【感想・ネタバレ】婚活マエストロのレビュー

あらすじ

本屋大賞受賞『成瀬は天下を取りにいく』を超える、爆走型ヒロインが誕生!

40歳の三文ライター・猪名川健人は、婚活事業を営む「ドリーム・ハピネス・プランニング」の紹介記事を書く仕事を引き受ける。安っぽいホームページ、雑居ビルの中の小さな事務所……どう考えても怪しい。
手作り感あふれる地味なパーティーに現れたのは、やけに姿勢のいいスーツ姿の女性・鏡原奈緒子。場違いなほどの美女だが、彼女は「私は本気で結婚を考えている人以外は来てほしくありません」と宣言する。そして生真面目にマイクを握った――そう、彼女は婚活業界では名を知らぬ者はいない〈婚活マエストロ〉だった。

その見事な進行で、参加者は完全にマエストロ・鏡原の掌の上。彼女は何者なのか、なぜこんな会社で働いているのか、〈マエストロ〉ってなに……謎は深まるばかりだが、猪名川は同社のイベントを手伝うことに。65歳以上のシニア向け婚活パーティーから、琵琶湖に向かう婚活バスツアー(クルーズ船「ミシガン」に乗車)まで。これまで結婚に興味のなかった猪名川も、次第に「真面目に婚活するのも悪くないかもしれない」と思い始める。
ものは試しと他社が運営する婚活パーティーを訪れてみると、そこには参加者として席に座る鏡原の姿があった――。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

1.婚活というテーマのリアルさが面白い
自分からは遠いと思っていた恋愛要素も、婚活という形になると一気に身近に感じられた。パーティーでの探り合い、バスツアーでの空気感など、未経験の場面なのに手に汗握るリアリティがあった。恋愛と結婚は何が違うのか、頭の中で何度も考えてしまった。正直、読後には「一度くらい婚活パーティーに参加してみてもいいかも」と思ってしまった。

2.主人公の変化がよかった
最初は結婚するつもりもなく、どこか他人事だった主人公が、婚活の仕事を通じて少しずつ自分の価値観を見直していく。その変化は大きくはないが、確かに温度を帯びていて、ゆっくりと変わっていく様子が自然で心地よかった。

3.自分との距離感の近さ
成瀬とはちがい、こちらの主人公は、年齢も近く親近感があった(未婚も)。婚活という未知の世界に飛び込めば、きっとこんな風に揺れ動くのかもしれない。婚活パーティーに参加したら、相手の質問に対してうまく切り返せるだろうか──趣味は読書といえるように、ここに感想文をまとめておくことにする。

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2025年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

宮島さんの作品はとにかく読みやすい。と言っても成瀬シリーズ2作に続いてこれで私が読んだのはまだ3作目ではある…。伝説のマエストロそんな前評判で読むとマエストロは優秀ではありながら、いろんな苦悩を抱えた普通の1人の人間。人生を浪費してきた40歳のこたつ記事ライターの主人公が出会い、マエストロを手伝うことで彼の意識と人生に彩りがもたらされた。温かい話で読後感がよかった。
そして、婚活市場の解像度が高かった。宮島さんも経験あるのかな?と思った。

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こたつライターがひょんなことから、婚活の現場に足を踏み入れた。自分の知らなかった世界とは。


婚活初心者
「ケンちゃん仕事頼める?」と声を掛けたのは、猪名川健人が大学入学から40歳を迎える今日まで住んでいるマンションオーナー・田中宏。
婚活運営会社「ドリーム・ハピネス・プランニング」のHP掲載記事をお願い、という内容。ドリハピの社長と会ったその日に開催される婚活パーティーへ、早速参加する。
受付から司会・進行まで勤めるのはドリハピ社員・鏡原。「婚活マエストロ」の異名を持つらしく…
女性参加者に厄介な絡まれ方をされた健人を助けた鏡原さんと社長がめちゃカッコよかった!

婚活傍観者
取材と称して、今度はシニア婚活パーティーに赴いた猪名川。成り行きでスタッフとして参加者に関わっていくと、自然と思い入れが湧いて会を陰ながら支えていく。社長と鏡原を交えた3人は、謝礼も込めた焼肉店へ。鏡原は匂いでカップル成立を見極められるという。

婚活旅行者
猪名川が突然呼び出された先は婚活バスツアー。浜松を出発し、琵琶湖(出たw)・アウトレットパーク竜王を巡りながら、女性8人男性7人の参加者たちが親睦を深める。今回は惹かれる相手ができて、意思を持ってマッチングシートに相手の名前を書いた猪名川だったが…
ここでのMOMOとの距離の詰め方とか別れ際とか、健人の姿勢がとてもよかったな~。土地勘ないからGooglemapでルート見てみたら結構遠いのねw

婚活探究者
バスツアーではカップリング不成立、婚活に精を出している田中宏との雑談から火がついた猪名川。次は婚活アプリやドリハピ以外の会社主催の大規模パーティーにも参加。思いがけず男性の友人(?)ができたり、女性参加者の中に鏡原を見つけてドギマギしたり。
田中宏がちょいちょい出てくるのが面白い。

婚活運営者
大規模パーティーで鏡原とマッチングした猪名川は、そのまま二人でサイゼリヤへ。婚活マエストロと呼ばれる所以や社長の素性を聞いていたところへ、社長が倒れたと連絡が入る。2週間の入院が必要となり、翌日開催されるドリハピのパーティーには、助っ人として猪名川が加わり鏡原と二人で乗り切ることに。
池田さんへの接し方とか、健人の姿勢が本当に素晴らしい。

婚活主催者
社長が会社をたたむことを決断し、12/25開催のパーティーが最終回。直前にエレベーターに閉じ込められてしまった鏡原に代わって、会場設営~受付~司会まで急遽担当することになった猪名川。こんなに大変な作業を10年間一人で…これまでの参加者も加わり、助けられながら何とか定刻通りスタート。久しぶりに大盛況となったパーティーを終え、何となくいいムードとなった猪名川と鏡原。

ドリハピのパーティーのゆるさだったり
(HPの仕様、手作り麦茶、椅子を参加者に運ばせるくだりw)
舞台が浜松、という田舎の設定だったり
サイゼやなか卯など具体的なチェーン店だったり
親近感わくワードや設定が多くて、読んでいてほっこりしながらとても楽しかった。

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オーディブルにて視聴。
改めて人との出会いが持つ人生を変えるエネルギーの強さを感じました。大人になって新しく人と出会う機会が少なくなるなか、新たなコミュニティや出会いの場に出ていきたくなりました。
宮島未奈作品ならではの滋賀、静岡のご当地ネタも地元民としては嬉しかったです。
"タイマーの時間が減っていく感覚よりも、ストップウォッチの時間が積もっていく感覚のほうがいい"という鏡原さんの考え方が素敵だと感じました。
肩の力を脱いて読める心温まるエンタメ小説でした。

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2025年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

りなくろさん担当編集と知って手に取りました。編集者さんから文芸作品に入るの、初めてかも。

タイトルがうまいです。『婚活マエストロ』。もちろんマエストロは男性名詞では、というひっかかりはある。本の中でも一応2箇所にわたってフォローされている。りなくろさんがフォローを入れたのか…というのは穿ちすぎか。ただ、タイトルが『婚活マスター』だったらチープすぎてまったく読みたいと思えないし、『婚活マエストラ』だったらなんのこっちゃだし、やっぱり『婚活マエストロ』で大正解だったと思う。カバーデザインも素敵です。

婚活を扱った最近の文芸作品だと『傲慢と善良』も読んだけど、『婚活マエストロ』のほうはもっと婚活をハッピーなものとして描いている。60代〜70代のシニア婚活パーティーなんてすごく楽しそうだし、登場人物に「絶対結婚しなきゃ老後は一人」のような悲壮感や、選ぶ心苦しさ・選ばれない惨めさみたいなものがない。だからカジュアルに読めて、婚活いいな〜やってみようかなと思う人も出てくるかも。ま、それぐらい軽い気持ちで一歩を踏み出すのがいいんだろうな。鏡原さんもそんなこと言ってたよね。

こたつ記事ライターという職業をネガティブに捉えている主人公だけど、記事執筆のためにリサーチした知識が初対面の女性たちとの会話に役立っているし、ライターもいい仕事じゃない!自信もって!と言いたくなる。

鏡原さんもお客様の幸せを心から願っている、真面目でいい人。彼女の特殊能力が明らかになったところで物語にファンタジー感が出て、あれ、何を読んでたんだっけ?とちょっと混乱したが。ちょい恋愛要素ありのお仕事小説という気分で読んでいたので。
ただ、文化祭前のカップル乱立期とか不倫社内恋愛横行中の大企業で匂いに気持ち悪くなってしまったというのはすごくリアル。もしかしたら鏡原さんの能力はファンタジーでもなんでもなく、似たような人は結構いるのかも。

自分の匂いだけはわからない、とか自分が恋をすると匂いがわからなくなる(ジブリ版魔女の宅急便みたい)というオチかなと思ったら、全然違った。でもハッピーエンドでよかった。最近直球ストレートのハッピーエンドが減っている気がするので、こうした物語を読むとほっとします。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

猪名川さんがゆるくって、懸命に生きるのがバカらしくなる、肩の力がぬけるリラックス本だと思いました。
マイペースに我が道を行く、回りに振り回されない、天然なのか芯があるのか、ざっくり面倒くさいだけなのかも?40才というのも人生半ば、絶妙でいいですね。
おもしろかったです、ラストは平凡だけど。続編も書いて欲しいな。
「タイミングが合うというのも出会いの要素のひとつかもしれませんね」

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

可もなく不可もなくといった感じだが面白かった。
いつでもどんな時でも気軽に読む事ができ、小説を読み慣れていない人にオススメ。

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2025年11月03日

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