あらすじ
ある日事故に遭い、頚髄を損傷してしまったひまり。
リハビリを続けるも復職の夢は潰え、一念発起して弁護士を目指す。
鉛筆も握れず、六法全書も開けない。
言葉のみを味方に、果たして司法試験を突破できるのか?
「言葉は私の最後の砦。
言葉がある限り、私たちはつながれる」
おしゃべりと食べることが大好きな33歳のひまりはある夏の日、出張帰りに交通事故に遭い、頸髄を損傷してしまう。意識は明瞭。だけど、身体だけが動かない。過酷なリハビリを続けるも突きつけられたのは厳しい現実だった。「復職は約束できない。できればこのまま退職してほしい」。途方に暮れ、役所で就労支援の相談をすると、すすめられたのは生活保護の申請。
私は人の役に立てるのに、どうしてその力を発揮させてもらえないのーー?
ひまりは自立を目指し司法試験受験を決意する。思い通りにならない身体でロースクールに通い始めるが、次々と壁が立ちはだかり……。
落涙必至の、人生応援小説。
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Posted by ブクログ
テンポの良い文章で、どんどん読み進めることができました。基本的にはサクセスストーリーで、おそらくうまくいくんだろうとどこかで思いつつも、事故で負った重度の障害にもかかわらず、数々の困難に向き合う主人公の強い意志と行動力に圧倒されました。読後感は非常に良いです。実際に司法試験を突破した弁護士である作者なだけあって、具体的な試験問題の記述も面白かったです。
Posted by ブクログ
500ページ近い長編なのに、ぐいぐい引き込まれて一気に読んでしまった。ハビリや介護の描写がとてもリアルで、現実の厳しさが伝わってくる。どんな困難にも立ち向かい、前へ進もうとする主人公の強さに感動した。四肢麻痺の状態で司法試験に合格するという設定は小説ならではと思っていたが、実際に音声認識ソフトを活用して合格した弁護士が存在すると知り、驚かされた。
Posted by ブクログ
“社会と関わりを持って、誰かに感謝されることをして生きていきたいってのは、まっとうなこと”というフレーズが印象的。
主人公の生きることに前向きな姿勢が参考になった。
周囲の互恵的利他主義な行動/考えも素敵だとおもった。
ただちょっとストーリーがキレイすぎて黒い感情が渦巻いた。