あらすじ
政治及び経済の秩序の問題についていくつかの理論を検討する際、常に歴史の光をあててみたい。
歴史抜きの理論は危険で、大体のところ害をなす――
核と内戦、不安定化する国際金融、移民の増大と反発。我々は目の前の変化をどう捉え対処していくべきか、歴史的視野から考察する。
国際政治学の泰斗が最晩年に著した平和への指針。
はじめに
第1章 複合波としての歴史変動
第2章 核革命の意味
第3章 内戦の時代
第4章 冷戦後のヨーロッパ
第5章 自由貿易の理論と現実
第6章 「競争力」という妄想
第7章 相互依存とその危険
第8章 アメリカ衰亡論について
第9章 アジア・太平洋圏の台頭
第10章 アジア・太平洋圏のセントラル・バランス
第11章 文明間の摩擦・抗争・積極的変容
第12章 固定観念を避けて
解説中西 寛
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Posted by ブクログ
高坂正堯先生が1994年10月〜12月にかけて放送された、NHK講座テクストをもとに1995年11月に公刊された作品です。個人的にはテレビなどを通じてリアルタイムで知っていた出来事をもとにした考察が多く、取り上げられている内容や考察をより身近に感じることができました。そしてその内容は30年近くが経過した現在でも通じることが多く、参考になるとともに考えさせられる内容だったと思います。また、最後の12章のタイトルが「固定観念を避けて」で、この中で語られている、「固定観念を持つことのデメリット」に考えが及ぶとき、自らのあり方もよく考えて、固定観念にとらわれないようにしないといけないと思い直すのでした。