あらすじ
困難な障害に向きあったある家族の混沌と光明。目線が合わず、言葉はオウム返し、いきなりパニックを起こす。三つ違いの弟は二歳で自閉症と診断された。自閉症とはどのような障害なのか、その家族にはどんなことが起こるのか。姉の視点から、島田家三十年の混沌と闘いと愛の歴史を鮮やかに再現。文庫化にあたり、書下ろし「島田家のその後」を新たに収録。
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Posted by ブクログ
就活で訪れた、自閉症の施設「しもふさ学園」からいただいた本で、本書にも「しもふさ学園」のことが載っています。
一生懸命家族で、弟の自閉症がばれないようにしていた姿をみると、当時の障害に対する偏見も少なくはなかったんだと思いました。
「福祉とは、お互いの理解から始まるのだと思う。」
「人は、障害者だろうが健常者だろうが、誰だって奥深い。人はみな同じだ。そして、人は誰もが成長する力をもっているのだ。」
「障害」ってなんだろうということについて改めて考えさせられました。
成田という土地柄、遠距離だったこともあるが、二時間も遅刻してしまったにも関わらず広い心で選考を受けさせてくださって、しかも昼ご飯にお寿司までいただいたしもふさ学園さんに感謝です。
しかも、自分のアスペルガー障害まで正直にカミングアウトしてしまって明らかに選考には不利な要素を作ってしまったにもかかわらず「電車遅れてパニックしたでしょ」と理解を示してくれてありがたかったです。
つーか、受かる要素が全然ない・・・けれど、ここで働きたいなっていう気持ちはとても大きいです。車がないと生きていけないようなとんでもない田舎ですけれども、やっぱり行きたい!
Posted by ブクログ
この本を読み始めたきっかけは、小学校の時見たドラマを思い出し、原作を読もうと思ったからです。
私自身も4つ下の自閉症の弟がいること、著者がオーストラリア留学を経験しているようなな国際派であることなど、共通点もあります。
実際に読んでみると、
本当にこれは私の人生を代弁しているのではないか、と思ってしまうほど、今までの私の悩みだったり経験したことが、ぴったり重なり、辛かったことを思い出して涙を流しっぱなし。
わかる!わかる!とずっと心の中で思ってました。
"弟がいなければ、
私も普通の家庭に生まれたかった、
こんな思いをするなら死んでしまいたい"
弟のことは好きだけど.....
そんな風に思春期ぐらいから思うこともありました。
今、私は少し家族と離れて住んでいます。
大学生になっても、家族から逃げたいと思ったことはあります。
でもどこかで、
お母さん大丈夫かな、
私だけこんなに遊んでていいのかな、
家族のことが心配になります。
私は役立たずな娘だ、
お母さんにばっか任せている。
過去は後悔だらけです、
でも私も私なりに必死でした。
誰も自閉症の弟のお姉ちゃんの在り方なんて教えてくれません。
そんな私にこの本は、
希望と安心感を与えてくれまさした。
自閉症は、ひとことでは言い表せません。本当に、個性があります。
この本は、家族の視点から自閉症というものについて描かれているので、専門書などよりも、身近に自閉症を感じることができるのではないでしょうか。
母と弟を身近で見てきました。
母も未だに毎日が試行錯誤です。私たちを育てた、母を本当に尊敬しています。
そんな私ができることは、
だいすきな学校という場所で、
自分の経験を生かし、
母のような悩みを抱えるお母さんたちを助けることです。
そして姉として、
彼より長生きしたいと思います。
この本に出会えてよかった。
Posted by ブクログ
自閉症の弟を持つ著者やその家族の葛藤、そして弟の成長過程について綴られた本。
大学4年生のとき、ひょんなことから参加した自閉症やダウン症の子どもたちをキャンプに連れていく活動の記憶がよみがえってきた。
ご両親が口を揃えてもらしていた言葉は、「私たちが老いて死んでしまったあとに残されるこの子たちはどうなってしまうんだろう」ってこと。彼らを支えられる兄弟がいる家庭ならまだしも、一人っ子だったり、兄弟揃って知的障害を持ってる子だったり、この先が不安でたまらないという声も多々。
「人は、障害者だろうが健常者だろうが、誰だって奥深い。人は皆同じだ。そして、人は誰もが成長する力を持っているのだ」
色々考えさせられた。そして、もっと考えなくてはいけないと思った。
Posted by ブクログ
同じ境遇(自分の場合は兄がそう)の話を読むことができた。
かなり合致することもおおく、何とも言えない気持ちになった。自分の場合はまだ答えが見つけ切れていないが、本格的に向き合わなければならない状況であることだけは確認できた。