【感想・ネタバレ】吉原遊廓―遊女と客の人間模様―(新潮新書)のレビュー

あらすじ

江戸の初期、吉原遊廓は大いににぎわっていた。当時、市井の人々には敷居の高い廓内の出来事を伝え、好事家たちの注目を集めていたのが「遊女評判記」、いわば遊女に関する情報誌である。馴染み客との恋愛やトラブルから、歌舞伎役者や座頭が嫌われた理由、ライバルの悪評を画策する遊女、新造と呼ばれる付き人の少女とのさりげない会話まで――。気鋭の歴史研究者が貴重な文献をもとに甦らせる、なにげない吉原の日常。

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Posted by ブクログ

史料を読み解く、かなりファクトベースの本なので、ゴシップ的なものや、花魁に代表するような江戸後期の遊郭を知りたい人には物足りないだろう。また、どんな時代であれ売買春は許されず、語ることは売買春の肯定だと感じる人には腹立たしい本だろう。
私は筆者が真摯に史料や当時の日常に向き合おうとする姿勢に非常に共感する。昔から、くどくどうるさく嫉妬深い「おやぢ」が嫌われているのも面白かった。今の「コンカフェオタク」「おぢ」と似通っており、島国にはおやぢとおやぢの買う女がいまもいるのである。その善悪はともかくとして、ファクトとして。

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2024年11月24日

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