプスン動機あるけど無関係。ケイプルトン厩舍のサイラス・ブラウン荒野でシルヴァー・ブレイズ見つけて匿う。馬自分のものにするつもり、でもストレイカー殺してない。ストレイカー悪者でシルヴァー・ブレイズ怪我させようとする。シルヴァー・ブレイズ驚いてストレイカー蹴るとストレイカー死ぬ。カレーに混ぜたアヘン粉や怪我した羊、マッチの燃えカスからストレイカーの思惑推理したホームズすごい。

ボール箱
 怖い話だった。スーザン・クッシングに送られてくる2つの耳怖い。耳はスーザンじゃなくてセアラに向けたもの。悪女に振り回されてジム・ブラウナー妻メアリと不倫相手アレック・フェアベアン殺した。でもブラウナー殺人怯えてる。罰受けてほしいけど救われてもほしい。複雑。

黄色い顔
 僕この話全く覚えてない。窓から覗く黄色い顔、妻エフィーの噓と秘密。前夫の恐喝事件と推理するホームズ。でもそれ間違い。結末はハートフル心暖まる。黒人娘に仮面被せた。娘いること打ち明けるの怖くて隠してた。でもグラント・マンロウ良い人だった。眠いから寝る。おやすみ。

株式売買店員
 赤毛組合みたいな話。ホール・パイクロフト割りの良い就職先得る。雇い主何か怪しい。雇い主ピナーほしかったのパイクロフトの筆跡。なりすましが目的。

グロリア・スコット号
 ホームズ最初の事件。最初の事件普通はインパクトあるし長編とかになりそう。でも短編で回想でドイルは使った。大胆。ハドスン・トレヴァに届いた不思議な手紙。読んだトレヴァは卒倒する。手紙暗号で危険知らせるもの。輸送船襲った時の生き残りが脅してたのが真相。

マスグレイヴ家の儀式書
 ホームズの中で一番冒険ものな話。学生時代の旧友レジナルド・マスグレイヴに頼まれた不思議な事件追うホームズ。マスグレイヴ家の謎めいた儀式書、執事ブラントンとメイドレイチェルの失踪。儀式書の暗号解いていく様子かっこいい。樫と楡の問題を数学的思考で解決していくのもさすが。ブラントン哀れだ。女の子の気持ち踏みにじりそのことに気づかなかったことがあの結果招いたと思う。

ライゲイトの大地主
 完全調子でないホームズ活躍する。アクトン家に入った強盗事件とカニンガム家の御者殺害事件。御者ウィリアム持ってた紙切れ事件の鍵。ホームズ嘘巧みに使った。紙切れから注意反らすための発作、時間の書き間違い、ワトスンに罪なすりつけ。筆跡鑑定や証言の矛盾に気づくのも見事。カニンガム親子の犯罪暴かれた。細かい描写の矛盾、気づきたいな。

背中の曲がった男
 ジェイムズ・バークリが夫人と言い争っている最中に死ぬ。夫人疑われるが窓の下には人の痕跡。ミス・モリスン証言する背中の曲がった男。ホームズの推理メインというよりストーリー性メインの話。背中の曲がった男ヘンリー・ウッド戦地でバークリにはめられて捕虜にされた。運良く生き残ってナンシー・バークリと再会、ナンシー夫人夫の悪行なじる。バークリ、ヘンリー見て卒倒して死ぬ。ただの事故死だった。ホームズのセリフ印象に残ってる。「正義に関係ないと言っていられる人間などいませんからね」。この言葉覚えとく。

入院患者
 僕これ全く覚えてない。医師パーシー・トレヴェリアンの病院から消えるロシア人患者。何かに怯える支援者ブレッシントン。ホームズ、ブレッシントンの隠し事に気付き捜査を断る、ブレッシントン殺される。ブレッシントン、過去の犯罪で仲間売り、敵討ちにあった。ホームズの現場の様子から犯人達の行動推理する様子、さすが。因果応報。ホームズの話ではこれ、徹底的に守られている。

ギリシャ語通訳
 マイクロフト遂に登場する。序盤のホームズとマイクロフトの推理合戦、記憶に残ってる。ホームズ、妬んだりしてないところがかっこいい。自分に自信持っている証拠。ギリシャ語通訳者メラスが巻き込まれたアテネ人監禁事件。犯人達、ソフィに結婚迫りクラティデス脅そうとしてた。犯人達取り逃がしたし、恐らくソフィが復讐した。後味苦い話。

海軍条約文書
 ワトソンも言ってるけど「第二のしみ」レベルの国家の危機。ワトソンの友人パーシー・フェルペス、海軍条約文書盗まれる。関係者疑われるも決め手ない。パーシーの部屋に侵入試みる者まで現れる。ホームズも言ってるけど、今回手がかりを繋ぎ合わせるの大変。官僚の建物に詳しく、パーシーの病室に侵入する理由ある者、犯人。文書盗んで隠したけど部屋を替えることになって取り出せなくなったジョゼフ・ハリスン犯人。
 「第二のしみ」のあらすじ、本編と違ってた。話、大きく変わってた。ドイル、ここで書いたあらすじ忘れた?もったいない。

最後の事件
 前読んだ時よりずっと面白い。ホームズの緊迫感や覚悟がわかるからかも。モリアーティの小さなミスから追い詰めるホームズ。一進一退の攻防の末遂にホームズ、モリアーティ追い詰める。モリアーティとの対峙の後海外に逃げるがモリアーティ、追ってくる。また一進一退の攻防の末ホームズとモリアーティ滝壺に落ちる。一旦終わりかと思うと悲しい。
 モリアーティの論文、「二項定理」だった。「小惑星と力学」ではなかった?調べないと。解説の講談師のホームズの話。明治時代に話したというのが小室泰六のホームズ?これも調べないと。

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2023年08月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『名馬シルヴァー・ブレイズ』

『ボール箱』

『黄色い顔』

『株式仲買店員』

『グロリア・スコット』

『マスグレイヴ家の儀式書』

『ライゲイトの大地主』

『背中の曲がった男』

『入院患者』

『ギリシャ語通訳』

『海軍条約文書』

『最後の事件』

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2011年01月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ホームズは短編の方が好きかも。ここに有名な滝のシーンが出てくるとは思わなかった。モリアーティはどの事件の裏にいたんだろう。今までのお話にも関わってたのかな

0
2024年07月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・ホームズとワトソンの絆を感じさせるエピソードが多くてじんわりする巻。『ノーベリ』のくだりもホームズがワトスンに寄せる信頼が見えるし、二人で公園を散歩して「気心の知れた同士、ほとんど口をきくこともなかった」のもとても良い空気だ。ホームズがワトソンとの会話で、「ぼくらの捜査」「ぼくらの考え」と「ぼくら」を使うのもいい!そして『最後の事件』でお互いがお互いのことを指して言う「真の友」「親友」には涙がこぼれる。

・ドイル先生は、善なる者が悪なる者を手にかけるのがお嫌いなようで、心臓発作や転んで石に頭をぶつけるなど、悪人が自分で勝手に死んでしまう設定が多いように思う。

・当巻は短編集。以下、各話のタイトルと、二人の生活に着目したポイントをメモしておく。

「名馬シルヴァー・プレイス」
p15 有名なディアストーカーとインヴァネスコート姿のホームズ挿絵

「ボール箱」
p59 相棒が考えていることを当てるなんてできるわけがないだろう、とワトスンに言われていたことを根に持って(?)、不意打ちでやってみせるホームズ。効果抜群に驚くワトスン。あら可愛い

「黄色い顔」
p98 語られるホームズの日常生活。重量級のボクサーでかなうものがない腕の持ち主だが、目的のない肉体労働をエネルギーの浪費と考える。ただしいざというときのために体調を万全に整え、食事も質素。おもしろみのない生活への不満で、たまにコカインを注射するのが唯一の悪習
p128 『ノーベリ』

「株式仲買店員」
「グロリア・スコット号」

「マスグレイヴ家の儀式書」
p205 奇人っぷりを表す名シーンのオンパレード。葉巻を石炭バケツの中にしまい、パイプ煙草をペルシャ・スリッパの中に入れ、未返信の手紙をマントルピースの真ん中にジャックナイフで刺す。部屋の壁に拳銃で弾を撃ち込んでV.R.と描く
p208 部屋の散らかりようを見かねたワトスンがホームズに片付けをうながす。立ち上がったホームズは片付けると見せかけて、過去の事件の資料をワトスンに見せ、まんまと事件の話へ気を引くことに成功する!語り始めるホームズ、「このまま散らかしっぱなしでかい?」このホームズのドヤ顔を見よ!

「ライゲイトの大地主」
p255 ホームズの神経発作演技シーン。ホームズは変装の名人だが、発作の演技の名人でもあった
p272 ホームズ「あんなふうにきみの心を痛ませたのは、すまなかったね」ワトスンを気遣うホームズ

「背中の曲がった男」

「入院患者」
p313 夜の二人の散歩シーン。挿絵で腕を組んで歩いているので目が点になるが、註釈に"この時代は仲の良い男性同士が腕を組んで歩くのはおかしくないこと"とあり、納得。(余談だが、この新訳シリーズは註釈が充実しており、当時の事情に明るくない者としてはとても助かっている)

「ギリシャ語通訳」
p346 ホームズの兄、マイクロフト登場!ホームズより才能は上だが、行動力がないとのこと。一切口をきいてはいけないディオゲネスクラブもこの話で登場

「海軍条約文書」
p382 "もちろん、ホームズは自分の仕事をこよなく愛していて、助力を求められるといつでも気持ち良く力を貸してやることを、わたしはよく知っていた"
p404 バラを手に取って語るホームズ。バラは人生にとって余計なものであり、余計なものであるからこそ神のなせる業でもある。「だからぼくらは花から多くの希望を与えられるわけです」

「最後の事件」
p452 ホームズのモリアーティ評が語られる。犯罪界のナポレオン。(犯罪の)巣の中心にじっとしている蜘蛛。自分ではほとんど何もせず、実際には手下が手をくだす

p476 モリアーティと共に、ライヘンバッハの滝壺へと姿を消したホームズ。ホームズがワトソンにあてた最後の手紙に書いた「真の友へ」、この顛末を書いたワトスンがホームズを呼称する「親友」に涙がこぼれる

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2012年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ホームズシリーズの短編第二編。長すぎず、短すぎず、起承転結がしっかりしていてどんどん読みたくなる。当時から大人気だったというのも納得。やはりホームズとワトソンのキャラクターが魅力的、作品を重ねるごとにキャラクターに愛着を感じるので、本作の最後の話が当時の読者に与えた衝撃も理解できる。

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2015年07月21日

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