あらすじ
フリーライターの溝口省吾は、無差別通り魔事件の加害者・小野寺圭一に事件のノンフィクションを出したいと持ちかける。彼からの出版条件はただ一つ。自分を捨てた母親を捜し出すこと。母親の行方を探るため、溝口は小野寺の生い立ちを辿り始めるが……。決して交わるはずのなかった人生が交錯した時、慟哭の真実が明らかになる。衝撃のミステリー。
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Posted by ブクログ
友達から借りた本。
罪の境界を考えるにあたって、様々な視点で話が描かれていく。
私も、人を信じられなくなったら人を殺すのだろうか?私が罪を犯さずにいられるのは奇跡なんじゃないか、と思わせられる。
虐待する母親の心情で、『殺さないことで人間でいるようにした』という文章があったが、『虐待しないこと』ではなく『殺さないこと』だったのが、ギリギリの精神を生きていることを表していると感じた。
どうやったら、このような人を少しでも楽にさせられるのか…やはり、人の優しさなのではないかと思う。
人に優しくありたい。
Posted by ブクログ
罪を犯してしまう人と犯さず踏みとどまる人の境界を考えさせられる話。
罪を犯してしまっても社会で再度生きようとする飯山さんの過去を考えると、境界を越えてしまったらそれで終わりと言うことはできないのかと思った。
罪の境界を越えない人と越える人ととの違いは、人と関わって大切な人ができていくことが大事なのだと考えると、そういう機会を与えなかった親の責任はすごく大きいと思った。
母親に母親の考えや遠慮があったのかもしれないけど、子どもを突き放してしまうような最後は苦しかった。
Posted by ブクログ
ひたすらやり切れない物語。
犯罪者が悲惨な過去を負っているからといって、全てが正当化されるわけがありません。
でも、悲惨な過去を知ると、元を作った親も憎く思えます。でもその親もまた虐待を受けていた過去があって、とどこまでも悲劇の連鎖でした。
過酷な環境に置かれて、自暴自棄になり犯罪に走るか否か、そういう意味での罪の境界なのだとタイトルに深い感銘を受けました。
Posted by ブクログ
かなり重めのミステリー?
通り魔に遭って心身共に深い傷を負った女性と、その犯人に興味を持ってノンフィクション本を出そうとする男性が中心の話。
最後まで読み進めるのが嫌な暗さと重さだったけど、最後は最後まで読んで良かったなと思えた。犯人側の同情を誘うような背景だったり、被害者側の受けた闇からの攻撃性や脆さだったりを丁寧に書いていて、色々考えさせられる本だった。とても面白かったしこの著者の他の本も読みたいけれど、余裕がある時にしか読めないなと思う。余裕がある時に是非次も読みたい。