あらすじ
セント・アガサ・カレッジは、ケンブリッジ大学屈指の貧乏学寮。その学寮付き保健師(カレッジ・ナース)イモージェン・クワイのもとに、卒業生で国際的大企業の経営者の訃報が届いた。アルコール依存症の治療施設に入っていたところ、誤って崖から転落したという。だがその数か月前に、イモージェンは彼から、さまざまな相手に命を狙われていると打ち明けられていた。イモージェンはその死に疑念を抱いて調べはじめるが、事件はカレッジにとんでもない危険をもたらす……。『ウィンダム図書館の奇妙な事件』にはじまる、〈イモージェン・クワイ〉シリーズ第3弾!/解説=若林踏
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Posted by ブクログ
イモージェン・クワイシリーズ第三弾。
カレッジの卒業生である大企業の経営者の死亡事故に不信感を抱いた主人公が元彼と独自に捜査に乗り出す話。
二弾読んでないけど先に読んじゃった。
イモージェン、地味に色んな人と繋がりがあって話術もあるし探偵向いてる。
アンドルーも悪くない奴なんだろうけど終始イライラする。イモージェンに甘えすぎだろ。主人公は早く吹っ切れて忘れた方が良いよ……。
犯人当てとか考えずに読んでたけど、真相が分かると結構伏線がいろいろと散らばってたなって感じ。
マックスが本当にただのクズ男でちょっと笑った。経営者としても駄目だったし。
サラッと前科持ち医師が出てきたり情報量多いな。
今回は恋愛要素が多かったな。人間関係ややこし過ぎる。
次作もあるらしいから読みたい。
Posted by ブクログ
『学寮付き保健師〈イモジェン・クワイ〉』シリーズの三冊目ですね。
イモジェン・クワイはセント・アガサ・カレッジのディナーに招待された。カレッジの卒業生で、大会社の会長ジュリアス・ファランを招待してのディナーで、女性の参加者を学寮長が探していたのだ。
もちろん、イモジェンは参加することに…♪
ところが、元セント・アガサ・カレッジの経済学者だったのが、ファランに引き抜かれて、〈ファラングループ〉のエージェントになっているアンドルー・ダンカンが、イモジェンの家に転がり込んでくる。
アンドルーは、イモジェンの元恋人で、今は結婚しているはずだが……?
これ以上は、ネタバレになるので、差し控えます。
相変わらず、事件性の無いところから、事件を導き出すイモジェンの活躍で、物語に引き込まれていきます。
コージーですが、アガサ・クリスティやドロシー・L・セイヤーズの善き面白さを魅せてくれています。
一つだけ、最後のどんでん返しが、物語のクライマックスです。ミステリーの醍醐味ですね♪
Posted by ブクログ
シリーズ三作目。アガサ・クリスティ系のコージーミステリーを探していて、こちらの作者にたどり着きました。小説は得意でない方ですが、この著者の作品は三作ともスラスラ読めました。
今回は経済が絡んでいて大学色が薄まっていますが、その分イモージェンの恋愛要素が多くなっています。
今回もあっという展開があり、前に戻って確認したくなるところがあるなど見所があります。
個人的には二作目の数学の話が入ってる雰囲気が好きです。最後になる四作目も翻訳されるそうなので発売されたらすぐに購入して読みたいです。
Posted by ブクログ
シリーズ第三弾。
ケンブリッジ大学の貧乏学寮・セント・アガサ・カレッジで学寮付き保健師(カレツジ・ナース)として働くイモージェン。
彼女はカレッジが開いたディナーの席で、同カレッジのOBで大規模な金融グループ〈ファラン・グループ〉の会長であるサー・ジュリアスから自身が誰かに命を狙われている旨を打ち明けられます。
その数ヶ月後、サー・ジュリアスが崖から転落死したというニュースを聞いたイモージェンは、その死に疑問を抱いて調査に乗り出しますが・・。
今回はカレッジ内の事件ではないので、前二作のような大学ならではの情景描写は控えめで、大企業〈ファラン・グループ〉のゴタゴタというかドロドロした内幕がメインに描かれている印象です。
ミステリ的には疑惑の転落死からの、第二の殺人発生といったシンプルな流れで、真相の意外さも含めて普通に楽しめるのですが、個人的にイモージェンと共に調査をする、アンドルーの言動に終始モヤモヤしちゃいました。
このアンドルーが、イモージェンの元カレ的なポジションなのですが、気が多くて軽薄だし、調査の時もイモージェンの足を引っ張るような言動ばかりした挙句、途中からは調査自体をイモージェンに丸投げしちゃうという・・(-_-;)
で、イモージェンもイモージェンでアンドルーのどこがいいのか、彼への未練を断ち切れず、完全に"都合のいい女"になってしまっているので、読みながら"もしコイツとよりを戻したとしても、100%浮気するから止めとき!"と、イモージェンの肩を揺さぶりたくなった私です。
と、いうことでミステリ云々よりもイモージェンの事が色々と心配になった本作でございました。
ラストでの寂しそうな彼女の姿に、しんみりとした気持ちになりながら、いつかイモージェン自身に幸せが訪れるよう祈らずにいられなくなった次第です。
因みに解説によると、著者のジル・ペイトン・ウォルシュさんが2022年に亡くなられている為、このシリーズも次巻で最後になるとか・・うーん、寂しいですね~。