あらすじ
2024年9月21日(土) 大泉洋主演でSPドラマ放送!(テレビ朝日系列)
山田太一の名作小説を宮藤官九郎が現代にドラマ化!
一つの物語から二つのドラマが生まれた! シナリオ界を代表する2人が白熱の競演!
令和の(昭和の)現在から、敗戦直前の戦時下にタイムスリップしてしまった主人公一家。
一億総玉砕の風潮のなか、過酷な日々を生き抜けるのか?
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Posted by ブクログ
「ことによると、本当の終末は(原発体験もあるので)この小説のように一気に一切を失うというものではなく、何十年も何百年もかかってじわじわ、だらだらと、しかしとどめようもなく崩壊に向かうというようなものかもしれません。」(2013年に復刊した小学館文庫のための作者あとがき)
私たちは終わりへの過渡期を生きているのか?
とりあえず、身の回り、日々のニュース、世界情勢を思い浮かべてみる限り、それを否定できる根拠はなーんにもない。
むしろそんなことを言われると、そんな気しかしなくなる。
とりあえず米が買えなくなるなんて、日本人にとってはちょっとした終末よ。
さて。シナリオ本というものを避けてきた人間ですが、意外と読めるじゃない〜とクドカンパートを読み終わり、そっから山田太一パートが始まったことに面くらう。
え、そんなこと書いてた?と思って帯やら装丁やらを見て…
「シナリオ『集』」
ああ。
「読み比べができる」
ああ。
ええーー!それなら山田太一バージョンから読んだよー。
絶対読みづらいやん!
………いや、意外と読めますな。
そしておもしろい。
もちろんクドカン的コミカル味はないけど、しっかり没入してしまった。
いや、本家だしそりゃそうか。
いやしかし、この奇抜な物語の原作が自分が生まれる前に書かれていたことに驚き。
ハインラインの「夏への扉」レベルのオドロキ。
でも、最後まで読んで、あとがきや解題まで読んで、作者の想いにも触れた上で、1番悲しかったのが「レオの死」だなんていう私は、やっぱり「終わり」への行進に足並み揃えた現代っ子なのでしょうか。