あらすじ
2019年7月、京都市伏見区にある「京都アニメーション・第1スタジオ」で起きた放火殺人事件。死傷者68人を出した凄惨な事件はなぜ起きたのか。裁判での証言や供述調書および独自取材を通して、青葉真司被告が起こした事件の実相に迫る。
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Posted by ブクログ
ブク友さんの感想を読んで、興味を持ち、読んだ本。
非常に濃いドキュメンタリーだった。
青葉被告が何を考えて犯行に至ったのかが、よく分かる筋道になっていた。
妄想性障害と診断されたというが、その妄想がどのような内容かを詳細に語れるというだけで心神喪失とはいえないのではないか、と私は感じる。
しかしそれが妄想を自分が正しい、と信じ込み、修正できない状態というのが、理解しにくい。
確かに青葉被告は過酷な人生を送って来たと思うが、京都アニメーションに勤めていて、頑張っていた人の中にも努力して努力して、その立場を勝ち取った人もいたと思うのだ。生活保護を受けて、周囲に応援されるような環境になかったのもあるのだろうが、少なくとも自分も認めている定時制高校時代の幸せな時期に友人がいて日常的に話すような関係性を作っていれば、こんなことにはならなかったのに、と思う。
京都アニメーションの手がけたアニメのタイトルが被害者遺族の意見陳述に出てくるたびに、大変な努力をして夢を叶えた方々だろうに、と無念さを感じる。
認知症の方に、「それは間違っている」と指摘するのは禁句だというが、妄想性障害にも同じことが言えるのだろうか。
同様の事件に秋葉原無差別殺人事件が取り上げられていたが、私は京アニ事件の3年後に起こった北新地ビル放火殺人事件を思い出す。こちらは被疑者が死亡したため、詳しい犯行動機を被疑者から聞き出すことは叶わなかった。拡大自殺と解釈されている。
また他の拡大自殺の事件として川崎市登戸通り魔事件も思い出した。
京アニ事件と違うのはやはり青葉被告には明確な自殺の意図は見えないところだろうか。
小説が盗用された、という自分の中での宝物が奪われてポッキリ折れてしまった、という状態だったが、そもそも人の考えることに、そこまでの独自性があるわけではなく、自分が考えた特別は誰かが既に見出していることが非常に多いのだということに、それまで生きてきた中で感じたことがなかったのか。
有名な漫画家とシンガーソングライターとの間に盗作騒動が起きたことがある。
アレ?この曲、あれに似てない?なんていうこともある。
それくらい、人の考えることは千差万別なようでいて、似通っている部分もあるのだということを小説を書いている時に思い至らなかったのだろうか。
妄想は妄想でしかない。
現実では放火して36人もの人を殺したのだ。
「一年後、小説家…」
社会的不遇からくる閉塞感から逃れたいと思う人は多分沢山いる。
そういう心理からセカイ系と呼ばれる物語が好まれるのだと後半の解説に書かれていた。
異世界転生や死に戻りなどのライトノベルも同じ起源かもしれない。
辛い現実を一時忘れて小説の中で幸せを感じるだけならそれでいいのだけれど、そうはいかないものなのだろうか。
そんな簡単に物事がうまいこといくばっかりな訳ないだろうが、と思う。
Posted by ブクログ
これからの課題「孤立させない」ってね。
難しいな、、、と。
訪問介護、訪問看護も入っていたのでしょう?
これ以上踏み込む方法って、あと何があるの?
訪問してた看護師さん介護士さん、今考えると怖かっただろうな、、、とか思っちゃった。
ネガティブなものを消すのではなく“薄める”という思考は新鮮。なるほど。
SNSではなく実際の人間関係、居場所があることが重要。
だよな、、、とは思いつつ、被告の経緯を読むと、やっぱりなかなか難しいのでは?と感じてしまった。
自分がその居場所になれるか?って言ったらできないし。
今なら、そういう人からは離れなさいという意見の方が強い。
じゃあ、福祉や介護、医療関係の人達が、それを担うんかっていったら、低賃金で働いてて、人手不足なのに、そんなところまで手が回らないんじゃないか?と。
難しい問題だよね。
深いため息がでた。