あらすじ
フリーライターの溝口省吾は、無差別通り魔事件の加害者・小野寺圭一に事件のノンフィクションを出したいと持ちかける。彼からの出版条件はただ一つ。自分を捨てた母親を捜し出すこと。母親の行方を探るため、溝口は小野寺の生い立ちを辿り始めるが……。決して交わるはずのなかった人生が交錯した時、慟哭の真実が明らかになる。衝撃のミステリー。
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Posted by ブクログ
罪を犯してしまう人と犯さず踏みとどまる人の境界を考えさせられる話。
罪を犯してしまっても社会で再度生きようとする飯山さんの過去を考えると、境界を越えてしまったらそれで終わりと言うことはできないのかと思った。
罪の境界を越えない人と越える人ととの違いは、人と関わって大切な人ができていくことが大事なのだと考えると、そういう機会を与えなかった親の責任はすごく大きいと思った。
母親に母親の考えや遠慮があったのかもしれないけど、子どもを突き放してしまうような最後は苦しかった。
Posted by ブクログ
読み応えがありました。
話は、女性被害者・その彼氏・ライターのそれぞれ視点で進んでいきます。
その中で、加害者が犯行に至った経緯、通りすがりの人物に命を救ってもらった女性被害者の生きることへの葛藤、その彼氏の苦悩などが描かれています。
それが、最終的に罪の境界というタイトルの結論に繋がっていきます。
とても深い内容で読み終えた時に久々に「面白かった」と直感的に思えた本でした。