【感想・ネタバレ】巴里の空の下オムレツのにおいは流れるのレビュー

あらすじ

下宿先のマダム特製のオムレツ、仕事後の夜食で食べたグラティネ…1950年代のパリで歌手として暮らした著者による、半世紀以上にわたって読み継がれる料理エッセイの名著、昭和の大ベストセラー。

★食いしんぼう必読
★読み継がれて半世紀以上!
★昭和のレトロ感あふれる料理エッセイの大ベストセラー

「今夜はオムレツよ」
戦後まもなく渡ったパリで、
下宿先のマダムが作ってくれたバタたっぷりのオムレツ。
レビュの仕事仲間と夜食に食べた熱々のグラティネ――
一九五〇年代の古きよきフランス暮らしと
思い出深い料理の数々を軽やかに歌うように綴った、
昭和の料理エッセイの金字塔。
◎解説=犬丸一郎/堀江敏幸
【新装版】

【この本に登場する料理の数々】
各種オムレツ|ヴェベールの卵|人参のサラダ|クレソンとビーツのサラダ|サラダ・ニソワーズ|プレ・ココット(トリ料理)|ブイャベーズ|ラタトゥイユ|リエージュ風のこうし|ノルマンディー風じゃがいも|ミラノ風スパゲティソース|ブルギニヨン|フォンデュ|グラティネ|ポトフ|ブイヤベーズ|ベーコンと豆のスープ|スタッフドトマト|雪卵|パエリャ……

【著者略歴】
1922年、東京生まれ。米国留学を経てフランスに渡り、51年、パリでシャンソン歌手としてデビュー。世界各国の舞台に出演し、帰国後は歌手、エッセイストとして活躍した。料理エッセイの元祖とも言われる1963年刊行の本書で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞、ベストセラーに。その他著書に、姉妹編である『東京の空の下オムレツのにおいは流れる』や、没後編まれた『バタをひとさじ、玉子を3コ』(ともに河出文庫)等がある。2010年、逝去。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

海外へ行ったことがないため、
出てくるお話全てが新鮮で楽しく読めました!

エッセイ集かつ、
料理本のような感覚で読んでいました。
イタリアやスペインなど、パリ以外での
食べ物もたくさん出てきて面白かったです!

日本も含め世界で共通することは、
高級なものを食べるのでなく、
暖かい食事をすることがとても幸せを感じるなと
改めて思いました!

この本書にでてきた料理、
作れたらいいなあ〜!
そしていつの日かパリへ行った時には
美味しいのを頬張りながら街を歩きたい。

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2025年07月23日

Posted by ブクログ

シャンソン歌手 石井好子さんによる食べ物についての随筆。
暮しの手帖の連載が書籍化されたもの。
初版は昭和38年。
文章や時代背景はやはり戦前戦後という時代を表しているけど、石井さんの人柄が文面にとても良く現れていて、すごく楽しい1冊でした。

最初のエピソードは、表題にもなっている「オムレツ」の話
夜中にチーズオムレツが食べたくなりましたが、我慢して翌朝に作りましたw
義兄がユネスコで勤務していたので、パリに何年か住んでいたとき、コルドンブルーに通った時の話。
フランス以外にもドイツやスペイン、その他の国々を訪れたときに食べた美味しいもののエピソードが盛り沢山です。
シンプルな表現で分かりやすいレシピも豊富で、石井さんは本当に料理が好きだったんだなぁと感じました。

食べる人のことを考えながら作れば自ずと美味しい料理ができる、レシピなどどうでもいいのですって率直なところ、ステキだなぁ。

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2024年10月16日

Posted by ブクログ

作って、食べて。

石井好子さんの代表作であるエッセイ。戦後でまだ日本人には馴染みのなかった料理や食材について書かれた文章を、当時の読者はどのように読んだのだろう。外国のものが珍しくなくなった現代の自分でもその外国の空気を感じながら読んだ。レシピのように分量や手順が書いてある中にちょっとしたエピソードが添えてある。もしくはエピソードにレシピが添えてある。写真も絵もないけれど、目の前にその料理が、もしくは出されたものを食べている人たちの姿が浮かんでくる。愛情にあふれた作品だ。

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2025年06月08日

Posted by ブクログ

2024.12.14-2025.01.17.

表紙の素朴な可愛さに惹かれて本屋で手に取り、「あら、これはどこかで聞いた本だ」と思った。
誰のpodcastだった定かではないが(川村明子さんの『今日のおいしい』だった気もする)、なんとなくこの本が取り上げられたことを覚えていた。ずいぶん情緒あふれるタイトルだな、と思ったからだ。
東京と巴里はセットでちょこんと並んでいて、どちらも一緒に購入した。
現状、東京は少し時間を置いてから味わいたいなと思っている。

「とにかく、私はよほどお料理ずきらしい。仕事に追われてくたくたに疲れていても、家に帰って台所にはいると、一日のつかれがいやされる。お酒など一杯入ろうものなら、なにか食べさせたくなって、台所に行ってこまごまと料理をはじめる。」

このフレーズは私にはとても理解できないなと感じた。一方で、「母はこの人と同じだな」とも。私にとって料理というものは、母と強く結びついている。お酒を飲みながら、もくもくと好きな料理を作る姿は、小さな頃から今でも変わらない。ストレスや疲れと、母のメニュー量は比例するので、金曜日の夜の食卓はずいぶんと熱がこもっている。
本人は味見で満足するらしく、もっぱら私と父(と、時々妹)がせっせと母の美味しいストレスを消化するのだ。

石井好子さんの文章は、思わず舌を遊ばせてしまうほど、味わい深い。言葉に香りと味があって、素直な描写が想像力をふんわりとかきたててくれる。
こうした本を読んでいると、「料理って楽しいものなのかな」なんて思うけれど、同じ行動をとっていても彼女の感情を理解することはできない。
けれど、「何かを好きな人がその何かの魅力について、宝物のように書いている」本というのはずいぶん魅力がつまっており、「こんな気持ちになりたいな」、「彼女のように料理を慈しめたら」と感じた。

また、一点気づいたことは、エッセイの難点だ。ジャンルや書き手が変わらないので、一気に読むとお腹いっぱいになってしまう。ずいぶん味わって読むことになったのは想定外だった。

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2025年01月17日

Posted by ブクログ

1963年に単行本で出版された、名作食エッセイ。オムレツもピザもパエリアも、まったく知らない人がいっぱいいた時代。そんな時代に異国で暮らし、働き、美味しいものをいっぱい食べた女性。それだけでカッコいい。

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2024年12月14日

Posted by ブクログ

石井好子『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』河出文庫。

昭和の大ベストセラーとなった半世紀以上前に刊行された料理エッセイの名著が2作同時復刊された。

シャンソン歌手にしてエッセイストの肩書きを持つ著者による料理エッセイなのだが、並みのエッセイではない。1950年代のパリの生活風景や風土、文化を描写しながらフランスの家庭料理のレシピ、その味が微に入り細に入り描かれる。フランス料理と日本料理との比較、日本料理へのアレンジ方法、日本を含め、世界各国の料理なども紹介される。

フランス料理は様々な料理で大量の『バタ』が使われる。また、意外にも様々な野菜を豊富に使った料理が多いようだ。

チーズオムレツひとつにしてもアメリカとフランスとではレシピが異なるようで、オムレツと言っても様々なバリエーションがあるのが面白い。

この時代にアクアパッツァやビシソワーズなどを描いているのが興味深い。食べることと調理することの面白さが伝わるエッセイだった。

定価880円
★★★★

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2024年10月07日

Posted by ブクログ

最初から料理が好きな人はいないとか、旦那が飲んだあとに友人を連れてくるからイヤというと、簡単なものを出せばいいし、料理が美味しいから、妻を自慢したくてだんなは連れてくるのだから喜ぶべき。とさっと作れる料理と作っている間のつまみの紹介。おかきでもいいし、トマトの輪切りにチーズなど。
そして湯豆腐だったりかき玉にオニギリ、冷蔵庫にあるもので気負わないもの。
そして失敗続きでももてなしたい心と喜んでもらいたい思いがあれば大丈夫と心強い言葉。

料理嫌いの私に大先輩から心の在り方や他人の気遣いを諭してもらえた一冊。

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2024年11月15日

Posted by ブクログ

新装文庫の装丁が素敵だったので購入
窓を開け放って過ごせる気持ちの良い日に、なんともお腹の空く素敵に美味しいエッセイ集

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2024年10月21日

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