あらすじ
老いることの豊かさを、父の暮らしから学ぶ
お父さんの言葉から生きることを学ぶ。死んでゆくことを学ぶ。何よりも大きな愛を学ぶ。お二人は、今も一緒に生きている。――大竹しのぶ(俳優)
認知症の母をお世話した父は、愛に溢れた“ええ男”だった!
自身の両親の老老介護をカメラに収め、日本中に感動を巻き起こしたドキュメンタリー映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』の監督が紡ぐ、笑いと涙に満ちた家族の物語。
【著者コメント】
『ぼけますから、よろしくお願いします。』この、ちょっと人を食ったようなタイトルの映画は、ぼけてなおユーモアを失わない母と、鼻歌を歌いながら介護する父の、深い絆で結ばれた愛情物語となりました。父がひたむきに母を支える姿は人々の心を打ち、「お父さんみたいな人と結婚したいわぁ」と言ってくださるうら若き女性まで現れて、父に人生初の「モテ期」が訪れることに。
最初は何かの冗談かしらと思っていた私。あの地味で堅物の父のどこがいいんだろう?
でも、ファンの方たちに教わる形で、私もだんだん父の魅力に気づいてきました。そして、折にふれ父が呉弁丸出しでつぶやく言葉の深さや重みが、しだいに心にしみるようになってきたのです。
この本では、そんな珠玉の言葉たちを、三つの章に分けて紹介しています。(略)
100歳を超えても、こんなふうに生きられたら幸せかも。父の笑顔と前向きな言葉たちから、「人生100年時代」を生き抜く元気を、どうぞお受け取りください。(「はじめに」より)
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Posted by ブクログ
テレビで初めて放送された時からのこの両親のファンで出版された本は全部読みました。お父さんの自然体で受け入れる生き方が大好きで、こういう風に歳をとっていきたいなと思うお手本のような歳の取り方です。
Posted by ブクログ
映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』で信友直子さんのご家族のことを初めて知りました。妻の文子さんを自然体で介護する「お父さん」が、とても印象的でした。
この本は、介護当時のこと、今の生活、100歳を越えた親友とのこと、104歳の同郷の石井哲代さんとの対談などを娘の直子さんが著したものです。呉の方言が、お父さんの言葉の思いを、なおさら引き立てているように思いました。愛くるしいお父さんのたくさんの写真も、年上の方なのに微笑ましく感じました。
お父さん、本当にいい笑顔をされるので、他人から愛されるのがよくわかりました。今も感謝の気持ちを忘れずに謙虚に過ごし、頑張って生きていらっしゃいます。大正時代に生まれ、頑張って生きてこられたのだから、社会に甘えても大丈夫だと思ってほしいです。そして、寂しいことも多いと思いますが、長生きしてほしいなと思います。
いつも美味しい珈琲をいれてくれるこんなお父さんがいて、信友直子さんのことが、とても羨ましく思いました。そして、高齢になってから、どういう態度でいるべきかを、教わったようにも思いました。
Posted by ブクログ
このご夫婦は仲が良くて羨ましい。
うちの両親はこうはならず、介護だけでなく、夫婦の仲まで気遣わなくてはならないので、心労が増えるばかり。
両親が支え合ってくれれば、子供は介護面の手助けだけで済むのにと思ってしまった。
Posted by ブクログ
なんて素敵なご家族!
ご夫婦の馴れ初めからお母さんの看取り、そしてその後の暮らしまで…お互いが愛情を持って接していることが伝わってきて、じんわりと心が温かくなった。
戦前生まれのお父さんは初めからこの柔らかな好々爺だった訳ではなく、色々な葛藤がありながらも柔軟に自分を変化させてきた方。
この年代でこんな風に柔軟かつパワフルに暮らせることを心から尊敬する。
「かわいらしい年寄りになって、みんなにかわいがってもらえるようになる」というお父さん。
人に頼って気持ちよく助けてもらうには、この「かわいさ」がポイントかもしれないと思った。
Posted by ブクログ
お母さんの介護のために90歳から筋トレを始めたお父さん。そこまで愛されたお母さんは何と幸せなんだろうと思いました。
そんな愛情をいっぱい注いでもらったお母さんもお父さんと釣り合うくらい素敵な人だったのだろうと思いました。
頑なな信念を柔軟に方向転換するのは、若くてもなかなかできないことだと思うので、それができるお父さんはすごいと思いました。